ペルーの経済情勢(2019年第3四半期)
令和元年11月20日
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率3.39%(8月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率1.85%(9月までの一年間),対米ドル為替相場3.357ソル(9月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.1%(9月),財政収支1,072百万ソルの赤字(9月),貿易収支99百万米ドルの黒字(8月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について,8月は主に宿泊・飲食業,通信・情報分野及び建設業の成長率の伸びが見られ,全体としてGDP成長率は3.39%(前年同月比)となった。


イ インフレ率
9月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.01%となり,最近12か月(昨年10月~9月)の上昇率は,1.85%となった。

ウ 為替相場
9月の対米ドル為替相場の平均は3.357ソルであった。



オ 財政収支
9月の政府全体の財政収支は,歳入が対前年同月比で7.1%増となった。歳出は,対前年同月比で2.3%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,072百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,1,353百万ソルの赤字となった。
カ 貿易収支
8月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比8.4%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が7.4%減となり,全体では3,729百万米ドル(対前年同月比8.1%減)となった。主要輸出品目は銅,金,亜鉛であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が1.5%増,中間財は16.2%減,資本財が9.7%増となり,全体で3,630百万米ドル(対前年同月比5.7%減)となった。この結果,貿易収支は,99百万米ドルの黒字となった。主要輸入品目はガソリン,原油,自動車(消費財では,自動車,テレビ,プラスチック製品)であった。


最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率3.39%(8月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率1.85%(9月までの一年間),対米ドル為替相場3.357ソル(9月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.1%(9月),財政収支1,072百万ソルの赤字(9月),貿易収支99百万米ドルの黒字(8月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について,8月は主に宿泊・飲食業,通信・情報分野及び建設業の成長率の伸びが見られ,全体としてGDP成長率は3.39%(前年同月比)となった。
イ インフレ率
9月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.01%となり,最近12か月(昨年10月~9月)の上昇率は,1.85%となった。
ウ 為替相場
9月の対米ドル為替相場の平均は3.357ソルであった。
エ 失業率
9月のリマ首都圏の完全失業率は6.1%であった。
9月のリマ首都圏の完全失業率は6.1%であった。
オ 財政収支
9月の政府全体の財政収支は,歳入が対前年同月比で7.1%増となった。歳出は,対前年同月比で2.3%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,072百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,1,353百万ソルの赤字となった。
カ 貿易収支
8月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比8.4%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が7.4%減となり,全体では3,729百万米ドル(対前年同月比8.1%減)となった。主要輸出品目は銅,金,亜鉛であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が1.5%増,中間財は16.2%減,資本財が9.7%増となり,全体で3,630百万米ドル(対前年同月比5.7%減)となった。この結果,貿易収支は,99百万米ドルの黒字となった。主要輸入品目はガソリン,原油,自動車(消費財では,自動車,テレビ,プラスチック製品)であった。
キ 外貨準備高
9月末の外貨準備高は,67,860百万米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2019年6月末の対外債務累積総額は,82,479百万米ドルとなった。

(2) 最近の主な出来事
・運輸通信省上半期公共事業実績27億1,900万ソル,予算消化率27.6%(7月4日)
中央政府の今年上半期公共投資実績は48億6,650万ソル,対年次修正予算消化率はわずか25%。省別では運輸通信省が27億1,920万ソル(消化率27.6%)で最大,主な内訳は道路公団による全国道路網などの道路インフラ整備15億9,360万ソル(同27.5%),リマ・カヤオ鉄道公社のリマメトロ電鉄1・2号線2億9,200万ソル,港湾関連事業1億4,900万ソルなど。上半期消化率はいずれも5割未満,最も高いのはエネルギー鉱山省(41.2%)。
・PICO Y PLACAで中高車市場売上伸長も(7月24日)
7月22日からリマ首都圏で実施されている混雑時ナンバー別車両通行制限プログラム「PICO Y PLACA」,恒久化すれば昨年の選択消費税(ISC)引上げ以来売上不調の中古車市場復調につながる可能性も。同様の制度を導入済のコロンビアでは(ナンバー末尾番号の多様化を目的に)2台目の自家用車購入が進んだと説明,リマでも公共機関の利用を嫌う層の中古車潜在購入需要に期待を寄せている。中古車相場は良品で6,000米ドルから,メーカーではトヨタなどが人気。
・プラスチック製レジ袋消費税本日から施行,単位当たり0.10ソル(8月1日)
プラ製レジ袋消費税はプラ袋を利用しようとする個人・法人双方に課税される。税額は2023年まで毎年0.10ソルずつ上昇,最終的には0.50ソルになる予定。また,スーパーなどプラ袋を扱う商業施設には,2022年12月20日を期限として再利用可能又は汚染源とならない素材を用いた代替袋への漸進的な転換が義務付けられている。なお,雑貨店や伝統的市場など簡易制度化の一般販売税非対象事業者は,同プラ袋税の課税対象から除外されている。
・国際経営開発研究所(IMD)ペルーのデジタル競争力域内諸国ではベネズエラに勝るのみ(9月27日)
2019年世界63か国デジタル競争力ランキング,ペルーは昨年より1ランク下がり61位,域内諸国でペルーが勝るのはベネズエラ(63位)のみ。5ランク下げたチリが域内では圧倒的に強く42位,次いでメキシコ(49位),ブラジル(57位),コロンビア58位,アルゼンチン(59位)。知識・技術・プレセンテーションともにチリがペルーを圧倒している。ランキング1位は米国,次いでシンガポール,スウェーデン,デンマーク,スイス。
9月末の外貨準備高は,67,860百万米ドルとなった。
ク 対外累積債務
2019年6月末の対外債務累積総額は,82,479百万米ドルとなった。
(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・運輸通信省上半期公共事業実績27億1,900万ソル,予算消化率27.6%(7月4日)
中央政府の今年上半期公共投資実績は48億6,650万ソル,対年次修正予算消化率はわずか25%。省別では運輸通信省が27億1,920万ソル(消化率27.6%)で最大,主な内訳は道路公団による全国道路網などの道路インフラ整備15億9,360万ソル(同27.5%),リマ・カヤオ鉄道公社のリマメトロ電鉄1・2号線2億9,200万ソル,港湾関連事業1億4,900万ソルなど。上半期消化率はいずれも5割未満,最も高いのはエネルギー鉱山省(41.2%)。
・PICO Y PLACAで中高車市場売上伸長も(7月24日)
7月22日からリマ首都圏で実施されている混雑時ナンバー別車両通行制限プログラム「PICO Y PLACA」,恒久化すれば昨年の選択消費税(ISC)引上げ以来売上不調の中古車市場復調につながる可能性も。同様の制度を導入済のコロンビアでは(ナンバー末尾番号の多様化を目的に)2台目の自家用車購入が進んだと説明,リマでも公共機関の利用を嫌う層の中古車潜在購入需要に期待を寄せている。中古車相場は良品で6,000米ドルから,メーカーではトヨタなどが人気。
・プラスチック製レジ袋消費税本日から施行,単位当たり0.10ソル(8月1日)
プラ製レジ袋消費税はプラ袋を利用しようとする個人・法人双方に課税される。税額は2023年まで毎年0.10ソルずつ上昇,最終的には0.50ソルになる予定。また,スーパーなどプラ袋を扱う商業施設には,2022年12月20日を期限として再利用可能又は汚染源とならない素材を用いた代替袋への漸進的な転換が義務付けられている。なお,雑貨店や伝統的市場など簡易制度化の一般販売税非対象事業者は,同プラ袋税の課税対象から除外されている。
・国際経営開発研究所(IMD)ペルーのデジタル競争力域内諸国ではベネズエラに勝るのみ(9月27日)
2019年世界63か国デジタル競争力ランキング,ペルーは昨年より1ランク下がり61位,域内諸国でペルーが勝るのはベネズエラ(63位)のみ。5ランク下げたチリが域内では圧倒的に強く42位,次いでメキシコ(49位),ブラジル(57位),コロンビア58位,アルゼンチン(59位)。知識・技術・プレセンテーションともにチリがペルーを圧倒している。ランキング1位は米国,次いでシンガポール,スウェーデン,デンマーク,スイス。
(了)