ペルーの経済情勢(2022年第2四半期)
令和4年8月4日
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率2.28%(5月:前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率8.81%(6月までの一年間)、対米ドル為替相場3.748ソル(6月平均値)、リマ首都圏の完全失業率6.8%(4月~6月)、財政収支約10億ソルの赤字(6月)、貿易収支約4億米ドルの黒字(5月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について、5月は主に宿泊・飲食業及び運輸・倉庫・郵便等の成長率の伸びが見られた一方、漁業等がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は2.28%(前年同月比)となった。


イ インフレ率
6月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、1.19%となり、最近12か月(2021年7月~2022年6月)の上昇率は、8.81%となった。

ウ 為替相場
6月の対米ドル為替相場の平均は3.748ソルであった。

エ 失業率
4月~6月のリマ首都圏の完全失業率は6.8%であった。



カ 貿易収支
5月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比6.8%減、非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が17.0%増となり、全体では約49億米ドル(対前年同月比0.8%減)となった。主要輸出品目は銅、金、原油であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が1.2%増、中間財は32.0%増、資本財が9.4%減となり、全体で約46億米ドル(対前年同月比13.0%増)となった。この結果、貿易収支は約4億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、軽油、携帯電話であった。


キ 外貨準備高
6月末の外貨準備高は約733億米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2022年3月末の対外債務累積総額は約1,025億米ドルとなった。

(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・リマ商工会議所(CCL)発表:対中国輸出が3か月連続の減少
ペルーの最大貿易相手国である中国向け輸出が3か月連続で減少した(2022年1月:対前年同月比36.1%減、2月:同比27.79%減、3月:同比25.2%減)。中国各地で新型コロナウイルス感染症対策によるロックダウンが実施され原料材や中間材の需要が減ったことが主な要因であった。また、主力輸出品目である銅の3月の輸出額は前年同月比29.22%減、輸出総量は同比26.57%減と大幅に減少したが、これは需要減に因るものではなくラスバンバス銅鉱山及びクアホネ銅鉱山における社会争議による供給量の減少が要因であった。
・中銀(BCR)政策金利引上げ、5.0%から5.5%に上昇
6月9日、中銀(BCR)理事会は政策金利を0.5ポイント引き上げ、5.00%から5.50%とすることを決定した。これで11か月連続の引上げであり2009年以来の高水準となった。この政策金利引上げは、国際的な食料や燃料価格の急上昇により直近12か月間累計のインフレ率が4月の7.96%から5月には8.09%となり政府目標値(1~3%)を上回ったこと、食料とエネルギーコストを除く12か月間累計のコア・インフレ率も4月の3.81%から5月には4.26%に上昇し、同様に目標値を上回っていること等に対応するインフレ抑制策の一環とされている。中銀(BCR)は、インフレ率が目標値内に収まるのは2023年第2四半期(4~6月)から第3四半期(7~9月)頃になると予測。
・ペルーの経済協力開発機構(OECD)加盟に向けたロードマップの採択
6月10日、パリで開催されたOECD閣僚理事会において、ペルーを含む5か国(ほかに、ブラジル、ブルガリア、クロアチア、ルーマニア)のOECD加盟のためのロードマップが採択された。同ロードマップには、OECD加盟のためにペルーが組み込むべき規制等について詳述されており、今後、同ロードマップに基づいて、環境保全、汚職撲滅、パブリック・ガバナンスの改善、持続可能な経済発展、開かれた貿易及び投資、並びに国家の制度的強化等にかかる改革に取り組んでいくこととなる。
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率2.28%(5月:前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率8.81%(6月までの一年間)、対米ドル為替相場3.748ソル(6月平均値)、リマ首都圏の完全失業率6.8%(4月~6月)、財政収支約10億ソルの赤字(6月)、貿易収支約4億米ドルの黒字(5月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について、5月は主に宿泊・飲食業及び運輸・倉庫・郵便等の成長率の伸びが見られた一方、漁業等がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は2.28%(前年同月比)となった。




イ インフレ率
6月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、1.19%となり、最近12か月(2021年7月~2022年6月)の上昇率は、8.81%となった。


ウ 為替相場
6月の対米ドル為替相場の平均は3.748ソルであった。



エ 失業率
4月~6月のリマ首都圏の完全失業率は6.8%であった。


オ 財政収支
6月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で12.9%増となり、歳出は同比で8.4%増となった。全体では、プライマリーバランスは約10億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約15億ソルの赤字となった。
6月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で12.9%増となり、歳出は同比で8.4%増となった。全体では、プライマリーバランスは約10億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約15億ソルの赤字となった。


カ 貿易収支
5月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比6.8%減、非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が17.0%増となり、全体では約49億米ドル(対前年同月比0.8%減)となった。主要輸出品目は銅、金、原油であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が1.2%増、中間財は32.0%増、資本財が9.4%減となり、全体で約46億米ドル(対前年同月比13.0%増)となった。この結果、貿易収支は約4億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、軽油、携帯電話であった。



キ 外貨準備高
6月末の外貨準備高は約733億米ドルとなった。


ク 対外累積債務
2022年3月末の対外債務累積総額は約1,025億米ドルとなった。



(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・リマ商工会議所(CCL)発表:対中国輸出が3か月連続の減少
ペルーの最大貿易相手国である中国向け輸出が3か月連続で減少した(2022年1月:対前年同月比36.1%減、2月:同比27.79%減、3月:同比25.2%減)。中国各地で新型コロナウイルス感染症対策によるロックダウンが実施され原料材や中間材の需要が減ったことが主な要因であった。また、主力輸出品目である銅の3月の輸出額は前年同月比29.22%減、輸出総量は同比26.57%減と大幅に減少したが、これは需要減に因るものではなくラスバンバス銅鉱山及びクアホネ銅鉱山における社会争議による供給量の減少が要因であった。
・中銀(BCR)政策金利引上げ、5.0%から5.5%に上昇
6月9日、中銀(BCR)理事会は政策金利を0.5ポイント引き上げ、5.00%から5.50%とすることを決定した。これで11か月連続の引上げであり2009年以来の高水準となった。この政策金利引上げは、国際的な食料や燃料価格の急上昇により直近12か月間累計のインフレ率が4月の7.96%から5月には8.09%となり政府目標値(1~3%)を上回ったこと、食料とエネルギーコストを除く12か月間累計のコア・インフレ率も4月の3.81%から5月には4.26%に上昇し、同様に目標値を上回っていること等に対応するインフレ抑制策の一環とされている。中銀(BCR)は、インフレ率が目標値内に収まるのは2023年第2四半期(4~6月)から第3四半期(7~9月)頃になると予測。
・ペルーの経済協力開発機構(OECD)加盟に向けたロードマップの採択
6月10日、パリで開催されたOECD閣僚理事会において、ペルーを含む5か国(ほかに、ブラジル、ブルガリア、クロアチア、ルーマニア)のOECD加盟のためのロードマップが採択された。同ロードマップには、OECD加盟のためにペルーが組み込むべき規制等について詳述されており、今後、同ロードマップに基づいて、環境保全、汚職撲滅、パブリック・ガバナンスの改善、持続可能な経済発展、開かれた貿易及び投資、並びに国家の制度的強化等にかかる改革に取り組んでいくこととなる。
(了)