3月のペルー内政と外交の主な動きは以下のとおり
令和5年4月11日
【概要】
1 内政
●1日、本年度の第2期国会が開会した。
●3日、国会にて、ロメロ内務大臣の国会喚問を要求する動議が受諾され、10日、同喚問が実施された。
●9日、司法府は、カスティージョ前大統領に対し、組織犯罪、共謀、地位の不正利用の疑いにより、36か月の予防拘禁措置を決定した。
●14日、国会憲法委員会は、2023年12月に総選挙を前倒しする憲法改正案を否決した。
●23日、国会にて、チャベス国防大臣及びベセラ教育大臣の国会喚問を要求する動議についてそれぞれ審議・採決され、いずれも可決された。
●28日、検察庁は、ボルアルテ大統領が、ペルー・リブレ(PL)党の2021年総選挙キャンペーンにおける不正資金調達に関与した疑いがあるとして、同大統領に対する調査を開始する旨発表した。
2 外交
●14日、ヘルバシ外相は、エクアドルにて、同国のオルギン外相と会談し、両国の国境周辺地域における安全保障や防衛について協議した。
●24~25日、ヘルバシ外相は、ドミニカ共和国にて開催された第28回イベロアメリカ・サミットに出席した。
●29日、ペルー外務省は、駐コロンビア大使の本国召還を最終的なものにした旨のプレスリリースを発出した。
【本文】
1 内政
(1)国会の開会
1日、本年度の第2期国会が開会した。
(2)ロメロ内務大臣に対する国会喚問をめぐる動き
ア 3日、国会にて、ロメロ内務大臣に対し、一連の抗議デモにおける警察の対応に関する喚問を要求する動議が可決された。
イ 10日、同大臣に対する国会喚問が実施された。
(3)カスティージョ前大統領に対する36か月の予防拘禁措置の決定
9日、司法府は、カスティージョ前大統領に対し、組織犯罪、共謀、地位の不正利用の疑いにより、36か月(2026年3月8日まで)の予防拘禁措置を決定した。なお、同前大統領は、客年12月、すでに反乱、陰謀、職権乱用、重大な治安妨害の疑いで、18か月の予防拘禁措置を受けているが、この18か月が経過しても、今回の決定により、上記期日まで予防拘禁されることとなった。
(4)総選挙前倒しにかかる憲法改正案をめぐる動き
ア 14日、国会憲法委員会において、2023年12月に総選挙を前倒しする憲法改正案について採決され、賛成9、反対12で否決された。
イ 27日、憲法委員会のゲラ・ガルシア委員長は、総選挙前倒しにかかる憲法改正案について、現時点で合意形成が困難であることから、同テーマに関する議論は今会期では実施せず、7月末開始の次会期に持ち越される可能性が高い旨表明した。
(5)チャベス国防大臣及びベセラ教育大臣の国会喚問をめぐる動き
ア 23日、国会にて、チャベス国防大臣及びベセラ教育大臣の国会喚問を要求する動議がそれぞれ可決された。前者は、プーノ州における抗議デモで6名の軍人が死亡したこと、後者は、抗議デモに参加するアイマラ族の女性に対する差別とみられる発言を受け、それぞれ国会喚問が要請された。
イ 30日、国会にて、ベセラ教育大臣に対する喚問が実施された。チャベス国防大臣の喚問は、4月4日に実施となった。
(6)検察庁によるボルアルテ大統領の不正資金調達疑惑に関する調査の開始
28日、検察庁は、ボルアルテ大統領に対し、カスティージョ前大統領及び企業家のシマブクロ氏とともに、PL党の2021年総選挙キャンペーン中、不正な資金調達及び組織犯罪に関与した疑いがあるとして、調査を開始する旨発表した。
(7)ボルアルテ大統領の支持率(括弧内は前回数値、イプソス社は3月公表なし)
ア ダトゥム 社:3日~7日、全国(1,207名、誤差±2.8%、信頼度95%)
支持:19%(16%)、不支持:74%(76%)
イ IEP 社:18日~22日、全国(1,220名、誤差±2.8%、信頼度95%)
支持:15%(15%)、不支持:78%(77%)
2 外交
(1)ヘルバシ外相がオルギン・エクアドル外相と会談
14日、ヘルバシ外相は、エクアドルを訪問し、同国のオルギン外相と会談を実施した。ヘルバシ外相は、同会談にて、1998年のエクアドルとの平和合意以来、国境周辺地域における安全保障及び防衛をめぐる共通課題に、両国が連携して取り組んできたことを強調した。また、両外相は、今後数か月のうちに、第15回合同閣僚会議をペルーで開催することで一致した。
(2)ヘルバシ外相がイベロアメリカ・サミットに出席
24~25日、ヘルバシ外相は、第28回イベロアメリカ・サミットに参加のためドミニカ共和国を訪問し、首脳会合及び外相会合に出席した。また、同サミットに併せて、アルバレス西外相、ヴィエイラ伯外相、バン・クラベレン・チリ外相、ブカロ・グアテマラ外相、ゴメス・クラヴィーニョ・ポルトガル外相とそれぞれ二国間会談を実施し、二国間関係の強化やペルーの政治制度プロセスへの支持等について確認した。また、クヌッセンOECD事務次長、ボレルEU外務・安全保障政策上級代表、アラマンド・イベロアメリカ事務局長ともそれぞれ会談し、ペルーのOECD加盟に向けたプロセスへの支持や、現政権への支持について確認した。
(3)駐コロンビア大使の最終的召還の決定
29日、ペルー外務省は、ペトロ・コロンビア大統領による、第28回イベロアメリカ・サミットでのボルアルテ現政権を否定する旨の発言を受け、客年12月にすでに本国召還されていた駐コロンビア大使の同措置を最終的なものとした旨、プレスリリースにて発表した。
1 内政
●1日、本年度の第2期国会が開会した。
●3日、国会にて、ロメロ内務大臣の国会喚問を要求する動議が受諾され、10日、同喚問が実施された。
●9日、司法府は、カスティージョ前大統領に対し、組織犯罪、共謀、地位の不正利用の疑いにより、36か月の予防拘禁措置を決定した。
●14日、国会憲法委員会は、2023年12月に総選挙を前倒しする憲法改正案を否決した。
●23日、国会にて、チャベス国防大臣及びベセラ教育大臣の国会喚問を要求する動議についてそれぞれ審議・採決され、いずれも可決された。
●28日、検察庁は、ボルアルテ大統領が、ペルー・リブレ(PL)党の2021年総選挙キャンペーンにおける不正資金調達に関与した疑いがあるとして、同大統領に対する調査を開始する旨発表した。
2 外交
●14日、ヘルバシ外相は、エクアドルにて、同国のオルギン外相と会談し、両国の国境周辺地域における安全保障や防衛について協議した。
●24~25日、ヘルバシ外相は、ドミニカ共和国にて開催された第28回イベロアメリカ・サミットに出席した。
●29日、ペルー外務省は、駐コロンビア大使の本国召還を最終的なものにした旨のプレスリリースを発出した。
【本文】
1 内政
(1)国会の開会
1日、本年度の第2期国会が開会した。
(2)ロメロ内務大臣に対する国会喚問をめぐる動き
ア 3日、国会にて、ロメロ内務大臣に対し、一連の抗議デモにおける警察の対応に関する喚問を要求する動議が可決された。
イ 10日、同大臣に対する国会喚問が実施された。
(3)カスティージョ前大統領に対する36か月の予防拘禁措置の決定
9日、司法府は、カスティージョ前大統領に対し、組織犯罪、共謀、地位の不正利用の疑いにより、36か月(2026年3月8日まで)の予防拘禁措置を決定した。なお、同前大統領は、客年12月、すでに反乱、陰謀、職権乱用、重大な治安妨害の疑いで、18か月の予防拘禁措置を受けているが、この18か月が経過しても、今回の決定により、上記期日まで予防拘禁されることとなった。
(4)総選挙前倒しにかかる憲法改正案をめぐる動き
ア 14日、国会憲法委員会において、2023年12月に総選挙を前倒しする憲法改正案について採決され、賛成9、反対12で否決された。
イ 27日、憲法委員会のゲラ・ガルシア委員長は、総選挙前倒しにかかる憲法改正案について、現時点で合意形成が困難であることから、同テーマに関する議論は今会期では実施せず、7月末開始の次会期に持ち越される可能性が高い旨表明した。
(5)チャベス国防大臣及びベセラ教育大臣の国会喚問をめぐる動き
ア 23日、国会にて、チャベス国防大臣及びベセラ教育大臣の国会喚問を要求する動議がそれぞれ可決された。前者は、プーノ州における抗議デモで6名の軍人が死亡したこと、後者は、抗議デモに参加するアイマラ族の女性に対する差別とみられる発言を受け、それぞれ国会喚問が要請された。
イ 30日、国会にて、ベセラ教育大臣に対する喚問が実施された。チャベス国防大臣の喚問は、4月4日に実施となった。
(6)検察庁によるボルアルテ大統領の不正資金調達疑惑に関する調査の開始
28日、検察庁は、ボルアルテ大統領に対し、カスティージョ前大統領及び企業家のシマブクロ氏とともに、PL党の2021年総選挙キャンペーン中、不正な資金調達及び組織犯罪に関与した疑いがあるとして、調査を開始する旨発表した。
(7)ボルアルテ大統領の支持率(括弧内は前回数値、イプソス社は3月公表なし)
ア ダトゥム 社:3日~7日、全国(1,207名、誤差±2.8%、信頼度95%)
支持:19%(16%)、不支持:74%(76%)
イ IEP 社:18日~22日、全国(1,220名、誤差±2.8%、信頼度95%)
支持:15%(15%)、不支持:78%(77%)
2 外交
(1)ヘルバシ外相がオルギン・エクアドル外相と会談
14日、ヘルバシ外相は、エクアドルを訪問し、同国のオルギン外相と会談を実施した。ヘルバシ外相は、同会談にて、1998年のエクアドルとの平和合意以来、国境周辺地域における安全保障及び防衛をめぐる共通課題に、両国が連携して取り組んできたことを強調した。また、両外相は、今後数か月のうちに、第15回合同閣僚会議をペルーで開催することで一致した。
(2)ヘルバシ外相がイベロアメリカ・サミットに出席
24~25日、ヘルバシ外相は、第28回イベロアメリカ・サミットに参加のためドミニカ共和国を訪問し、首脳会合及び外相会合に出席した。また、同サミットに併せて、アルバレス西外相、ヴィエイラ伯外相、バン・クラベレン・チリ外相、ブカロ・グアテマラ外相、ゴメス・クラヴィーニョ・ポルトガル外相とそれぞれ二国間会談を実施し、二国間関係の強化やペルーの政治制度プロセスへの支持等について確認した。また、クヌッセンOECD事務次長、ボレルEU外務・安全保障政策上級代表、アラマンド・イベロアメリカ事務局長ともそれぞれ会談し、ペルーのOECD加盟に向けたプロセスへの支持や、現政権への支持について確認した。
(3)駐コロンビア大使の最終的召還の決定
29日、ペルー外務省は、ペトロ・コロンビア大統領による、第28回イベロアメリカ・サミットでのボルアルテ現政権を否定する旨の発言を受け、客年12月にすでに本国召還されていた駐コロンビア大使の同措置を最終的なものとした旨、プレスリリースにて発表した。