魚の缶詰に関する注意喚起

平成29年11月23日
在ペルー日本国大使館
 
1 トマトソース味のサバの缶詰から寄生虫が検出
 全国漁業保健機関(SANIPES)は,中国から輸入されたTROPICAL FOOD MANUFACTURING (NINGBO) Co. Ltd製のサバの缶詰を消費しないように警告を出しましたので,御注意ください。この理由は中国当局発行の衛生証明書が添付された同社のトマトソース味のサバの缶詰の一部から,寄生虫(アニサキス線虫)が検出されたことによります。なお,同缶詰はサン・マルティン州の学校給食として供給される予定のものでした。

2 アニサキス線虫による食中毒
 アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で,その幼虫がサバ,イワシ,カツオ,サケ,イカ,サンマ,アジなどの魚介類に寄生します。アニサキス幼虫が寄生している魚介類を生あるいは冷凍や加熱が不十分な状態で食べることで,アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
症状として,食後数時間後から十数時間後に,みぞおちの激しい痛み,悪心,嘔吐を生じたり(急性胃アニサキス症),食後十数時間後から数日後に,激しい下腹部痛,腹膜炎症状を生じます(急性腸アニサキス症)。激しい腹痛があり,アニサキスによる食中毒が疑われる際は速やかに医療機関を受診してください。治療法に関しては,胃アニサキス症では胃内視鏡検査時に胃粘膜に穿入する虫体を見つけこれを鉗子で摘出する,腸アニサキス症では対症療法が試みられ,場合により外科的処置が施される,などが行われる一方,現在のところ,幼虫に対する効果的な駆虫薬は開発されていません。
同症に対する一般的な注意として,新鮮な食品を選ぶことや,冷凍 (-20度で24時間以上冷凍)あるいは加熱(60度で1分以上)を行うことが推奨されています。

○参考情報
厚生労働省 食中毒についての情報「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html

国立感染症研究所 「アニサキス症とは」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/314-anisakis-intro.html