11月のペルー内政と外交の主な動き

2019/12/27
【概要】
(内政)
●11日,全国選挙裁判所が2020年臨時国会議員選挙への立候補権につき,例外的に本年9月30日のビスカラ大統領の国会解散宣言まで国会議員であった者の立候補を認めるとの決定を下した。
●25日,ペルー憲法裁判所がケイコ・フジモリ人民勢力党(FP)党首に対する人身保護請求(habeas corpus)を受け入れ,勾留を解除すると発表した。
●29日,ケイコ党首が釈放された。
(外交)
●29日,メサ=クアドラ外務大臣が第3回古代文明フォーラムに出席するために中国を訪問し,王毅中国務委員兼外交部長他と会談した。
 
【本文】
1 内政
(1)2020年臨時国会議員選挙に向けた動き
ア 国会議員の連続再選禁止との関係で,本年9月30日のビスカラ大統領の国会解散宣言まで国会議員であった者が2020年1月の臨時国会議員選挙に立候補できるか否か判断が求められていた。これについて11日,全国選挙裁判所(JNE)は,2020年の臨時国会議員選挙は,憲法で定められた2016年から5年間続く国会議員任期内に実施されるため,例外的に本年9月30日のビスカラ大統領の国会解散宣言まで国会議員であった者の立候補を認めるとの決定を下した(当館注:2018年12月にビスカラ政権が実施した国民投票において,国会議員の連続再選禁止に係る憲法改正が成立していた。)。
イ 18日,次期臨時国会議員選挙に参加する各政党(22政党)により選挙管理当局に対し候補者リストが提出された。ビスカラ大統領は,若者の積極的な参加と慎重な投票先選びを呼びかけるも,候補者の中には,9月末まで国会議員であった政治家をはじめとする元国会議員や元大臣経験者等が多く含まれている。
(2)ビスカラ大統領支持率
ア ダトゥム社:1日~4日実施,全国(対象1224名),誤差±2.8%,信頼度95%
支持:69%(82%) 不支持:25%(15%)
イ イプソス社:13~5日実施,全国(対象1199名),誤差±2.8%,信頼度95%
支持:60%(79%) 不支持:32%(16%)
ウ IEP:16~20日実施,全国(対象1248名),誤差±2.8%,信頼度95%
支持:58%(70%) 不支持:31%(23%)
(3)ケイコ・フジモリ人民勢力党党首の釈放:
ア 25日,ペルー憲法裁判所は,資金洗浄疑惑に関する捜査からの逃避及び妨害のおそれを理由に勾留(prision preventiva)措置を受けていたケイコ・フジモリ人民勢力党(FP)党首に対する人身保護請求(habeas corpus)を受け入れ,勾留を解除すると発表した。2018年10月,ペルー検察庁は,資金洗浄の疑いでケイコ党首等人民勢力党関係者に対する36ヶ月の勾留を裁判所に請求し,司法府がこれを認め,即時収監された。その後2019年9月,最高裁判所は,ケイコ党首に対する勾留期間を36ヶ月から18ヶ月に短縮する判決を下していた。
イ 28日,憲法裁判所は,ケイコ党首に対する勾留措置を解除する旨の判決文を公表した。同判決文によれば,憲法裁判所の7名の判事中,ブルメ長官を含む4名の判事が,ケイコ党首の勾留につき,正当な動機なくして制限されない個人の自由権,正当な司法の原則,無罪推定の権利,デュープロセスの権利などの基本的権利を侵害するものであると判断し,賛成多数によりケイコ党首の勾留措置を解除することが妥当であるとの判決を下した。
ウ 憲法裁判所の判決公表後,司法府による内部手続を経て国家刑務庁(INPE)に釈放命令が通達され,ケイコ党首は11月29日にリマ市内の自宅に戻った。翌30日,ケイコ党首は収監中のフジモリ元大統領を訪問した。
(4)閣僚の交代
15日,トマス前保健大臣は15日,保健大臣就任時に自身の家族が政府機関で勤務していることを明らかにしていなかったことを理由に辞任した。18日,マリア・イノストロサ氏(外科医)が新保健大臣に就任した。
 
2 外交
(1)メサ=クアドラ外務大臣の中国訪問
ア 29日,中国訪問中のメサ=クアドラ外務大臣は,王毅中国務委員兼外交部長と二国間会談を行い,バイ及びマルチの分野における二国間協力の推進について協議すると共に,ペルー独立200周年に当たる2021年の外交関係樹立50周年祝賀に向けた調整等について意見交換を行った。
イ メサ=クアドラ外務大臣は,中国北京で開催された第3回古代文明フォーラムに出席した。同フォーラムには,メンバー国であるギリシャ,エジプト,イラン,ドイツ,イタリア及び中国のハイレベルの高官が出席した。メサ=クアドラ外務大臣は,本フォーラムの枠組みにおいてLuo Shugang中国文化・観光部長及びスタイリアニ・メンドーニ・ギリシャ文化・スポーツ大臣と会談し,ペルー,中国及びギリシャの文化普及を強化するために共通の活動を促進することで合意した。
(2)モラレス・ボリビア大統領他の辞意表明に対する当国政府の立場
10日,ペルー外務省は,ボリビア情勢に関する外務省コミュニケを発出し,「ボリビアのモラレス大統領及びガルシア=リネラ副大統領の国会に対する辞意表明の決断に対し,ペルー政府は,兄弟国における移行プロセスがボリビア憲法及び各種法の枠組みにおいて行われることを強く願うともに,ボリビアにおいて民主主義制度が完全に尊重され,米州機構(OAS)及び他の国際機関に見守られる中で,しかるべき透明性が確保された総選挙が実施された上で,全てのボリビア国民の平和的共存が即時に確立されることを願う。」と表明した。
(3)第13回ペルー・エクアドル合同閣議
6~7日,当国トゥンベスにおいてビスカラ大統領,モレノ・エクアドル大統領及び両国の閣僚が第13回ペルー・エクアドル合同閣議を共同開催し,生産,通商,投資,観光,環境,エネルギー,鉱業,インフラ,両国の連結性等の分野に関する60のコミットメントを含む「トゥンベス宣言」が採択された。また,今次合同閣議において,外交,治安,運輸通信,食品安全,漁業,雇用,科学技術・イノベーション分野に関する9つの二国間文書に署名が行われた。
(4)ポポリシオ前外務大臣の国連大使の任命
14日,ポポリシオ前外務大臣が国連大使に任命された。