ペルーにおける17年ぶりの麻疹患者の発生(2人目)

平成30年3月14日
ペルーにおける17年ぶりの麻疹患者の発生(2人目の患者発生)。

1 2人目の麻疹患者の発生
(1)3月12日付の当国保健省(MINSA)の発表によれば,プノ州フリアカ町において16歳の青年が麻疹に感染していることが確認されました。これで,カヤオ在住の感染者に続き2人目の国内発生例となる麻疹感染者が報告されたことになります。
保健大臣によれば,この青年はアンデスの高原地帯(アルティプラーノ)を旅行し,同地で感染した疑いがあるとのことです。プノの地域保健局は感染者周辺の追跡調査を行い,その家族全員への検査と麻疹予防接種を行いました。また,1人目の麻疹感染者はプノへの旅行歴があり,同地に対する疫学的サーベイランスと感染者管理を強化するため,保健省の調査団を派遣するとのことです。
http://www.minsa.gob.pe/index.asp?op=51&nota=27057
(2)なお,3月2日に報告された1人目のカヤオ在住感染者は回復し,今のところ周囲への感染の拡大は報告されていません。同感染者に関しては,発症時期や同ウイルスの潜伏期間から推測すると,2次感染者の発生を考慮すべき時期を過ぎつつあると考えられます。

2 麻疹について
(1)感染経路および症状
麻疹は,感染力が非常に強く,空気感染や飛沫感染によって簡単に人から人に感染する急性のウイルス性発疹性感染症です。潜伏期間は10~12日で,免疫が不十分な人が感染すると高い確率で発症します。主な症状は発熱,咳,鼻汁,結膜充血,発しんなどですが,まれに肺炎や脳炎になることがあり,先進国であっても,患者1,000人に1人が死亡するといわれています。
(2)治療
特別な治療法はなく,対症療法が行われます。
(3)予防
麻疹は感染力が強く,空気感染もするので,手洗い,マスクのみで予防はできません。そのため,麻疹の予防接種が最も有効な予防法といえますが,十分な免疫を得るためには2回接種が必要であると考えられています。本邦においては,2回接種していない人または接種歴が不明な人は,予防接種を受けることを検討するよう呼びかけています。

(参考)
○厚生労働省ホームページ:麻疹について
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html