ペルーの政治情勢 4月

2018/6/6
【概要】
(内政)
●ビヤヌエバ内閣が発足した。
●生産大臣が交代した。
●憲法裁判所がウマラ元大統領夫妻に対する勾留を解除するよう命ずる判決を下した。
 
(外交)
●ポポリシオ新外相が就任外交演説を行った。
●第8回米州サミットが当国で開催された。
●ペルー外務省が南北首脳会談の実施を歓迎する声明を発出した。
 
【本文】
1 内政
(1)ビヤヌエバ内閣の発足
2日、クチンスキー大統領の辞任(3月23日)とともにアラオス内閣が総辞職したことを受け,ビスカラ大統領がビヤヌエバ新首相(野党「ペルーの進歩のための同盟(APP)」議員を兼任。)以下国務大臣の任命・宣誓式を行った。ビヤヌエバ新内閣の顔ぶれは以下のとおり。
ア 首相:セサル・ビヤヌエバ
野党国会議員。元首相(ウマラ政権),元サン・マルティン州知事
イ 外相:ネストル・ポポリシオ
職業外交官。外務副大臣(第二次ガルシア政権及びクチンスキー政権)
ウ 国防相:ホセ・ウエルタ
退役軍人,国防副大臣(国防政策担当)。
エ 経済財政相:ダビ・トゥエスタ
アンデス開発公社(CAF)戦略部門長。元BBVA銀行チーフエコノミスト,元エネルギー鉱業投資監督庁(OSINERGMIN)理事
オ 内相:マウロ・メディーナ
元内務副大臣(治安担当),元国家情報局(DINI)ハイレベル委員会委員,元国家警察(PNP)ピウラ署長
カ 法務人権相:サルバドール・エレシ
与党国会議員。元サン・ミゲル区(リマ市)区長,元カヤオ市官房長
キ 教育相:ダニエル・アルファロ
教育省生産技術・高等技術局長。元教育省文化芸術産業局長
ク 保健相:シルビア・ペサ
元イスラエル保健省動物原性感染症局長,全国保健機構(INS)理事,カイェターノ・エレディア病院(ペルー)感染症室長
ケ 農業灌漑相:グスタボ・モスタホ
ペルー農業検疫庁(SENASA)植物検疫局次長
コ 労働雇用促進相:クリスティアン・サンチェス
労働雇用促進省労働局長。元カトリカ大学法学部教授
サ 生産相:ダニエル・コルドバ
INVERTR社社長。元ペルー応用科学大学(UPCA)経済学部長
シ 通商観光相:ロジェル・バレンシア
通商観光副大臣(観光担当)。元クスコ州観光会議所会頭,元ペルー応用科学大学(UPCA)観光学部教授
ス エネルギー鉱山相:フランシスコ・イスモデス
Sierra Antapie社(鉱業)社長。元Milpo社(鉱業)ゼネラル・マネージャー,元全国鉱業・石油・エネルギー協会(SNMPE)鉱業部門ゼネラル・マネージャー
セ 運輸通信相:エドメル・トルヒーヨ
上下水道公社(SEDAPAL)総裁。元住宅建設上下水道相
ソ 住宅建設上下水道相:ハビエル・ピケ
国立工科大学(UNI)教授。元ペルー・エンジニアリング協会リマ地域長,元日ペルー地震防災センター(CISMID)所長
タ 女性社会的弱者相:アナ・マリア・メンディエタ
元女性社会的弱者省副大臣(女性問題担当)。元女性社会的弱者省「ドメスティック・バイオレンス,性暴力及び強制失踪との闘い」プログラム長
チ 環境相:ファビオラ・ムニョス
全国森林・野生生物機構執行理事。元Anglo American Quellaveco社(鉱業)地元住民とのコミュニケーション部門マネージャー
ツ 文化相:パトリシア・バルブエナ
文化副大臣(文化間対話担当)。元法律擁護協会(IDL)専門家
テ 開発社会包摂相:リリアナ・ラ・ロサ
ペルー看護師協会会長。元カトリカ大学社会科学部及び公共経営大学院教授。元労働雇用促進省国際室長
(2)生産大臣の交代
25日,コルドバ生産大臣が辞任した。同大臣は,ストライキ中の零細漁業組合との会合で,漁業副大臣を辞任させる代わりにスト解除をするよう組合員に持ちかけたことが問題視されていた。
30日,コルドバ大臣の後任にペレス=レイェス生産省工業・中小企業担当副大臣(元エネルギー副大臣,元通信副大臣)が任命された。
(3)ウマラ元大統領夫妻に対する勾留解除命令
26日,憲法裁判所は,資金洗浄疑惑で勾留中のウマラ元大統領及びナディン・エレディア夫人に対する人身保護請求(habeas corpus)を受け入れ,両名の勾留を解除する判決を下した。憲法裁判所は,検察庁が主張する資金洗浄の証拠が確認できないことから,無罪推定原則により勾留措置を行き過ぎ(exceso)と判断した。今次判決により同元大統領夫妻は自由を回復する一方で,同夫妻に対する刑事司法面での追及は今後も続く見込み。
(4)ビスカラ大統領支持率(括弧内は前月のクチンスキー政権期のもの)
ア ダトゥム社:6~9日実施,全国(対象1200名),誤差±2.8%,信頼度95%
支持:55%(17%) 不支持:19%(79%)
イ イプソス社:10~12日実施,全国(対象1289名),誤差±2.7%,信頼度95%
支持:57%(19%) 不支持:13%(76%)
ウ GfK社:21~25日実施,全国(対象1226名)誤差±2.7%,信頼度95%
支持:52%(15%) 不支持:23%(81%)
 
2 外交
(1)ポポリシオ新外相の就任外交演説
3日,ポポリシオ新外務大臣が就任に際し外交演説を行った。ポポリシオ大臣は演説で,「汚職に対する民主的統治」をテーマに掲げた米州サミットへの期待,ベネズエラの米州サミットへの不招待の堅持,安保理における取り組み,紛争予防,PKO,2030アジェンダ,環境保全,気候変動,違法薬物対策,ペルーのOECD加盟,日本を含む主要パートナーとの二国間関係等に言及した。
(2)第8回米州サミット
ア 13~14日,当地において第8回米州サミットが開催され,米州からベネズエラ及びアンティグア・バーブーダを除く33か国から元首又は代表の出席があった。サミット開催後,民主的統治の強化,透明性,情報へのアクセス,汚職告発者及び人権,表現の自由の保護,政治団体及び選挙キャンペーンへの資金供与,公共事業,契約及び公共調達における汚職の防止,司法共助,共謀・国境を超える贈賄・組織犯罪及び資金洗浄との闘い,資産の回復,対汚職のための米州メカニズムの強化,フォローアップ報告書の作成をテーマとする共同宣言「リマ・コミットメント」が発出された。
イ また,今回のサミットにおいて,アルゼンチン,バハマ,ブラジル,カナダ,チリ,コロンビア,コスタリカ,グアテマラ,ガイアナ,ホンジュラス,メキシコ,パナマ,パラグアイ,ペルー,サンタ・ルシア及び米国の17か国より,ベネズエラに対し民主的・公正な大統領選挙の実施を求める共同宣言が発出された。
ウ 今回のサミットの機会にペルーは米国,カナダ,ボリビア,コスタリカ,コロンビア,チリ,ハイチ,ホンジュラスとそれぞれバイ会談を実施した。
(3)南北首脳会談実施に対するペルー政府の反応
30日,ペルー外務省は,南北首脳会談に係る声明を発出し,同会談の実施を歓迎しつつ,国連安保理議長国として,韓国と北朝鮮両国が「朝鮮半島の平和・繁栄と統一のための板門店宣言」で示した和平プロセスに対する支持,紛争の平和的解決と核不拡散へのコミットメントを表明した。