ペルーの経済情勢(2018年第4四半期)
平成30年12月28日
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率5.27%(11月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率2.17%(11月までの一年間),対米ドル為替相場3.376ソル(11月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.7%(11月),財政収支1,606百万ソルの赤字(11月),貿易収支155百万米ドルの赤字(11月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について,11月は主に漁業,建設業及び製造分野の成長率の顕著な伸びが見られ,全体としてGDP成長率は5.27%(前年同月比)となった。


イ インフレ率
11月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.12%となり,最近12か月(一昨年12月~11月)の上昇率は,2.17%となった。

ウ 為替相場
11月の対米ドル為替相場の平均は3.376ソルであった。

エ 失業率
11月のリマ首都圏の完全失業率は5.7%であった。

オ 財政収支
11月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で10.6%増となった。歳出は,対前年同月比で8.1%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,008百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,1,606百万ソルの赤字となった。

最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率5.27%(11月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率2.17%(11月までの一年間),対米ドル為替相場3.376ソル(11月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.7%(11月),財政収支1,606百万ソルの赤字(11月),貿易収支155百万米ドルの赤字(11月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について,11月は主に漁業,建設業及び製造分野の成長率の顕著な伸びが見られ,全体としてGDP成長率は5.27%(前年同月比)となった。
イ インフレ率
11月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.12%となり,最近12か月(一昨年12月~11月)の上昇率は,2.17%となった。
ウ 為替相場
11月の対米ドル為替相場の平均は3.376ソルであった。
エ 失業率
11月のリマ首都圏の完全失業率は5.7%であった。
オ 財政収支
11月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で10.6%増となった。歳出は,対前年同月比で8.1%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,008百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,1,606百万ソルの赤字となった。
カ 貿易収支
10月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比9.2%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が14.2%増となり,全体では3,859百万米ドル(対前年同月比2.8%減)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,鉛であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が1.3%減,中間財は25.4%増,資本財が0.6%増となり,全体で4,014百万米ドル(対前年同月比1.4%増)となった。この結果,貿易収支は,155百万米ドルの赤字となった。主要輸入品目は原油,ディーゼル,自動車(消費財では,自動車,テレビ,バイク)であった。


キ 外貨準備高
11月末の外貨準備高は,59,387百万米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2018年9月末の対外債務累積総額は,75,267百万米ドルとなった。

(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事
・ペルー自動車協会(APP) 9月期新車販売台数17%減少(10月10日)
9月期新車販売台数1万2,467台で前年同月比17%減少。選択消費税(ISC)税率引き上げによる価格上昇が影響。多目的使用車(▲23%),乗用車(▲22%),SUV車(▲18.5%)といずれも減少。メーカー別では,(1)TOYOTA 2,165(▲6%) (2)HYUNDAI 1,567(▲30%) (3)KIA 1,232(▲25%) (4)NISSAN 730(+0.4%) (5)CHEVROLET 692(▲20%) (6)SUZUKI 539(▲37%) (7)MITSUBISHI 517(▲6%) (8)VOLKSWAGEN 404(+20%) (9)MAZDA 298(▲28%) (10)CHANGAN 318(▲6%)。
・ZAFRANAL鉱山開発投資が始動(10月12日)
ZAFRANAL鉱山会社(Teck Resources Copper & Mitsubishi)は,アレキパ州に位置するサフラナル銅山の新規削岩調査を開始。2019年には削岩調査が開始され,2023年に本格的な銅と金の採掘に繋げる予定。11億6,000万ドルの投資が見込まれる。同鉱山は良質な銅と金が採れる。
・世界経済フォーラム国際競争力報告2018 ペルーは140か国中63位に後退(10月17日)
ペルーは前年比で3位後退。マクロ経済の安定性(1位),健康寿命(32位)、市場規模(49位),生産市場(50位),金融システム(63位)の主要12評価分野中5分野で中位以上の成績を獲得。一方,労働市場(72位),教育・能力(83位),インフラ(85位),技術革新(89位),機構制度(90位),ビジネス活力(92位),情報技術(94位)の7分野では中位以下の評価を受けた。ラ米・カリブ諸国ではコロンビアに次ぐ6位。
・経財省 今年の公共投資実施率いまだ53%のみ(12月4日)
今年の公共投資予算は489億9,450万ソル,現時点(12月2日付)で予算消化率は53.4%。中央政府の消化率は58.6%(91億440万ソル),地方政府は44.5%(49億4,270万ソル)に留まっている。省別では通商観光省(79.8%),環境省(70.4%),運輸通信省(70.4%),エネルギー鉱山省(60.9%)。
・民間投資推進機関(PROINVERSION) 2018年大型プロジェクト31億ドル投資(12月28日)
全体構造の調整や準備遅れで今年予定されていた民間投資プロジェクト18件のうち具体化されたのは8件で総額31億ドル。鉱業開発(MICHIQUILLAY銅山)25億ドル,港湾事業(サラベリ港拡充)2億2,900万ドル,電話通信事業(ブロードバンド広帯域通信網)3億5,800万ドルが具体化された。
(了)
10月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比9.2%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が14.2%増となり,全体では3,859百万米ドル(対前年同月比2.8%減)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,鉛であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が1.3%減,中間財は25.4%増,資本財が0.6%増となり,全体で4,014百万米ドル(対前年同月比1.4%増)となった。この結果,貿易収支は,155百万米ドルの赤字となった。主要輸入品目は原油,ディーゼル,自動車(消費財では,自動車,テレビ,バイク)であった。
キ 外貨準備高
11月末の外貨準備高は,59,387百万米ドルとなった。
ク 対外累積債務
2018年9月末の対外債務累積総額は,75,267百万米ドルとなった。
(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事
・ペルー自動車協会(APP) 9月期新車販売台数17%減少(10月10日)
9月期新車販売台数1万2,467台で前年同月比17%減少。選択消費税(ISC)税率引き上げによる価格上昇が影響。多目的使用車(▲23%),乗用車(▲22%),SUV車(▲18.5%)といずれも減少。メーカー別では,(1)TOYOTA 2,165(▲6%) (2)HYUNDAI 1,567(▲30%) (3)KIA 1,232(▲25%) (4)NISSAN 730(+0.4%) (5)CHEVROLET 692(▲20%) (6)SUZUKI 539(▲37%) (7)MITSUBISHI 517(▲6%) (8)VOLKSWAGEN 404(+20%) (9)MAZDA 298(▲28%) (10)CHANGAN 318(▲6%)。
・ZAFRANAL鉱山開発投資が始動(10月12日)
ZAFRANAL鉱山会社(Teck Resources Copper & Mitsubishi)は,アレキパ州に位置するサフラナル銅山の新規削岩調査を開始。2019年には削岩調査が開始され,2023年に本格的な銅と金の採掘に繋げる予定。11億6,000万ドルの投資が見込まれる。同鉱山は良質な銅と金が採れる。
・世界経済フォーラム国際競争力報告2018 ペルーは140か国中63位に後退(10月17日)
ペルーは前年比で3位後退。マクロ経済の安定性(1位),健康寿命(32位)、市場規模(49位),生産市場(50位),金融システム(63位)の主要12評価分野中5分野で中位以上の成績を獲得。一方,労働市場(72位),教育・能力(83位),インフラ(85位),技術革新(89位),機構制度(90位),ビジネス活力(92位),情報技術(94位)の7分野では中位以下の評価を受けた。ラ米・カリブ諸国ではコロンビアに次ぐ6位。
・経財省 今年の公共投資実施率いまだ53%のみ(12月4日)
今年の公共投資予算は489億9,450万ソル,現時点(12月2日付)で予算消化率は53.4%。中央政府の消化率は58.6%(91億440万ソル),地方政府は44.5%(49億4,270万ソル)に留まっている。省別では通商観光省(79.8%),環境省(70.4%),運輸通信省(70.4%),エネルギー鉱山省(60.9%)。
・民間投資推進機関(PROINVERSION) 2018年大型プロジェクト31億ドル投資(12月28日)
全体構造の調整や準備遅れで今年予定されていた民間投資プロジェクト18件のうち具体化されたのは8件で総額31億ドル。鉱業開発(MICHIQUILLAY銅山)25億ドル,港湾事業(サラベリ港拡充)2億2,900万ドル,電話通信事業(ブロードバンド広帯域通信網)3億5,800万ドルが具体化された。
(了)