大使の挨拶

令和2年11月5日

INDECI主催 「世界津波の日」記念行事

ルイス・カランサINDECI長官、
ご参加の皆様、
 
おはようございます。着任して約50日が経過し、コロナ禍の制約された環境下にも関わらず、ペルーの方々の暖かい支援のおかげで徐々に当地での生活に慣れて来ました。南米に来るのは今回が初めてです。スペイン語を学び始めたばかりなので、お聞き苦しい点は御容赦下さい。

本日は、「世界津波の日」記念行事に出席できることを嬉しく思います。
 
はじめに、津波災害のために亡くなられた全世界の尊い犠牲者に哀悼の意を表します。
 
自然災害、とりわけ津波災害は、一瞬のうちに多くの犠牲を生む恐ろしいものであり、太平洋を挟んで向かい合ったペルーと日本は、等しくその危険性と常に隣り合わせにある国です。本年は、国連において「世界津波の日」が制定されて5年目になります。このような行事を調整いただいたINDECIの皆様に感謝申し上げます。
 
世界津波の日である11月5日は、1854年のこの日に発生した日本の大地震の際の古い逸話に由来しています。ある村民が、井戸水の急退から津波の襲来を察知します。そこで、彼がしたことは、高台にある自分の田んぼで収穫されたばかりの稲束(”稲むら”)に火を投じて火事を装い、村民をいち早く高台に上がらせたことでした。この犠牲的精神によって多くの村民の命が救われ、津波への警戒と早期避難の重要性に気づかされます。
 
津波から身を守る最大の手段は「逃げる」ことです。しかしながら、地震が発生してから安全な場所に避難するまでの動きは、何度も訓練していないと簡単にできるものではありません。カヤオ市をはじめペルー沿岸部には何処でも津波の危険がありますので、皆さん、是非このことを心に留めて頂ければと思います。そして、日本政府はペルーで南米初となるシェイクアウト方式の防災訓練を実施するためにINDECIと協力しています。来年、多くの皆さんの参加を得て訓練が実現することを願っています。
 
ありがとうございました。