ペルーの経済情勢（2023年第1四半期）
令和5年6月15日
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率0.22％（3月：前年同月比）、リマ首都圏のインフレ率8.40％（3月までの一年間）、対米ドル為替相場3.779ソル（3月平均値）、リマ首都圏の完全失業率7.5％（1月～3月）、財政収支約36億ソルの黒字（3月）、貿易収支約14億米ドルの黒字（3月）となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率（GDP成長率）について、3月は主に漁業等の成長率の伸びが見られた一方、建設業、通信・情報等がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は0.22％（前年同月比）となった。
イ インフレ率
3月のリマ首都圏のインフレ率（消費者物価指数（前月比））は、1.25％となり、最近12か月（2022年4月～2023年3月）の上昇率は、8.40％となった。
ウ 為替相場
3月の対米ドル為替相場の平均は3.779ソルであった。
エ 失業率
1月～3月のリマ首都圏の完全失業率は7.5％であった。
オ 財政収支
3月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で8.0％減となり、歳出は同比で0.3％増となった。全体では、プライマリーバランスは約36億ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると約30億ソルの黒字となった。
カ 貿易収支
3月の輸出額は、伝統産品（鉱物資源、魚粉、コーヒー等）が対前年同月比2.3％増、非伝統産品（アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等）が2.7％増となり、全体では約58億米ドル（対前年同月比2.5％増）となった。主要輸出品目は銅、金、魚粉であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が4.1％減、中間財は11.9％減、資本財が0.7％増となり、全体で約43億米ドル（対前年同月比7.0％減）となった。この結果、貿易収支は約14億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、携帯電話、自動車であった。
キ 外貨準備高
3月末の外貨準備高は約727億米ドルとなった。
ク 対外累積債務
2023年3月末の対外債務累積総額は約1,028億米ドルとなった。
(2) 最近の主な出来事
・中銀（BCR）政策金利引上げ、7.50％から7.75％に上昇
1月12日、中銀（BCR）理事会は政策金利を0.25ポイント引き上げ、7.50％から7.75％とすることを決定した。2021年8月以降毎月引き上げられ史上最高水準を更新した。この政策金利引上げは、直近12か月間累計のインフレ率が11月の8.45％から12月には8.46％となり依然として政府目標値（1～3％）を上回っていること、食料とエネルギーコストを除く12か月間累計のコア・インフレ率は11月の5.71％から12月には5.59％に低下したものの、同様に目標値を上回っていること等に対応するインフレ抑制策の一環とされている。なお、2月から3月にかけては同水準に据え置いたが、これは必ずしも利上げサイクルの終了を意味するものではなく、中銀（BCR）としてはインフレ率の推移と経済動向等を注視し続けることとしている。
・通商観光省発表：2022年の輸出総額は約632億米ドルで過去最高を記録
2022年のペルーの輸出総額は、前年比3.7％増の631億9,300万米ドルに達し、過去最高を記録した。伝統産品（鉱物資源、魚粉、コーヒー等）が449億3,800万米ドル（全体の71％）、非伝統産品（アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等）が182億5,500万米ドル（同29％）であった。また、ブルーベリー（13億6,600万米ドル）、ぶどう（13億6,200万米ドル）、亜鉛（6億3,600万米ドル）など、1,018品目が過去最高の輸出額を記録した。輸出額の国別順位は、中国（30.2％）、米国（14.4％）に次いで、日本（4.8％）が第3位であった。
・農業開発灌漑省等発表：ペルー産ぶどうの対日輸出解禁
3月22日、農業開発灌漑省、農業検疫庁、通商観光省及び外務省は、同日よりペルー産生食用ぶどうの対日輸出が解禁された旨発表した。ぶどうはペルーの輸出において主要果物であり、2022年には13億6,200万米ドル（前年比8.9％増）の輸出額に達している。通商観光省は、日本へのぶどう生果実の輸出ポテンシャルは1,700万米ドルに上ると見込んでおり、今後、ペルーとの経済連携協定及び環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定（CPTPP）により、関税なしで日本にアクセス可能となる。
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率0.22％（3月：前年同月比）、リマ首都圏のインフレ率8.40％（3月までの一年間）、対米ドル為替相場3.779ソル（3月平均値）、リマ首都圏の完全失業率7.5％（1月～3月）、財政収支約36億ソルの黒字（3月）、貿易収支約14億米ドルの黒字（3月）となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率（GDP成長率）について、3月は主に漁業等の成長率の伸びが見られた一方、建設業、通信・情報等がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は0.22％（前年同月比）となった。
イ インフレ率
3月のリマ首都圏のインフレ率（消費者物価指数（前月比））は、1.25％となり、最近12か月（2022年4月～2023年3月）の上昇率は、8.40％となった。
ウ 為替相場
3月の対米ドル為替相場の平均は3.779ソルであった。
エ 失業率
1月～3月のリマ首都圏の完全失業率は7.5％であった。
オ 財政収支
3月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で8.0％減となり、歳出は同比で0.3％増となった。全体では、プライマリーバランスは約36億ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると約30億ソルの黒字となった。
カ 貿易収支
3月の輸出額は、伝統産品（鉱物資源、魚粉、コーヒー等）が対前年同月比2.3％増、非伝統産品（アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等）が2.7％増となり、全体では約58億米ドル（対前年同月比2.5％増）となった。主要輸出品目は銅、金、魚粉であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が4.1％減、中間財は11.9％減、資本財が0.7％増となり、全体で約43億米ドル（対前年同月比7.0％減）となった。この結果、貿易収支は約14億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、携帯電話、自動車であった。
キ 外貨準備高
3月末の外貨準備高は約727億米ドルとなった。
ク 対外累積債務
2023年3月末の対外債務累積総額は約1,028億米ドルとなった。
（注）上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・中銀（BCR）政策金利引上げ、7.50％から7.75％に上昇
1月12日、中銀（BCR）理事会は政策金利を0.25ポイント引き上げ、7.50％から7.75％とすることを決定した。2021年8月以降毎月引き上げられ史上最高水準を更新した。この政策金利引上げは、直近12か月間累計のインフレ率が11月の8.45％から12月には8.46％となり依然として政府目標値（1～3％）を上回っていること、食料とエネルギーコストを除く12か月間累計のコア・インフレ率は11月の5.71％から12月には5.59％に低下したものの、同様に目標値を上回っていること等に対応するインフレ抑制策の一環とされている。なお、2月から3月にかけては同水準に据え置いたが、これは必ずしも利上げサイクルの終了を意味するものではなく、中銀（BCR）としてはインフレ率の推移と経済動向等を注視し続けることとしている。
・通商観光省発表：2022年の輸出総額は約632億米ドルで過去最高を記録
2022年のペルーの輸出総額は、前年比3.7％増の631億9,300万米ドルに達し、過去最高を記録した。伝統産品（鉱物資源、魚粉、コーヒー等）が449億3,800万米ドル（全体の71％）、非伝統産品（アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等）が182億5,500万米ドル（同29％）であった。また、ブルーベリー（13億6,600万米ドル）、ぶどう（13億6,200万米ドル）、亜鉛（6億3,600万米ドル）など、1,018品目が過去最高の輸出額を記録した。輸出額の国別順位は、中国（30.2％）、米国（14.4％）に次いで、日本（4.8％）が第3位であった。
・農業開発灌漑省等発表：ペルー産ぶどうの対日輸出解禁
3月22日、農業開発灌漑省、農業検疫庁、通商観光省及び外務省は、同日よりペルー産生食用ぶどうの対日輸出が解禁された旨発表した。ぶどうはペルーの輸出において主要果物であり、2022年には13億6,200万米ドル（前年比8.9％増）の輸出額に達している。通商観光省は、日本へのぶどう生果実の輸出ポテンシャルは1,700万米ドルに上ると見込んでおり、今後、ペルーとの経済連携協定及び環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定（CPTPP）により、関税なしで日本にアクセス可能となる。
（了）