ペルーの経済情勢(2024年2月)
令和6年4月30日
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率2.85%(2月:前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率3.29%(2月までの一年間)、対米ドル為替相場3.828ソル(2月平均値)、リマ首都圏の完全失業率7.3%(12月~2月)、財政収支約4億ソルの赤字(2月)、貿易収支約14億米ドルの黒字(2月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について、2月は主に鉱業・炭化水素、電力・ガス・水等の成長率の伸びが見られた一方、特に漁業の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は2.85%(前年同月比)となった。


イ インフレ率
2月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.56%となり、最近12か月(2023年3月~2024年2月)の上昇率は、3.29%となった。

ウ 為替相場
2月の対米ドル為替相場の平均は3.828ソルであった。

エ 失業率
2023年12月~2024年2月のリマ首都圏の完全失業率は7.3%であった。

オ 財政収支
2月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で2.4%減となり、歳出は同比で22.3%増となった。全体では、プライマリーバランスは約4億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約57億ソルの赤字となった。

カ 貿易収支
2月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比8.5%増、非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が13.8%減となり、全体では約52億米ドル(対前年同月比1.6%増)となった。主要輸出品目は銅、金、魚粉であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が7.2%減、中間財は3.7%減、資本財が10.7%増となり、全体で約38億米ドル(対前年同月比0.9%減)となった。この結果、貿易収支は約14億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、携帯電話、自動車であった。


キ 外貨準備高
2月末の外貨準備高は約739億米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2023年12月末の対外債務累積総額は約1,057億米ドルとなった。

(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・中銀(BCR)が6か月連続で政策金利を引き下げ、6.25%に
2月8日、中銀(BCR)理事会は政策金利を6.50%から6.25%に引き下げる旨発表し、2023年9月以降6か月連続での利下げとなった。この決定については、直近12か月間累計のインフレ率が12月の3.2%から1月には3.0%に低下し、食料とエネルギーコストを除く12か月間累計のコア・インフレ率の場合も同様(12月:2.90%から1月:2.86%へ)で、いずれも政府目標値内(1~3%)に収まったこと、今後12カ月の累計インフレ率の見通しも12月から1月にかけて2.83%から2.64%に低下し、2か月連続で政府目標値に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、中銀(BCR)は、これは必ずしも利下げサイクルの継続を意味するものではなく、今後の政策金利の判断に当たってはインフレ率の推移と経済動向等を注視し続けることとしている。
・エネルギー鉱山省発表:2023年の銅生産量は史上最高
2月10日、エネルギー鉱山省は、2023年の銅生産量が前年比12.7%増の270万トン超に達し、史上最高となった旨発表した。2023年は主要8金属鉱物産品のうち6産品(金、亜鉛、鉛、錫、モリブデン及び銅)が増産した。銅生産量の州別順位は、1位がモケグア州、次いでアレキパ州、アンカシュ州であった。また、その他産品の最大生産地は、金(ラ・リベルタ州)、亜鉛(アンカシュ州)、銀・鉛(パスコ州)、モリブデン(アレキパ州)、錫(プーノ州)、鉄(イカ州)であった。
・Minera Antamina社発表:アンタミナ銅鉱山拡張プロジェクトに係る環境影響調査修正書の承認
2月15日、Minera Antamina社は、持続可能環境投資許可庁(SENACE)がアンタミナ銅鉱山(アンカシュ州)拡張プロジェクトの環境影響調査修正書を承認した旨発表した。本プロジェクトでは今後20億米ドルを投資し、主に露天掘り範囲の拡張、廃滓堆積場と尾鉱ダムの拡張と最適化により、マインライフを2028年から2036年に延長することが計画されている。同鉱山には三菱商事が出資参画している。
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率2.85%(2月:前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率3.29%(2月までの一年間)、対米ドル為替相場3.828ソル(2月平均値)、リマ首都圏の完全失業率7.3%(12月~2月)、財政収支約4億ソルの赤字(2月)、貿易収支約14億米ドルの黒字(2月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について、2月は主に鉱業・炭化水素、電力・ガス・水等の成長率の伸びが見られた一方、特に漁業の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は2.85%(前年同月比)となった。




イ インフレ率
2月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.56%となり、最近12か月(2023年3月~2024年2月)の上昇率は、3.29%となった。


ウ 為替相場
2月の対米ドル為替相場の平均は3.828ソルであった。



エ 失業率
2023年12月~2024年2月のリマ首都圏の完全失業率は7.3%であった。


オ 財政収支
2月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で2.4%減となり、歳出は同比で22.3%増となった。全体では、プライマリーバランスは約4億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約57億ソルの赤字となった。


カ 貿易収支
2月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比8.5%増、非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が13.8%減となり、全体では約52億米ドル(対前年同月比1.6%増)となった。主要輸出品目は銅、金、魚粉であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が7.2%減、中間財は3.7%減、資本財が10.7%増となり、全体で約38億米ドル(対前年同月比0.9%減)となった。この結果、貿易収支は約14億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、携帯電話、自動車であった。



キ 外貨準備高
2月末の外貨準備高は約739億米ドルとなった。


ク 対外累積債務
2023年12月末の対外債務累積総額は約1,057億米ドルとなった。



(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・中銀(BCR)が6か月連続で政策金利を引き下げ、6.25%に
2月8日、中銀(BCR)理事会は政策金利を6.50%から6.25%に引き下げる旨発表し、2023年9月以降6か月連続での利下げとなった。この決定については、直近12か月間累計のインフレ率が12月の3.2%から1月には3.0%に低下し、食料とエネルギーコストを除く12か月間累計のコア・インフレ率の場合も同様(12月:2.90%から1月:2.86%へ)で、いずれも政府目標値内(1~3%)に収まったこと、今後12カ月の累計インフレ率の見通しも12月から1月にかけて2.83%から2.64%に低下し、2か月連続で政府目標値に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、中銀(BCR)は、これは必ずしも利下げサイクルの継続を意味するものではなく、今後の政策金利の判断に当たってはインフレ率の推移と経済動向等を注視し続けることとしている。
・エネルギー鉱山省発表:2023年の銅生産量は史上最高
2月10日、エネルギー鉱山省は、2023年の銅生産量が前年比12.7%増の270万トン超に達し、史上最高となった旨発表した。2023年は主要8金属鉱物産品のうち6産品(金、亜鉛、鉛、錫、モリブデン及び銅)が増産した。銅生産量の州別順位は、1位がモケグア州、次いでアレキパ州、アンカシュ州であった。また、その他産品の最大生産地は、金(ラ・リベルタ州)、亜鉛(アンカシュ州)、銀・鉛(パスコ州)、モリブデン(アレキパ州)、錫(プーノ州)、鉄(イカ州)であった。
・Minera Antamina社発表:アンタミナ銅鉱山拡張プロジェクトに係る環境影響調査修正書の承認
2月15日、Minera Antamina社は、持続可能環境投資許可庁(SENACE)がアンタミナ銅鉱山(アンカシュ州)拡張プロジェクトの環境影響調査修正書を承認した旨発表した。本プロジェクトでは今後20億米ドルを投資し、主に露天掘り範囲の拡張、廃滓堆積場と尾鉱ダムの拡張と最適化により、マインライフを2028年から2036年に延長することが計画されている。同鉱山には三菱商事が出資参画している。
(了)