ペルーの経済情勢(2018年1月)

平成30年2月22日
1 総論
 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率1.32%(12月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率1.25%(1月までの一年間),対米ドル為替相場3.215ソル(1月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.9%(12月),財政収支2,789百万ソルの黒字(1月),貿易収支1,081百万米ドルの黒字(12月)となった。
 
2 各論
(1)主要経済指標
 ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)について,12月は主に漁業及び製造分野の成長率低迷が見られる一方,農牧,建設及び通信分野等の成長により,全体としてGDP成長率は1.32%(前年同月比)となった(1月分は未公表)。


 

イ インフレ率
 1月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.13%となり,最近12か月(昨年2月~1月)の上昇率は,1.25%となった。




ウ 為替相場
 1月の対米ドル為替相場の平均は3.215ソルであった。



 

エ 失業率
 12月のリマ首都圏の完全失業率は6.9%であった。



オ 財政収支
 1月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で2.3%減となった。歳出は,対前年同月比で19.8%減となった。全体では,プライマリーバランスは,3,200百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,2,789百万ソルの黒字となった。


カ 貿易収支
 12月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比10.2%増,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が0.2%増となり,全体では4,397百万米ドル(対前年同月比7.3%増)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,鉛であった。
 輸入額は,対前年同月比で消費財が1.2%増,中間財は21.6%増,資本財が0.8%増となり,全体で3,317百万米ドル(対前年同月比9.7%増)となった。この結果,貿易収支は,1,081百万米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油,ディーゼル,自動車(消費財では,自動車,テレビ,バイク)であった。





キ 外貨準備高
 1月末の外貨準備高は,64,290百万米ドルとなった。 


 

ク 対外累積債務
 2017年9月末の対外債務累積総額は,80,200百万米ドルとなった。



 
 
(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。

(2)最近の主な出来事
・CPTPP参加各国との間で同協定交渉妥結(1月23日)
  通商観光省は,ペルーがオーストラリア,ブルネイ,カナダ,チリ,日本,メキシコ,マレーシア,NZ,シンガポール及びベトナムと共にCPTPPの交渉妥結に至った旨のプレスリリースを発出した。フェレイロス通商観光相は,世界で最も野心的で重要な合意に達したと述べ,CPTPPは世界,特にアジア太平洋におけるペルーのプレゼンスを確立するための土台となる第一歩である旨強調した。また,同相は,CPTTP交渉妥結の次のステップは署名であり,その時期は本年3月初旬とすることで参加各国と調整していると述べた。
 
 
・太平洋同盟準加盟国交渉第2回会合の開催(2月3日)
 通商観光省は,1月29日から2月2日にオーストラリアにおいて,太平洋同盟国と,オーストラリア,カナダ,NZ及びシンガポールとの太平洋同盟準加盟国交渉第2回会合を実施したとのプレスリリースを発出した。今次交渉では,市場アクセスに加え,原産地規則,関税,技術的貿易障壁,規制の改善,衛生植物検疫措置,協力,性別による格差是正,中小企業等のテーマが取り扱われている。次回交渉会合は本年3月に実施予定。
 
・ペルー・オーストラリアFTA署名(2月12日)及びオーストラリア(シドニー)にペルー通商観光オフィス開設(2月13日)
 通商観光省は,2月12日,オーストラリアのキャンベラにおいて,フェレイロス通商観光相とチオボー豪貿易・観光・投資大臣が2国間FTAに署名した旨報じるとともに,翌13日,オーストラリアのシドニーにおいて,オセアニア地域へのペルー産品の輸出,観光,投資及びペルーのイメージ促進に資する通商観光オフィスを開設したとのプレスリリースを発出した。
 フェレイロス通商観光相は,ペルーの様々な産品,例えばアボガド,ブドウ,ブルーベリー,キヌアといったスーパーフード,また,衣類(アルパカや綿製品)のオーストラリアへ輸出拡大が期待できると述べた。
 
(了)