ペルーの経済情勢(2024年5月)
令和6年9月11日
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率5.04%(5月:前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率2.00%(5月までの一年間)、対米ドル為替相場3.732ソル(5月平均値)、リマ首都圏の完全失業率7.2%(3月~5月)、財政収支約27億ソルの赤字(5月)、貿易収支約20億米ドルの黒字(5月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について、5月は主に漁業、製造業等の成長率の伸びが見られた一方、金融・保険の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は5.04%(前年同月比)となった。


イ インフレ率
5月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、-0.09%となり、最近12か月(2023年6月~2024年5月)の上昇率は、2.00%となった。

ウ 為替相場
5月の対米ドル為替相場の平均は3.732ソルであった。

エ 失業率
3月~5月のリマ首都圏の完全失業率は7.2%であった。

オ 財政収支
5月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で4.6%減となり、歳出は同比で9.5%増となった。全体では、プライマリーバランスは約27億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約38億ソルの赤字となった。

カ 貿易収支
5月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比26.9%増、非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が5.3%増となり、全体では約63億米ドル(対前年同月比23%増)となった。主要輸出品目は銅、金、鉛であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が2.8%増、中間財は9.0%増、資本財が2.4%増となり、全体で約43億米ドル(対前年同月比2.8%増)となった。この結果、貿易収支は約20億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、軽油、携帯電話であった。


キ 外貨準備高
5月末の外貨準備高は約740億米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2024年3月末の対外債務累積総額は約1,040億米ドルとなった。


(2) 最近の主な出来事
・中銀(BCR)が政策金利を引き下げ、5.75%に
5月9日、中銀(BCR)理事会は政策金利を6.00%から5.75%に引き下げる旨発表した。この決定については、4月の前月比インフレ率が-0.05%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率が0.11%であるものの、これらは高騰していた一部の食品価格の生産と供給が安定したことによる反動であること、直近12か月間累計のインフレ率は3月の3.0%から4月には2.4%に低下しているが、政府目標値(注:1~3%)に収まっていること、また、食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率も3月から4月にかけて3.10%から3.0%へのわずかな低下で留まっていること、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが2.6%を維持し、5か月連続で政府目標値内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、中銀(BCR)は、今後の政策金利の判断はインフレ率の推移と経済動向等に基づいて行うこととしている。
・エネルギー・鉱山委員会が鉱業使用料法改正案の廃案を議決
2024年5月7日付け報道によれば、エネルギー・鉱山委員会は、2023年に提出された鉱業使用料等に関する法律の改正を提案する法案4429/2022-CR及び5738/2023-CR(当館注:法案4429/2022-CRは鉱業使用料、鉱業特別税(IEM)、鉱業特別賦課金(GEM)の税率の引き上げを提案。一方の法案5738/2023-CRでは、鉱業使用料算出のベースを現在の営業利益から精鉱の売上高に変更することを提案。)を、累進課税の原則に違反し、鉱山開発への投資を阻害するとして、廃案とすることを賛成11票、反対2票の賛成多数で承認し、精鉱又はそれに相当する価値に基づいて算出し、適用割合を引き上げることを提案した。
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率5.04%(5月:前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率2.00%(5月までの一年間)、対米ドル為替相場3.732ソル(5月平均値)、リマ首都圏の完全失業率7.2%(3月~5月)、財政収支約27億ソルの赤字(5月)、貿易収支約20億米ドルの黒字(5月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について、5月は主に漁業、製造業等の成長率の伸びが見られた一方、金融・保険の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は5.04%(前年同月比)となった。




イ インフレ率
5月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、-0.09%となり、最近12か月(2023年6月~2024年5月)の上昇率は、2.00%となった。


ウ 為替相場
5月の対米ドル為替相場の平均は3.732ソルであった。



エ 失業率
3月~5月のリマ首都圏の完全失業率は7.2%であった。


オ 財政収支
5月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で4.6%減となり、歳出は同比で9.5%増となった。全体では、プライマリーバランスは約27億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約38億ソルの赤字となった。


カ 貿易収支
5月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比26.9%増、非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が5.3%増となり、全体では約63億米ドル(対前年同月比23%増)となった。主要輸出品目は銅、金、鉛であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が2.8%増、中間財は9.0%増、資本財が2.4%増となり、全体で約43億米ドル(対前年同月比2.8%増)となった。この結果、貿易収支は約20億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、軽油、携帯電話であった。



キ 外貨準備高
5月末の外貨準備高は約740億米ドルとなった。


ク 対外累積債務
2024年3月末の対外債務累積総額は約1,040億米ドルとなった。



(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・中銀(BCR)が政策金利を引き下げ、5.75%に
5月9日、中銀(BCR)理事会は政策金利を6.00%から5.75%に引き下げる旨発表した。この決定については、4月の前月比インフレ率が-0.05%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率が0.11%であるものの、これらは高騰していた一部の食品価格の生産と供給が安定したことによる反動であること、直近12か月間累計のインフレ率は3月の3.0%から4月には2.4%に低下しているが、政府目標値(注:1~3%)に収まっていること、また、食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率も3月から4月にかけて3.10%から3.0%へのわずかな低下で留まっていること、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが2.6%を維持し、5か月連続で政府目標値内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、中銀(BCR)は、今後の政策金利の判断はインフレ率の推移と経済動向等に基づいて行うこととしている。
・エネルギー・鉱山委員会が鉱業使用料法改正案の廃案を議決
2024年5月7日付け報道によれば、エネルギー・鉱山委員会は、2023年に提出された鉱業使用料等に関する法律の改正を提案する法案4429/2022-CR及び5738/2023-CR(当館注:法案4429/2022-CRは鉱業使用料、鉱業特別税(IEM)、鉱業特別賦課金(GEM)の税率の引き上げを提案。一方の法案5738/2023-CRでは、鉱業使用料算出のベースを現在の営業利益から精鉱の売上高に変更することを提案。)を、累進課税の原則に違反し、鉱山開発への投資を阻害するとして、廃案とすることを賛成11票、反対2票の賛成多数で承認し、精鉱又はそれに相当する価値に基づいて算出し、適用割合を引き上げることを提案した。
(了)