ペルー山口県人協会創立90周年(記念)式典

平成29年9月21日
 ペルー山口県人協会創立90周年(記念)式典にあたり、ご挨拶を申し上げる機会をいただき光栄に存じます。
 
 今回の山口県庁、県議会としての当地の活動は、本日の式典にとどまらず、元の留学生・研修生との懇談、ペルー山口学校への訪問、救急車や救助工作車の贈呈、日秘文化会館訪問、カニエテの慈恩寺での先没者法要等、大変充実した内容となっています。これまで進めてこられたペルーの国立サン・マルコス大学との連携を一層強固なものとするために、学長自らが団を率いてお見えの山口大学、日本国内でペルーとの交流に熱心に取り組んでこられた山口県ペルー協会の皆様。これほどの陣容で日本側が参加される県人会の式典は、ほとんど例がないようにすら感じます。とりわけ、県民の皆様が多数お見えになっているのは、単に周年を記念するだけではなく、日頃からの交流活動が本当に活発に行われていることの証であると心から感心いたします。
 
 歴史的に考えますと、山口県のエリアは、常に海外との交易が盛んな場所でありました。最初に外からの新知識に接する国内最先端の地域でありました。幕末、明治維新における長州藩の志士達の活躍はあまりにも有名ですが、海外に向かって開かれた精神は遙か以前から脈々として一貫していたものと思います。例えば、日本において初めてクリスマスを祝ったのは室町時代1552年の山口でのことです。ペルー移民の父と称される、田中貞吉氏が山口県の出身であったことも決して偶然ではないと思います。そして、ペルーにおいて、日系社会の中核として多くの県出身の方々が活躍されています。この繁栄を心からお喜び申し上げます。
 
 ご紹介が遅くなりましたが、本日は衆議院議員河村建夫先生にご出席頂いております。先生は山口県ペルー協会会長として、これまでのペルーとの交流を熱心にご指導いただいています。加えて、中南米の日系人を支援する議員連盟を立ち上げ、会長にご就任されました。ペルーにいる者としてあらためて感謝申し上げます。多くの移民を輩出した山口県は、河村先生を筆頭に多くの著名な政治家の方を輩出してもいます。安倍総理は、昨年11月ペルーを公式訪問いただき、大変お忙しい日程の中で日系人協会主催の歓迎会に出席、日系の皆様から大変な歓迎を受けました。参加者全員と写真まで撮って頂きました。安倍総理は日系の皆様と相思相愛の関係になるべきとお考えだと側聞します。なぜそうしたお考えをお持ちなのか。これは河村先生がつとに訴えてこられた「日系人は日本の宝であり、関係強化が必要だ」とのお考えに安倍総理も共鳴されてのことと本日良く分かった次第です。
 山口県はこれまでも先進的な交流の取り組みを行っています。本日の式典をきっかけとして、さらに進化を遂げていって頂きたいと祈念しております。本日は、おめでとうございます。