ペルー静岡県人会創立110周年記念式典挨拶
平成29年9月13日
ペルー静岡県人会創立110周年記念式典にあたり、一言ご挨拶、光栄に存じます。
海外の方には富士山が何よりも有名ですが、東海道新幹線に乗って東京と関西の間を往復すると、どこまでも静岡県が続いているように感じます。異なる3つの地域、遠江、駿府、伊豆がその後一緒になって静岡県ができただけのことはあります。大変に大きな県であり、東日本と西日本の両方の要素を持つ県でもあるので、このような県なのですと一口で言ってしまうことは、本当は難しい。
しかし、地震防災に関心が高い、サッカーが盛ん、新鮮な魚が豊富にとれるというのが、静岡らしさだとあえて申し上げます。実は、これは、ペルーの特色といってもよいこと、双方に共通していることなのです。
静岡県は遠洋漁業の基地も多く、外洋の仕事に従事する人が多かったからでしょうか、比較的豊かな土地柄でありつつも、海外へ進出する方が輩出されたのではないかと考えます。ペルーにおいても、静岡県人のご活躍は大変素晴らしいものがあります。
他方で、これまでの日系の皆様の歩みは決して平坦なものではありませんでした。
初期の移住はきわめて劣悪な環境におかれました。言葉、食事、生活習慣の違いなどに苦しめられました。第二次世界大戦の前後においては、排日暴動、ペルー政府による日本語教育の禁止、学校の接収、個人の財産の没収、アメリカ合衆国強制収容所への移送などきわめて厳しい体験をされています。
しかしその後、ペルーに残りペルー人として生きる決意をされた日系の方、その子孫の方々は、ペルー社会にとって、欠くことのできない重要なメンバーとして温かく受け入れられています。
日本の戦国時代、これはペルーで言えば、ちょうどインカ帝国が滅びようとしていた時代です。女性ながらも城主として活躍した井伊直虎を主人公とするNHKの大河ドラマが話題となっています。大変面白いものです。直虎は、生きるか死ぬかの厳しい状況で生きていますが、積極的で明るい。これが静岡の県民性なのかと拝見しています。勤勉、実直、努力など日本の伝統に加えて、きっと静岡県人の特質も時代を超えて、ペルーでも受け継がれて、それが皆様の成功と繁栄を支えているものと存じます。
安倍総理は常々、日系の皆様がそれぞれの国で築いた信頼に賛辞を贈られ、日系人が誇りを持てる日本を作り、日本と日系の皆様との絆を強化していこうとされています。
長い歴史を刻んでこられたペルー静岡県人会の記念式典に本日川勝知事さんがご出席されることとなったのは、今一度県人会の皆様とルーツの静岡県の絆が深まるという点で大変喜ばしい限りです。今回の知事ご訪問が一過性のものとなるのではなく、今回を契機として、これまで以上に静岡県とペルー県人会の「連携」が深まっていくことを心から期待して、挨拶とさせていただきます。
海外の方には富士山が何よりも有名ですが、東海道新幹線に乗って東京と関西の間を往復すると、どこまでも静岡県が続いているように感じます。異なる3つの地域、遠江、駿府、伊豆がその後一緒になって静岡県ができただけのことはあります。大変に大きな県であり、東日本と西日本の両方の要素を持つ県でもあるので、このような県なのですと一口で言ってしまうことは、本当は難しい。
しかし、地震防災に関心が高い、サッカーが盛ん、新鮮な魚が豊富にとれるというのが、静岡らしさだとあえて申し上げます。実は、これは、ペルーの特色といってもよいこと、双方に共通していることなのです。
静岡県は遠洋漁業の基地も多く、外洋の仕事に従事する人が多かったからでしょうか、比較的豊かな土地柄でありつつも、海外へ進出する方が輩出されたのではないかと考えます。ペルーにおいても、静岡県人のご活躍は大変素晴らしいものがあります。
他方で、これまでの日系の皆様の歩みは決して平坦なものではありませんでした。
初期の移住はきわめて劣悪な環境におかれました。言葉、食事、生活習慣の違いなどに苦しめられました。第二次世界大戦の前後においては、排日暴動、ペルー政府による日本語教育の禁止、学校の接収、個人の財産の没収、アメリカ合衆国強制収容所への移送などきわめて厳しい体験をされています。
しかしその後、ペルーに残りペルー人として生きる決意をされた日系の方、その子孫の方々は、ペルー社会にとって、欠くことのできない重要なメンバーとして温かく受け入れられています。
日本の戦国時代、これはペルーで言えば、ちょうどインカ帝国が滅びようとしていた時代です。女性ながらも城主として活躍した井伊直虎を主人公とするNHKの大河ドラマが話題となっています。大変面白いものです。直虎は、生きるか死ぬかの厳しい状況で生きていますが、積極的で明るい。これが静岡の県民性なのかと拝見しています。勤勉、実直、努力など日本の伝統に加えて、きっと静岡県人の特質も時代を超えて、ペルーでも受け継がれて、それが皆様の成功と繁栄を支えているものと存じます。
安倍総理は常々、日系の皆様がそれぞれの国で築いた信頼に賛辞を贈られ、日系人が誇りを持てる日本を作り、日本と日系の皆様との絆を強化していこうとされています。
長い歴史を刻んでこられたペルー静岡県人会の記念式典に本日川勝知事さんがご出席されることとなったのは、今一度県人会の皆様とルーツの静岡県の絆が深まるという点で大変喜ばしい限りです。今回の知事ご訪問が一過性のものとなるのではなく、今回を契機として、これまで以上に静岡県とペルー県人会の「連携」が深まっていくことを心から期待して、挨拶とさせていただきます。