3月のペルー内政と外交の主な動きは以下のとおり

2020/10/15

【概要】

(内政)

●15日、ビスカラ大統領が新型コロナウイルス対策のための緊急事態宣言を発表した。

●16日,1月26日の臨時国会議員選挙で当選した130名が国会議事堂で宣誓を行い正式に国会議員に就任した他、国会執行部が選出された。

(外交)

●11日~14日,メサ=クアドラ外務大臣が,ジャマイカ,セント・キッツ・アンド・ネービスを訪問した。

 

【本文】

1 内政

(1)新型コロナウイルス

 ア 緊急事態宣言の発表他各種措置

(ア)15日夜,新型コロナウイルス対策のために3月16日から15日の間,移動の自由など憲法上の権利を制限する内容を含む国家緊急事態宣言を発表した。

(イ)18日,ビスカラ大統領は,同日以降,夜8時から朝5時までの外出絶対禁止(緊急時や人道上の理由以外は例外は無い)及び(2)明日19日朝5時以降,私用車の通行禁止を発表した。

(ウ)21日,ビスカラ大統領は,22日から全ての空港及び国境の完全閉鎖される旨発表し,例外的な場合のみ国外のペルー人の帰国及び(ペルーにいる)外国人の出国が認められる旨述べた。

(エ)26日,ビスカラ大統領は,緊急事態宣言を13日間延長(4月12日まで)することを決定した旨発表した。また,右延長に伴い,国境閉鎖,絶対外出禁止(午後8:00~午前5:00)等も継続すると述べた。

(オ)30日,ビスカラ大統領は,絶対外出禁止時間を国内全土で31日から午後6:00~午前5:00に拡大する(北部のトゥンベス州,ピウラ州,ランバイエケ州,ラ・リベルタ州及びロレト州は絶対夜間外出期間を午後4:00~午前5:00)最高令を承認した旨,4月1日~4日,2018年,2019年及び2020年に軍役を終えた者の招集を開始し,同人は今後絶対外出禁止時間におけるパトロールに従事する旨併せ発表した。

 イ 経済支援

(ア)20日,ビスカラ大統領は,新型コロナウイルス対策のために2,500百万ソル以上(約7億5,000万ドル)の予算が充てられる旨明らかにした。

(イ)25日,ビスカラ大統領は,脆弱な世帯に対する一時金(380ソル,約115ドル)の支給を23日(月)から開始し270万世帯に支給する予定であったが,経済財政省及び開発社会包摂省で見直しを行った結果,さらにインフォーマル部門に従事する80万世帯(月収1,000ソル(約303ドル)以下が対象)に対しても同一時金を支給することを決定した旨発表した。

(ウ)25日,アルバ経済大臣は,99%の企業(※インフォーマル部門は含まれない)を対象に4月末までに期限が来る所得税の支払期限を延期する一方,新型コロナウイルス対策に160億ソル(約48億ドル)が割り当てられており,現段階で経済的影響についての指標が出ているわけではないが,経済再活性化の段階に入った場合,活性化のために50億ソル(約15億ドル)が割り当てられる予定であると発表した。

(エ)28日,ビスカラ大統領は,全国各市(1874市)に対し脆弱な世帯に基礎食糧バスケットを購入し配布するための予算措置に係る緊急令が交付され,同措置により250万世帯が恩恵を受けられる旨,フォーマル部門に従事する者の失業手当(CTS)を2,400ソル(約727米ドル)まで引き出せるようにする旨,政府がフォーマル部門の企業が月額1500ソル(約454ドル)以下の賃金労働者に給与の35%に当たる補助金を支給できるよう支援する旨決定したと併せ発表した。

(オ)30日,ビスカラ大統領は年金基金(AFP)に関し,この1年以内において失業中にある者は最大2,000ソルまで(約600ドル)積み立て年金の引き落としを可能とする一方,現在就業中の者については4月及び5月の年金の積み立てを免除することを閣議承認した旨発表した。

 ウ 保健大臣の交替

 20日,ビスカラ大統領は保健大臣の交替を発表し,公衆衛生を専門とする医者として25年以上の実務経験を有するビクトル・サモラ氏(USAID,英国国際開発省,国連人口基金(UNFPA),世界保健機関(WHO)での勤務を通じて,ラ米・カリブ地域10ヶ国以上で延べ10年間にわたる国際的な経験を有する。)を新保健大臣に任命し,同日,宣誓式が行われた。

 エ その他

 26日,政府は国会に対し新型コロナウイルス対策に係る立法行為を行政府に委譲するように要請し,同日国会は右要請を可決した(注:政府は60日間の同権限の委譲を国会に対し要請したが,国会は45日間の同権限の委譲を認めた)。

 

(2)新国会の開会

 ア 16日,1月26日の臨時国会議員選挙で当選した130名が国会議事堂で宣誓を行い正式に国会議員に就任した。

 イ 同日,国会議長及び3名の副議長からなる国会執行部の選出プロセスが開かれ,本会議での投票の結果以下の執行部が選出された。

 国会議長:マヌエル・メリノ・デ・ラマ議員(国民行動党,AP

 第一副議長:ルイス・アルベルト・バルデス・ファリアス議員(進歩のための同盟,APP

 第二副議長:ギジェルモ・アリアガ・パハレス(Somos Peru

 第三副議長:マリア・テレサ・カブレラ・ベガ(Podemos Peru

 ウ 国会執行部選挙の後の本会議において,同執行部の任期を2021年7月末までに延長するための国会規則変更が行われた。また,2021年4月に予定される大統領・国会議員選挙に関し,今後6ヶ月の間選挙法の改正を認める法案が可決された。

 

(3)ケンジ・フジモリ元国会議員に対する予審

 ア 9日,国会においてクチンスキー前大統領に対する弾劾を阻止するために議員の買収工作を行ったとの理由により検察に起訴されたケンジ・フジモリ氏(フジモリ元大統領の次男で元国会議員。)に対する予審(control de acusacion)が行われた。アルシデス・チンチャイ上級検事はクチンスキー前大統領の弾劾を巡り職権乱用及び国会議員の買収の罪によりケンジ元議員に対し12年の禁固刑と併せて出国禁止令を求めた。また,国家代理人庁は,ケンジ元議員他に対し,計100万ソル(約30万米ドル)の賠償金の支払いを求めた。検察及びケンジ元議員の弁護人による双方による主張の後,ウゴ・ヌニェス判事は本件予審の中断を決定した。

 イ 今回の予審の後,ケンジ元議員は「人民勢力党の欲求が明らかとなった。同党が求めるのは,権力を持ち,国会の全権を掌握することであり,右理由から憲法規定で定められた大統領(クチンスキー前大統領)を弾劾した。」と述べた。

 

(4)ビスカラ大統領の支持率

 ア ダトゥム社:229日~33日実施,全国(対象1210名),誤差±2.9%,信頼度95

   支持:58%(63%) 不支持:36%(31%)

 イ イプソス社:2021日実施,都市部(対象800名),誤差±3.4%,信頼度95

   支持:87%(53%) 不支持:11%(37%)

 

2 外交

(1)メサ=クアドラ外務大臣の外遊

 11日~14日,メサ=クアドラ外務大臣は,ジャマイカ,セント・キッツ・アンド・ネービスを訪問し,各国の外務大臣と次期OAS事務総長選挙及び各国との二国間協力の強化に向けて意見交換を行った。

 

(2)OAS事務総長選挙におけるデ・セラ駐米ペルー大使の立候補取り下げ

 16日,ペルー政府は,期待された支持を得ることができなかったため,OAS事務総長候補のデ・セラ駐米ペルー大使の立候補取り下げを決定した旨発表した。

 

(3)ベネズエラ情勢

 2月29日,ベネズエラのグアイド暫定大統領が同国のララ州バルキシメト市での集会に参加した際,同暫定大統領が乗っていた車輌等が与党支持者(コレクティーボ)に襲撃され,メディア関係者及び集会参加者も数名負傷したことに対し,1日,リマ・グループは右を非難するコミュニケを発出した。

 

(4)ウルグアイ大統領就任式

 1日,ラカジョ・ウルグアイ新大統領就任式にセバーヨス首相が出席した。