ペルーにおけるレプトスピラ症患者の急増

令和元年8月7日
在ペルー日本国大使館
・ペルー国内においてレプトスピラ症患者が急増しています。


1 8月4日付, ペルー保健省のウェブサイトによると,ロレト州メイナス郡でのレプトスピラ症患者の急増を受けて,同省は技術委員会を同地に派遣し同症の予防活動や診療の支援を行うことを発表しました。

2 レプトスピラ症は,病原性レプトスピラの感染を原因とする人獣共通の細菌(スピロヘータ)感染症です。病原性レプトスピラは,保菌動物(ドブネズミなど)の腎臓に保菌され,尿中に排出されます。その後,ヒトは保菌動物の尿で汚染された水や土壌 から,経皮的あるいは経口的に感染します。
2日~3週間の潜伏期のあと,38度以上の発熱,頭痛,寒気,筋肉痛,吐き気,下痢,腹痛,リンパ節の腫れ,眼の充血など,多彩な症状が出ます。皮膚に発疹が現れることもあります。頭痛はしばしば重症となり,眼の奥の痛み(眼窩痛)や,光を異様にまぶしく感じ痛みも生じる(羞明)ことがあります。5~10%の人が重症化し,体が黄色くなり(黄疸),肝臓や腎臓などのいろいろな臓器の機能がおかされます(ワイル病と呼ばれます)。      

3 レプトスピラ症の流行地域では不用意に水(滝壺や河川での遊泳など)に入らないこと,特に洪水の後には絶対に入らないことが重要です。どうしても水に浸かる必要がある場合は,ゴム長靴やゴム手袋などを着用してください。抗菌薬(ドキシサイクリン)の内服も予防効果がありますが,ほかの細菌感染症の耐性菌を発育させる危険性があるので中途半端やむやみな服用は危険です。

○参考情報:
FORTH:お役立ち情報「レプトスピラ症(ワイル病)」
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name77.html
国立感染症研究所:「レプトスピラ症とは」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/531-leptospirosis.html