4月のペルー内政と外交の主な動きは以下のとおり。

令和3年9月2日
【概要】
●11日、ペルー大統領選挙(第一回投票)、国会議員選挙及びアンデス議会議員選挙が実施された。
●13日、ペドロ・カスティージョ候補(ペルー・リブレ(PL)、急進左派)が大統領選挙第一回投票における勝利宣言を行った。
●14日、ケイコ・フジモリ候補(人民勢力党(FP)、中道右派)が同選挙における勝利宣言を行った。
●16日、国会本会議において、ワクチン不当接種スキャンダルを理由にビスカラ元大統領他に対する弾劾審議が行われ、賛成多数をもって右弾劾が成立した。
 
【本文】
1 内政
(1)ペルー大統領・国会議員選挙
ア 11日、ペルー大統領選挙(第一回投票)、国会議員選挙及びアンデス議会議員選挙が実施された
イ 13日、ペドロ・カスティージョ候補(ペルー・リブレ(PL)、急進左派)が大統領選挙第一回投票における勝利宣言を行い、「2021年大統領選挙の決選投票は富裕層と貧困層の間の争いとなるであろう。国家合意の実現に向けて各政党に対し対話を呼び掛ける。ペルー国家警察(PNP)、国軍、大企業家等に広く対話を呼びかけるが、どうか怖がらないで欲しい。」と述べた。
ウ 14日、ケイコ・フジモリ候補(人民勢力党(FP)、中道右派)が同選挙における事実上の勝利宣言を行った
エ 22日、ペルー外務省は、ペルー大統領選挙決選投票を前に、モラレス元ボリビア大統領等の近隣諸国左派系政治家がペルーの選挙に関する発言を行ったことを受け、「ペルーの選挙について外国の人々が国内問題に対する明らかな干渉となるような意見を述べていることに対する懸念を表明する。」とTwitterを通じて表明した。
 
(2)中国シノファーム社製ワクチンの不当接種スキャンダルによるビスカラ元大統領他に対する弾劾の成立
 16日、国会本会議において、ビスカラ元大統領他に対する弾劾に係る審議が行われ、賛成多数をもって右弾劾が成立すると共に、それぞれビスカラ元大統領には10年間、アステテ前外務大臣には1年間、マセッティ前保健大臣には8年間の公職追放措置が決定された。
 
(3)ペルー検察によるビスカラ元大統領に対する未決勾留要請
 6日、ペルー裁判所は、モケグア州知事時代の公共事業を巡る汚職疑惑を理由に検察が要請していたビスカラ元大統領に対する18ヶ月の未決勾留措置を棄却した。
 
(4)ビスカラ元大統領夫妻の新型コロナウイルスへの感染
 25日、ビスカラ元大統領は、自身のTwitterを通じて、「自宅にウイルスを持ち込まないために必要な配慮をしていたにもかかわらず、私の妻と私は新型コロナウイルス検査で陽性となり、同症状がある。」と述べた。
 
(5)サガスティ大統領の支持率(括弧内は前回数値)
ア イプソス社:15日~16日実施、全国(対象1,206名)、誤差±2.8%、信頼度95%
  支持:24%(29%) 不支持:64%(62%)
イ ダトゥム社:16日~20日実施、全国(対象1,205名)、誤差±2.8%、信頼度95%
支持:28%(28%) 不支持:63%(61%)
ウ IEP:17~21日実施、全国(対象1,367名)、誤差±2.65%、信頼度95%
  支持:21%(20%) 不支持:64%(65%)
 
2 外交
(1)ラッソ・エクアドル次期大統領への祝意表明
 12日、サガスティ大統領は、Twitterを通じて、民主的に実施されたエクアドル大統領選挙について言及しつつ、ラッソ次期大統領及び同国国民に対し祝意を表明した。
 
(2)韓国とのデジタル技術推進に係る覚書への署名
 13日、ベルムデス首相は、デジタル技術に関する協力センター設置に向けて、Yungjoon JO当地韓国大使と覚書に署名を行った。
 
(3)サガスティ大統領のイベロアメリカ首脳会議への出席
 21日、サガスティ大統領はオンラインで第27回イベロアメリカ首脳会議に出席し、グローバルな公衆衛生分野において、全ての国々が新型コロナウイルスのワクチン他衛生技術に公平かつタイムリーにアクセスできることが重要である旨強調した。