ペルーの経済情勢(2017年6月)
平成29年7月21日
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率3.39%(5月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率2.73%(6月までの一年間),対米ドル為替相場3.268ソル(6月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.6%(5月),財政収支1345百万ソルの赤字(6月),貿易収支246百万米ドルの黒字(5月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について,ここ数か月停滞していたが,5月は3.39%(前年同月比)となり(6月分は未公表),漁業分野を中心に経済成長率に改善の傾向が見られる。




ウ 為替相場
6月の対米ドル為替相場の平均は3.268ソルであった。

エ 失業率
5月のリマ首都圏の完全失業率は6.6%であった。

オ 財政収支
6月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で4.1%減となった。歳出は,対前年同月比で5.2%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,228百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,1,345百万ソルの赤字となった。

カ 貿易収支
5月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比23.7%増,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が12.9%増となり,全体では3,444百万米ドル(対前年同月比20.5%増)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,鉛であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が19.2%増,中間財は24.4%増,資本財が3.1%増となり,全体で3,199百万米ドル(対前年同月比15.6%増)となった。この結果,貿易収支は,246百万米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油,ディーゼル,自動車(消費財では,自動車,テレビ,バイク)であった。


キ 外貨準備高
6月末の外貨準備高は,62,601百万米ドルとなった。

最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率3.39%(5月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率2.73%(6月までの一年間),対米ドル為替相場3.268ソル(6月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.6%(5月),財政収支1345百万ソルの赤字(6月),貿易収支246百万米ドルの黒字(5月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について,ここ数か月停滞していたが,5月は3.39%(前年同月比)となり(6月分は未公表),漁業分野を中心に経済成長率に改善の傾向が見られる。
イ インフレ率
6月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,▲0.16%となり,最近12か月(昨年7月~本年6月)の上昇率は,2.73%となった。
6月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,▲0.16%となり,最近12か月(昨年7月~本年6月)の上昇率は,2.73%となった。
ウ 為替相場
6月の対米ドル為替相場の平均は3.268ソルであった。
エ 失業率
5月のリマ首都圏の完全失業率は6.6%であった。
オ 財政収支
6月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で4.1%減となった。歳出は,対前年同月比で5.2%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,228百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,1,345百万ソルの赤字となった。
カ 貿易収支
5月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比23.7%増,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が12.9%増となり,全体では3,444百万米ドル(対前年同月比20.5%増)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,鉛であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が19.2%増,中間財は24.4%増,資本財が3.1%増となり,全体で3,199百万米ドル(対前年同月比15.6%増)となった。この結果,貿易収支は,246百万米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油,ディーゼル,自動車(消費財では,自動車,テレビ,バイク)であった。
キ 外貨準備高
6月末の外貨準備高は,62,601百万米ドルとなった。
ク 対外累積債務
2017年3月末の対外債務累積総額は,75,045百万米ドルと なった。

(2)最近の主な出来事
・今年の漁業生産量は65%成長の見通し(7月5日)
アラエチェア生産大臣は,今年度の漁業の成長はここ6年で一番高く,同分野における中央準備銀行の成長予測(34%)を上回る65%の成長見通しであると発表し,今年の水揚量は636.3万トンとの予測を述べた。
特に,水産業の5月のGDP成長率は前年同月比で280%増を記録しており,これは,非食用水産物(アンチョベータ)の水揚げの増加が寄与しているもの。
・官民連携プロジェクトのうち,アマゾン地域水路事業が落札(7月6日)
オデブレヒト社の汚職事件等の影響も指摘され,ここ数か月民間投資に前向きな動きが見られないところであったが,7月6日,本年入札予定の官民連携プロジェクトのうち,アマゾン地域水路(投資額:約95百万ドル,コンセッション期間:20年)がSINOHYDRO(中国)とConstruccion y Administracion S.A.(CASA)(ペルー)のコンソーシアムCONSORCIO HIDROVIAS IIに落札された。
ペルー政府は,本落札後も,年末までに30億ドル,来年は90億ドルの官民連携プロジェクトの落札を期待している旨表明した。
・ペルー経済財政省,国際市場で30億ドル超の国債発行へ(7月11日)
ペルー経済財政省は,近日中に30億~40億ドルの債券発行を予定であるとの見解を示した。報道によれば,本国債発行は,債務のプリペイやドル債務からソル債務への転換に使われる予定。
2017年3月末の対外債務累積総額は,75,045百万米ドルと なった。
(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事
・今年の漁業生産量は65%成長の見通し(7月5日)
アラエチェア生産大臣は,今年度の漁業の成長はここ6年で一番高く,同分野における中央準備銀行の成長予測(34%)を上回る65%の成長見通しであると発表し,今年の水揚量は636.3万トンとの予測を述べた。
特に,水産業の5月のGDP成長率は前年同月比で280%増を記録しており,これは,非食用水産物(アンチョベータ)の水揚げの増加が寄与しているもの。
・官民連携プロジェクトのうち,アマゾン地域水路事業が落札(7月6日)
オデブレヒト社の汚職事件等の影響も指摘され,ここ数か月民間投資に前向きな動きが見られないところであったが,7月6日,本年入札予定の官民連携プロジェクトのうち,アマゾン地域水路(投資額:約95百万ドル,コンセッション期間:20年)がSINOHYDRO(中国)とConstruccion y Administracion S.A.(CASA)(ペルー)のコンソーシアムCONSORCIO HIDROVIAS IIに落札された。
ペルー政府は,本落札後も,年末までに30億ドル,来年は90億ドルの官民連携プロジェクトの落札を期待している旨表明した。
・ペルー経済財政省,国際市場で30億ドル超の国債発行へ(7月11日)
ペルー経済財政省は,近日中に30億~40億ドルの債券発行を予定であるとの見解を示した。報道によれば,本国債発行は,債務のプリペイやドル債務からソル債務への転換に使われる予定。
(了)