ペルーの経済情勢(2024年7月)
令和6年10月1日
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率4.47%(7月:前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率2.13%(7月までの一年間)、対米ドル為替相場3.764ソル(7月平均値)、リマ首都圏の完全失業率6.0%(5月~7月)、財政収支約50億ソルの赤字(7月)、貿易収支約23億米ドルの黒字(7月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について、7月は主に漁業、製造業等の成長率の伸びが見られた一方、農牧の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は4.47%(前年同月比)となった。


イ インフレ率
7月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.24%となり、最近12か月(2023年7月~2024年7月)の上昇率は、2.13%となった。

ウ 為替相場
7月の対米ドル為替相場の平均は3.764ソルであった。

エ 失業率
5月~7月のリマ首都圏の完全失業率は6.0%であった。

オ 財政収支
7月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で12.7%増となり、歳出は同比で12.4%増となった。全体では、プライマリーバランスは約39億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約50億ソルの赤字となった。

カ 貿易収支
7月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比31.3%増、非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が33.6%増となり、全体では約68億米ドル(対前年同月比31.9%増)となった。主要輸出品目は銅、金、魚粉であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が5.1%増、中間財は14.5%増、資本財が13.9%増となり、全体で約45億米ドル(対前年同月比12.2%増)となった。この結果、貿易収支は約23億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、軽油、携帯電話であった。


キ 外貨準備高
7月末の外貨準備高は約740億米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2024年6月末の対外債務累積総額は約1,060億米ドルとなった。


(2) 最近の主な出来事
・中銀(BCR)が政策金利を据え置き、5.75%に
7月11日、中銀(BCR)理事会は政策金利を5.75%に据え置く旨発表した。この決定については、6月の前月比インフレ率が0.12%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率が0.16%であること、直近12か月間累計のインフレ率は5月の2.0%から6月には2.3%と政府目標値(注:1~3%)内で上昇したが、食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率は3.1%にとどまり、わずかに政府目標値を上回ったままであったこと、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが5月の2.56%から6月には2.53%に低下したものの、政府目標値内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、中銀(BCR)は、今後の政策金利の判断はインフレ率の推移と経済動向等に基づいて行うこととしている。
・2024年カスタマー・エクスペリエンス(CX)ランキング100社を公表
7月4日、カトリカ大学、市場調査会社であるDatum Internacional、CXコンサルティング会社であるCX Latam Groupは、ペルーでの20の市場カテゴリーにおける顧客体験満足度ランキングであるCXインデックス2024を発表した。
第3回目となる今回は、銀行アプリであるYapeが2年連続で総合ランキングの首位を獲得した。
CXは、(1)顧客体験のうち、ブランド、製品、サービス、感情的体験の4つの側面とソーシャルメディア・モニタリングの加重平均に基づくCX指数、(2)顧客がブランドを推薦する可能性を測定するネット・プロモーター・スコア(NPS)、(3)顧客満足度、(4)購入プロセスにおいて問題解決のために顧客が必要とした労力のレベルを評価する顧客努力スコア(CES)の4つの指標により、評価された。
総合トップ10は、(1)YAPE(銀行アプリ)、(2)Jockey Plaza/Boulevard de Asia(ショッピングセンター)、(3)Plaza San Miguel(ショッピングセンター)、(4)Plaza Vea (スーパーマーケット)、(5)HIRAOKA(家電量販店)、(6)San Antonio (レストラン)、(7)Plin(銀行アプリ)、(8)Tottus (スーパーマーケット)、(9)Maestro/Sodimac (ホームセンター)、(10)Falabella (デパート)。
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率4.47%(7月:前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率2.13%(7月までの一年間)、対米ドル為替相場3.764ソル(7月平均値)、リマ首都圏の完全失業率6.0%(5月~7月)、財政収支約50億ソルの赤字(7月)、貿易収支約23億米ドルの黒字(7月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について、7月は主に漁業、製造業等の成長率の伸びが見られた一方、農牧の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は4.47%(前年同月比)となった。




イ インフレ率
7月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.24%となり、最近12か月(2023年7月~2024年7月)の上昇率は、2.13%となった。


ウ 為替相場
7月の対米ドル為替相場の平均は3.764ソルであった。



エ 失業率
5月~7月のリマ首都圏の完全失業率は6.0%であった。


オ 財政収支
7月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で12.7%増となり、歳出は同比で12.4%増となった。全体では、プライマリーバランスは約39億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約50億ソルの赤字となった。


カ 貿易収支
7月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比31.3%増、非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が33.6%増となり、全体では約68億米ドル(対前年同月比31.9%増)となった。主要輸出品目は銅、金、魚粉であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が5.1%増、中間財は14.5%増、資本財が13.9%増となり、全体で約45億米ドル(対前年同月比12.2%増)となった。この結果、貿易収支は約23億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、軽油、携帯電話であった。



キ 外貨準備高
7月末の外貨準備高は約740億米ドルとなった。


ク 対外累積債務
2024年6月末の対外債務累積総額は約1,060億米ドルとなった。



(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・中銀(BCR)が政策金利を据え置き、5.75%に
7月11日、中銀(BCR)理事会は政策金利を5.75%に据え置く旨発表した。この決定については、6月の前月比インフレ率が0.12%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率が0.16%であること、直近12か月間累計のインフレ率は5月の2.0%から6月には2.3%と政府目標値(注:1~3%)内で上昇したが、食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率は3.1%にとどまり、わずかに政府目標値を上回ったままであったこと、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが5月の2.56%から6月には2.53%に低下したものの、政府目標値内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、中銀(BCR)は、今後の政策金利の判断はインフレ率の推移と経済動向等に基づいて行うこととしている。
・2024年カスタマー・エクスペリエンス(CX)ランキング100社を公表
7月4日、カトリカ大学、市場調査会社であるDatum Internacional、CXコンサルティング会社であるCX Latam Groupは、ペルーでの20の市場カテゴリーにおける顧客体験満足度ランキングであるCXインデックス2024を発表した。
第3回目となる今回は、銀行アプリであるYapeが2年連続で総合ランキングの首位を獲得した。
CXは、(1)顧客体験のうち、ブランド、製品、サービス、感情的体験の4つの側面とソーシャルメディア・モニタリングの加重平均に基づくCX指数、(2)顧客がブランドを推薦する可能性を測定するネット・プロモーター・スコア(NPS)、(3)顧客満足度、(4)購入プロセスにおいて問題解決のために顧客が必要とした労力のレベルを評価する顧客努力スコア(CES)の4つの指標により、評価された。
総合トップ10は、(1)YAPE(銀行アプリ)、(2)Jockey Plaza/Boulevard de Asia(ショッピングセンター)、(3)Plaza San Miguel(ショッピングセンター)、(4)Plaza Vea (スーパーマーケット)、(5)HIRAOKA(家電量販店)、(6)San Antonio (レストラン)、(7)Plin(銀行アプリ)、(8)Tottus (スーパーマーケット)、(9)Maestro/Sodimac (ホームセンター)、(10)Falabella (デパート)。
(了)