寄稿文
令和2年10月4日
雑誌「Kenshuin」
昨年9月、日本国大使として当地ペルーに着任しました片山和之と申します。雑誌「Kenshuin」が継続的に発行されていることに祝意を表します。新型コロナウイルス対策で気を緩めることのできない状況が続いておりますが、このメディアを通じて皆様にご挨拶できることをうれしく思います。
これまで日・ペルー関係は幅広い分野に亘り交流を深めており、双方にとって欠けがえのない重要なパートナーであることを着任前から実感しておりました。このような国に重要な使命を帯びて日本から赴任できたことは、私の外交官生活の中で極めて幸運なことだと喜んでおります。良好な二国間関係を少しでも更に発展させるべく微力を尽くしたいと思います。
私は当地に着任するに当たって、以下三点を目標に掲げて業務に邁進しているところです。
第一に、ペルーの日本ファンと日本のペルー・ファンを更に増やし相互理解を増進していきたいと思います。そのためにも当地では、できるだけ多くのペルーの皆さん、特に若者との交流の機会を持ちたいと思います。また同時に、日本に向けてペルーの重要性を積極的に発信してく考えです。
第二に、在留邦人や日本企業関係者、そして日系人にとって頼りになる大使館を目指します。言い換えれば、「敷居の低い」、いや「敷居のない」大使館を館員一同のモットーとして活動したいと思います。
第三に、当地で生活できる貴重な機会を最大限活用してペルーの社会、歴史、文化、風土、自然、言葉を学ぶ考えです。また、多くのペルーの人々と友人関係を構築していきたいと希望しています。パンデミックによる活動の制約はありますが、ペルーの方々の暖かいおもてなしに支えられ、この目標を具体化するために日々努力しているところです。また、このたびは、せっかくの機会ですので、日本とペルーとの協力に関する取組について最近のトピックを紹介したいと思います。
まず、学術関係に関して、日・ペルーは、長きにわたり学問分野で価値ある関係を築いてきました。特に、ここ数年の両国間の研究者や学生の交流、及び複数の大学間協定締結等を通じ、この関係が深化していることを大変嬉しく思います。例えば、2月にはサンマルコス大学と筑波大学にそれぞれサテライト・オフィスが設置されました。また、国費留学や私費留学、JICAの研修プログラム等を通じて、年々両国の学術分野における交流が質・量ともに増加しているところ、医学や地学、考古学、技術革新等、共通の分野・課題における相互協力を通じて、二国間交流がさらに促進されることを期待します。
次に文化関係に関して、パンデミックの状況下ではありますが、日本文化の更なる浸透を目指して様々なツールを活用しながら取り組んでおります。一例ですが、当館のSNSを通じて、千羽鶴に込められた意味を紹介、また有志によるリレー形式での折り鶴の折り方紹介動画を配信するとともに、動画配信後、一般参加者も折り鶴を作り、その写真を当館に送付するという「折り鶴チャレンジ」の呼びかけを行いました。この試みは日本や中南米諸国、一部欧州にも広がり、本プロジェクトに対する多くの高い評価と共に、多くの折り鶴写真が当館宛に送付され、大変好評を博しました。当館は、今後とも関係機関とも連携し、文化的協力・交流を進めて参ります。
最後に経済関係に関して、これまで日・ペルー間において投資協定、経済連携協定等を締結し、両国の経済基盤の強化が図られてきたところですが、両国経済関係強化の更なる一手として、本年1月に日・ペルー租税条約が発効し、2022年1月から適用されることが決定しました。この条約により、両国間の投資・経済交流が一層促進されることを期待します。また、今年は日本がCPTPP(TPP11)の議長国です。この機会に是非ペルーの早期批准が実現することを願っています。
本年はペルーにおいては大統領選挙及び独立200周年の節目の年であり、そして2023年は日本とペルーの外交関係樹立150周年が控えています。このような機会を通じて、両国の知的交流や協力の強化を目指していくとともに、両国の結びつきを益々深めて行きたいと思います。日本の友人である皆様とも協力できることを期待しています。
結びとなりますが、本年が、パンデミックを早期に克服し、皆様方、そして日秘関係にとり飛躍の年となることを心より祈念いたします。
これまで日・ペルー関係は幅広い分野に亘り交流を深めており、双方にとって欠けがえのない重要なパートナーであることを着任前から実感しておりました。このような国に重要な使命を帯びて日本から赴任できたことは、私の外交官生活の中で極めて幸運なことだと喜んでおります。良好な二国間関係を少しでも更に発展させるべく微力を尽くしたいと思います。
私は当地に着任するに当たって、以下三点を目標に掲げて業務に邁進しているところです。
第一に、ペルーの日本ファンと日本のペルー・ファンを更に増やし相互理解を増進していきたいと思います。そのためにも当地では、できるだけ多くのペルーの皆さん、特に若者との交流の機会を持ちたいと思います。また同時に、日本に向けてペルーの重要性を積極的に発信してく考えです。
第二に、在留邦人や日本企業関係者、そして日系人にとって頼りになる大使館を目指します。言い換えれば、「敷居の低い」、いや「敷居のない」大使館を館員一同のモットーとして活動したいと思います。
第三に、当地で生活できる貴重な機会を最大限活用してペルーの社会、歴史、文化、風土、自然、言葉を学ぶ考えです。また、多くのペルーの人々と友人関係を構築していきたいと希望しています。パンデミックによる活動の制約はありますが、ペルーの方々の暖かいおもてなしに支えられ、この目標を具体化するために日々努力しているところです。また、このたびは、せっかくの機会ですので、日本とペルーとの協力に関する取組について最近のトピックを紹介したいと思います。
まず、学術関係に関して、日・ペルーは、長きにわたり学問分野で価値ある関係を築いてきました。特に、ここ数年の両国間の研究者や学生の交流、及び複数の大学間協定締結等を通じ、この関係が深化していることを大変嬉しく思います。例えば、2月にはサンマルコス大学と筑波大学にそれぞれサテライト・オフィスが設置されました。また、国費留学や私費留学、JICAの研修プログラム等を通じて、年々両国の学術分野における交流が質・量ともに増加しているところ、医学や地学、考古学、技術革新等、共通の分野・課題における相互協力を通じて、二国間交流がさらに促進されることを期待します。
次に文化関係に関して、パンデミックの状況下ではありますが、日本文化の更なる浸透を目指して様々なツールを活用しながら取り組んでおります。一例ですが、当館のSNSを通じて、千羽鶴に込められた意味を紹介、また有志によるリレー形式での折り鶴の折り方紹介動画を配信するとともに、動画配信後、一般参加者も折り鶴を作り、その写真を当館に送付するという「折り鶴チャレンジ」の呼びかけを行いました。この試みは日本や中南米諸国、一部欧州にも広がり、本プロジェクトに対する多くの高い評価と共に、多くの折り鶴写真が当館宛に送付され、大変好評を博しました。当館は、今後とも関係機関とも連携し、文化的協力・交流を進めて参ります。
最後に経済関係に関して、これまで日・ペルー間において投資協定、経済連携協定等を締結し、両国の経済基盤の強化が図られてきたところですが、両国経済関係強化の更なる一手として、本年1月に日・ペルー租税条約が発効し、2022年1月から適用されることが決定しました。この条約により、両国間の投資・経済交流が一層促進されることを期待します。また、今年は日本がCPTPP(TPP11)の議長国です。この機会に是非ペルーの早期批准が実現することを願っています。
本年はペルーにおいては大統領選挙及び独立200周年の節目の年であり、そして2023年は日本とペルーの外交関係樹立150周年が控えています。このような機会を通じて、両国の知的交流や協力の強化を目指していくとともに、両国の結びつきを益々深めて行きたいと思います。日本の友人である皆様とも協力できることを期待しています。
結びとなりますが、本年が、パンデミックを早期に克服し、皆様方、そして日秘関係にとり飛躍の年となることを心より祈念いたします。