2月のペルー内政と外交の主な動きは以下のとおり

2020/10/15
【概要】
(内政)
●3日,全国選挙過程事務所(ONPE)が,開票率100%の各政党の得票率を公表し,国会議席獲得に必要な5%の得票率を超えたのは9政党。
●28日,全国選挙裁判所(JNE)が,新国会議員に対し当選証書を授与した。
●10日及び13日,リウ・エネルギー鉱山大臣,レビジャ法務人権大臣,トルヒーヨ運輸通信大臣,パブロ教育大臣の4大臣が相次いで辞任し,13日,右4大臣に替わる新大臣の宣誓式が大統領府において行われた。
(外交)
●20日,メサ=クアドラ外務大臣は,カナダ及びペルーの両国の共催によりオタワ(カナダ)で開催されたリマ・グループ外相会合に出席した。
 
【本文】
1 内政
(1)2020年臨時国会議員選挙
ア 全国選挙過程事務所(ONPE)による開票結果発表
2月3日,全国選挙過程事務所(ONPE)が開票率100%の各政党の得票率を公表したところ,国会議席獲得に必要な5%の得票率を超えたのは,人民行動党(AP),ペルー農業人民戦線(Frepap),進歩のための同盟(APP),Podemos Peru,紫の党(PM),人民勢力党(FP),ペルー統一党(UPP),拡大戦線(FA)及びSomos Peruの9政党。
イ 6日,当地主要世論調査会社のひとつであるダトゥム社が1月26日に実施された臨時国会議員選挙に関する世論調査結果(2月1日~5日,首都リマ他15地域の1,224名を対象に実施。誤差±2.9%,信頼度95%)を公表した。同調査によれば,新国会に民意が代表されていると感じるかとの質問に対し,代表されていると感じると回答した者は32%で,大多数の国民が新国会に民意が代表されていないと感じていることが明らかとなった。
ウ 28日,全国選挙裁判所(JNE)は,ONPEによる臨時国会議員選挙開票結果に基づき,新国会議員に対し当選証書を授与した。同当選証書授与式にはビスカラ大統領が出席した。
 
(2)オデブレヒト社によるペルー政府に対する損害賠償の訴え
ウマラ政権時代(2011年~2014年),オデブレヒト社は南部ガスパイプライン建設計画を受注の上着工したものの,その後同事業予算が拡大したことからペルー政府は同社に対し資金調達を重ねて要請した。しかし,オデブレヒト社からの反応が得られなかったことからペルー政府は同計画を一方的に中止した。これに対し,2月5日,本年1月にオデブレヒト社が投資紛争解決国際センター(ICSID)に対し,ペルー政府を相手に約12億ドルの損害賠償を求める訴えを起こしていたことが明らかになった。なお,検察庁及び国家代理人庁(Procuraduria)はオデブレヒト社との間で司法取引及び汚職に対する罰金に関する合意を結んでいたが,どちらの合意にも同社によるペルーへの損害賠償の訴えを阻止する条項が含まれていなかったことから,現在政府及び検察庁は強い批判を受けた。
 
(3)ビスカラ政権における相次ぐ閣僚の辞任
ア リウ・エネルギー鉱山大臣
10日,上記1.(2)のオデブレヒト社による損害賠償の訴えを受け,過去に自身のコンサル会社を通じオデブレヒト社と関係を有していたことや,大臣就任後にオデブレヒト社代表と会合をもっていたことが明るみになったことを受け辞任した。
イ レビジャ法務人権大臣
13日,リウ前エネルギー鉱山大臣とオデブレヒト社代表との会合を提案していたことが明らかとなったことを受け辞任した。また,レビジャ大臣は,セバーヨス首相の了解の下,オデブレヒト社によるペルーへの訴えを察知していた国家代理人庁に対しても同社との会合を設定するよう要請していたことを認めた。
ウ トルヒーヨ運輸通信大臣
13日,モケグア州政府官房長官時代(2014年12月)に,モケグア州立病院建設計画で受注企業に不正に前金を支払った疑いで本年1月に検察の聴取を受けていたことを理由に辞任した。
エ パブロ教育大臣(2月13日)
13日に辞任したが,理由は明らかにされなかった。
 
(4)新閣僚の任命・宣誓
ア 2月13日,相次いで辞任したエネルギー鉱山大臣,法務人権大臣,運輸通信大臣及び教育大臣の4名に替わる新大臣の宣誓式が大統領府において行われた。新エネルギー鉱山大臣には,スサナ・ビルカ氏(元エネルギー鉱山次官),新法務人権大臣にはフェルナンド・カスタニェダ氏(前法務人権次官),新運輸通信大臣にはカルロス・ロサダ氏(前運輸省道路公団(Provias Nacional)執行理事,新教育大臣にはカルロス・ベナビデス氏(前全国大学教育監督庁(SUNEDU)長官)が各々就任した。
イ ビスカラ大統領は,閣僚の交替に関し,セバーヨス首相と検討した結果,今回の4名の大臣を交替することは妥当であるとの結論に至ったと述べると共に,汚職対策,強固な制度機構,社会開発及び地方分権化を政権の5つの柱に定めており,閣僚の交替はあり得るもののこれら5つの柱に変更はないことを強調した。
 
(5)ビスカラ大統領の支持率
ア ダトゥム社:1日~5日実施,全国(対象1221名),誤差±2.9%,信頼度95%
支持:63%(55%) 不支持:31%(38%)
イ IEP:15~18日実施,全国(対象1207名),誤差±2.8%,信頼度95%
支持:55%(57%) 不支持:38%(36%)
ウ イプソス社:12~14日実施,全国(対象1190名),誤差±2.8%,信頼度95%
支持:53%(58%) 不支持:37%(32%)
(6)フジモリ元大統領の入院
ア 3日,収監中のフジモリ元大統領が呼吸の問題により検査のために日秘百周年記念病院に移送されたが,7日,症状が改善したことから再び刑務所に移送された。
イ 28日,フジモリ元大統領は,メディカル・チェック(Control Medico)のために刑務所から日秘100周年記念病院に移送された。
 
2 外交
(1)ベネズエラ情勢
ア 20日,メサ=クアドラ外務大臣は,カナダ及びペルー両国の共催によりオタワ(カナダ)で開催されたリマ・グループ外相会合に出席した。同会合において,カナダ及びペルーの両国外相は,設置から2年以上経てリマ・グループの構成国に明らかな疲弊が見られることを認めた。
イ 20日,IOMは,第7版目となる「ペルーにおけるベネズエラ国民の流入についてのモニタリング(Monitoreo de flujo debla pobiracion venezolana en Peru)」と題する報告書を発表した。同報告書は,IOMが昨年9月~12月に実施したアンケート調査を元に作成されており,同報告書によれば,エクアドルとの国境にあるトゥンベスに到着したベネズエラ移民の63%が必要とされる条件を満たしていないことからペルーへの入国を拒否された一方,ペルーに到着したベネズエラ人の特徴として,18~34歳の完全なる生産年齢にある若者が大多数を占めており(その内,女性が55%を占める),56%が中等教育を終了し,37%が専門学校・大学を卒業しており,当地IOM事務所の代表を務めるバカ氏は,ペルーに入国するベネズエラ移民は,引き続き専門性を有していることから,首都リマ以外で専門性を必要とするペルー国内の他の地域に分散するであろうと述べた。
 
(2)米州機構(OAS)事務総長選挙
12日,次期OAS事務総長選挙に立候補しているデ・セラ駐米ペルー大使は,OAS常設理事会において,同事務総長に就任した際の自身の提案・イニシアティブについて発表を行った。
 
(3)ペトロッシ前文化大臣の在ドイツ・ペルー大使館文化アタッシェへの任命
27日,昨年12月に国営放送局(IRTP)の放送内容・報道姿勢について度々介入し,同放送局の総裁を解任したことから報道界他の強い非難を受けて辞任したペトロッシ前文化大臣が在ドイツ・ペルー大使館の文化アタッシェに任命された。