8月のペルー内政と外交の主な動きは以下のとおり

令和3年10月29日
【概要】
●17日、ベハル外務大臣が辞任した。
●20日、オスカル・マウルトゥア氏が新外務大臣に就任した。
●27日、国会において賛成多数でベジド新内閣が正式に信任された。
 
【本文】
1 内政
(1)外務大臣の交代
ア 15日、当地メディアは、ベハル前外務大臣が外務大臣就任前の昨年11月に、「ペルーにおけるテロリズムは海軍が始め、CIAにより訓練された。右は歴史的に証明することができる。センデロ・ルミノソはCIA及び諜報機関の産物である。」と発言していたと報じた。これに対し、ペルー海軍が同大臣の発言を断固として拒絶するコミュニケを発出した。
イ 17日、国会野党がベハル大臣の喚問・罷免に動く等国内の批判が高まったことを受け、同大臣が辞任した。
ウ 20日、職業外交官出身でトレド政権において外相を務めた経験のある国際協調派のオスカル・マウルトゥア氏が新外務大臣に就任した。
 
(2)カスティージョ政権の新型コロナウイルス対策
 18日、ベジド首相は閣議後の記者会見において、新型コロナウイルスのパンデミックにより経済的な影響を受けた脆弱な各個人に対し350ソルの一時金を支給する旨発表した。
 
(3)ベジド新内閣に対する内閣信任決議の可決
ア 26日、ベジド新首相が国会において一部ケチュア語を交えながら約3時間弱の所信表明演説を行いった。その中で、新内閣の政策の柱は、政治合意の形成、汚職対策、憲法及び国際協定下の民主的自由の尊重であるとし、パンデミック対策他各種政策について述べた。
イ 27日、国会において内閣信任決議の採決が行われ、賛成73票、反対50票の賛成多数でベジド新内閣が正式に信任された(全130議席のうち複数議員は欠席した)。
 
(4)カスティージョ大統領の支持率
ア ダトゥム社:2~4日実施、全国(1,250名)、誤差±2.8%、信頼度95%
  支持:39%、不支持:41%
イ イプソス社:12日~13日実施、全国(1,203名)、誤差±2.8%、信頼度95%
  支持:38%、不支持:45%
ウ IEP社:16日~19日実施、全国(1,221名、誤差±2.8%、信頼度95%
  支持:38%、不支持:46%
 
2 外交
(1)サンチェス通商観光大臣の当地中国大使訪問
 2日、サンチェス通商観光大臣が当地中国大使館を訪問し、LIANG Yu(梁宇、リャン・ユー)駐ペルー中国大使他と会合を行った。同会合においては、両国の通商関係を強化することや技術移転、大規模投資プロジェクト、観光強化等に関する協力について話し合われた。
 
(2)フォルサイト前在京ペルー大使の米州機構(OAS)常駐代表任命
 4日、ベジド首相は閣議後の記者会見において、ハロルド・フォルサイト大使(前在京ペルー大使で、先般の大統領選挙でVictoria Nacionalから立候補したジョージ・フォルサイト氏の父。元職業外交官。)をOAS常駐代表として任命することが閣議において全会一致で承認された旨発表した。
 
(3)カスティージョ大統領他と当地米国大使との会合
 25日、カスティージョ大統領はマウルトゥア外務大臣及びセバーヨス保健大臣とともにケンナ当地米国大使と会合を行い、ワクチン供給等に関する協力について協議した。