ペルーの経済情勢(2017年9月)
平成29年10月20日
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率1.55%(7月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率2.94%(9月までの一年間),対米ドル為替相場3.247ソル(9月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.5%(8月),財政収支2,053百万ソルの赤字(9月),貿易収支433百万米ドルの黒字(8月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について,7月は1.55%(前年同月比)となり,漁業,特に,アンチョビの漁獲時期のずれにより生じる魚粉・魚油等水産加工品生産量に関する昨年同時期の比較により,GDP成長率低下に影響を及ぼしているとみられる(8月分は未公表)。
イ インフレ率
9月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,▲0.02%となり,最近12か月(昨年10月~本年9月)の上昇率は,2.94%となった。
ウ 為替相場
9月の対米ドル為替相場の平均は3.247ソルであった。
エ 失業率
8月のリマ首都圏の完全失業率は5.5%であった。
オ 財政収支
9月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で1.0%減となった。歳出は,対前年同月比で17.0%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,714百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,2,053百万ソルの赤字となった。
カ 貿易収支
8月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比23.8%増,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が11.1%増となり,全体では3,923百万米ドル(対前年同月比20.4%増)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,鉛であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が9.6%増,中間財は12.5%増,資本財が8.2%増となり,全体で3,490百万米ドル(対前年同月比10.1%増)となった。この結果,貿易収支は,433百万米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油,ディーゼル,自動車(消費財では,自動車,テレビ,バイク)であった。
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率1.55%(7月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率2.94%(9月までの一年間),対米ドル為替相場3.247ソル(9月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.5%(8月),財政収支2,053百万ソルの赤字(9月),貿易収支433百万米ドルの黒字(8月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について,7月は1.55%(前年同月比)となり,漁業,特に,アンチョビの漁獲時期のずれにより生じる魚粉・魚油等水産加工品生産量に関する昨年同時期の比較により,GDP成長率低下に影響を及ぼしているとみられる(8月分は未公表)。
イ インフレ率
9月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,▲0.02%となり,最近12か月(昨年10月~本年9月)の上昇率は,2.94%となった。
ウ 為替相場
9月の対米ドル為替相場の平均は3.247ソルであった。
エ 失業率
8月のリマ首都圏の完全失業率は5.5%であった。
オ 財政収支
9月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で1.0%減となった。歳出は,対前年同月比で17.0%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,714百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,2,053百万ソルの赤字となった。
カ 貿易収支
8月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比23.8%増,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が11.1%増となり,全体では3,923百万米ドル(対前年同月比20.4%増)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,鉛であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が9.6%増,中間財は12.5%増,資本財が8.2%増となり,全体で3,490百万米ドル(対前年同月比10.1%増)となった。この結果,貿易収支は,433百万米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油,ディーゼル,自動車(消費財では,自動車,テレビ,バイク)であった。
キ 外貨準備高
9月末の外貨準備高は,64,360百万米ドルとなった。
9月末の外貨準備高は,64,360百万米ドルとなった。
ク 対外累積債務
2017年6月末の対外債務累積総額は,78,543百万米ドルとなった。
(2)最近の主な出来事
・ペルー中央準備銀行・今後2年間のマクロ経済予測を公表(9月15日)
ア ペルー中央準備銀行(BCRP)は,本年9月「インフレ・レポート:2017年から2019年のマクロ経済予測と現在の展望」を公表した。同レポートによれば,ペルーの本年のGDP成長率予測は,2.8%と据え置きであるものの,民間投資の促進及び公共投資及び鉱業生産の微増により,2018年及び2019年の同予測は4.2%まで上昇するとしている。
イ また,BCRPは同レポートの中で,4月以降下降が進んでいたインフレ率は一時期レモンや水の価格上昇があり,8月のインフレ率はBCRPの目標範囲(1%から3%)を超え3.17%と述べたが,これは今般の一時的な供給ショックに起因するものであることから,今後12か月のインフレ期待は目標範囲内に留まると予測した。
・IMF,ラ米諸国の経済成長率予測を公表(10月11日)
IMFは10月に公表した「世界経済の展望」の中で,ペルーにおける2017年の経済成長予測は2.7%,2018年同率予測は3.8%と述べた。2018年の同率は,南米諸国中ペルーが第一位であり,IMFは,ペルー政府は気候変動に関連した災害からの復興の必要性への対応のため,例年とは異なる財政政策への舵を切ったと評価している。
2017年6月末の対外債務累積総額は,78,543百万米ドルとなった。
(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事
・ペルー中央準備銀行・今後2年間のマクロ経済予測を公表(9月15日)
ア ペルー中央準備銀行(BCRP)は,本年9月「インフレ・レポート:2017年から2019年のマクロ経済予測と現在の展望」を公表した。同レポートによれば,ペルーの本年のGDP成長率予測は,2.8%と据え置きであるものの,民間投資の促進及び公共投資及び鉱業生産の微増により,2018年及び2019年の同予測は4.2%まで上昇するとしている。
イ また,BCRPは同レポートの中で,4月以降下降が進んでいたインフレ率は一時期レモンや水の価格上昇があり,8月のインフレ率はBCRPの目標範囲(1%から3%)を超え3.17%と述べたが,これは今般の一時的な供給ショックに起因するものであることから,今後12か月のインフレ期待は目標範囲内に留まると予測した。
・IMF,ラ米諸国の経済成長率予測を公表(10月11日)
IMFは10月に公表した「世界経済の展望」の中で,ペルーにおける2017年の経済成長予測は2.7%,2018年同率予測は3.8%と述べた。2018年の同率は,南米諸国中ペルーが第一位であり,IMFは,ペルー政府は気候変動に関連した災害からの復興の必要性への対応のため,例年とは異なる財政政策への舵を切ったと評価している。
(了)