ペルーの経済情勢（2025年4月）
令和7年6月20日
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率1.40％（4月：前年同月比）、リマ首都圏のインフレ率1.65％（4月までの一年間）、対米ドル為替相場3.700ソル（4月平均値）、リマ首都圏の完全失業率5.9％（2025年2月～4月）、財政収支約79億ソルの黒字（4月）、貿易収支約13億米ドルの黒字（4月）となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率（GDP成長率）について、4月は主に鉱業・炭化水素等の成長率の伸びが見られた一方、漁業、農牧等の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は1.40％（前年同月比）となった。
イ インフレ率
4月のリマ首都圏のインフレ率（消費者物価指数（前月比））は、0.32％となり、最近12か月（2024年5月～2025年4月）の上昇率は、1.65％となった。
ウ 為替相場
4月の対米ドル為替相場の平均は3.700ソルであった。
エ 失業率
2025年2月～2025年4月のリマ首都圏の完全失業率は5.9％であった。
オ 財政収支
4月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で17.3％増となり、歳出は同比で1.2％減となった。全体では、プライマリーバランスは約79億ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると約75億ソルの黒字となった。
カ 貿易収支
4月の輸出額は、伝統産品（鉱物資源、魚粉、コーヒー等）が対前年同月比4.0％増、非伝統産品（アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等）が40.3％増となり、全体では約58億米ドル（対前年同月比12.4％増）となった。主要輸出品目は銅、金、紙製品及び化学薬品であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が14.4％増、中間財は3.4％減、資本財が6.8％増となり、全体で約45億米ドル（対前年同月比3.1％増）となった。この結果、貿易収支は約13億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、携帯電話、軽油であった。
キ 外貨準備高
4月末の外貨準備高は約845億米ドルとなった。
ク 対外累積債務
2025年3月末の対外債務累積総額は約1,109億米ドルとなった。
（注）上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率1.40％（4月：前年同月比）、リマ首都圏のインフレ率1.65％（4月までの一年間）、対米ドル為替相場3.700ソル（4月平均値）、リマ首都圏の完全失業率5.9％（2025年2月～4月）、財政収支約79億ソルの黒字（4月）、貿易収支約13億米ドルの黒字（4月）となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率（GDP成長率）について、4月は主に鉱業・炭化水素等の成長率の伸びが見られた一方、漁業、農牧等の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は1.40％（前年同月比）となった。
イ インフレ率
4月のリマ首都圏のインフレ率（消費者物価指数（前月比））は、0.32％となり、最近12か月（2024年5月～2025年4月）の上昇率は、1.65％となった。
ウ 為替相場
4月の対米ドル為替相場の平均は3.700ソルであった。
エ 失業率
2025年2月～2025年4月のリマ首都圏の完全失業率は5.9％であった。
オ 財政収支
4月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で17.3％増となり、歳出は同比で1.2％減となった。全体では、プライマリーバランスは約79億ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると約75億ソルの黒字となった。
カ 貿易収支
4月の輸出額は、伝統産品（鉱物資源、魚粉、コーヒー等）が対前年同月比4.0％増、非伝統産品（アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等）が40.3％増となり、全体では約58億米ドル（対前年同月比12.4％増）となった。主要輸出品目は銅、金、紙製品及び化学薬品であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が14.4％増、中間財は3.4％減、資本財が6.8％増となり、全体で約45億米ドル（対前年同月比3.1％増）となった。この結果、貿易収支は約13億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油、携帯電話、軽油であった。
キ 外貨準備高
4月末の外貨準備高は約845億米ドルとなった。
ク 対外累積債務
2025年3月末の対外債務累積総額は約1,109億米ドルとなった。
（注）上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・中銀（BCR）は政策金利4.75％に維持
4月10日、中銀（BCR）理事会は政策金利を4.75％に維持する旨発表した。この決定については、3月の前月比インフレ率が0.81%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率も0.64%であること、直近12か月間累計のインフレ率が2月の1.5％から3月には1.3％に低下し、同様に食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率は2月の2.1％から2月には1.9％に低下し、政府目標値（注：1～3％）の中央値に近づいたこと、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが3月は2.28％で政府目標値内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、BCRは、今後の政策金利の調整はインフレ率とその決定要因に関する新たな情報に基づいて行うこととしている。
・運輸通信省（MTC）は5G周波数割当の公募手続き開始
4月16日、運輸通信省（MTC）は、5Gネットワークの周波数割当に関する公募手続きを開始した。今回の手続きでは、3.5GHz帯（3,300MHz～3,800MHz）の周波数を対象に、5Gまたはそれ以上の通信技術を用いた公共電気通信サービスの提供を目的としている。これに伴い、MTCは大臣決議第199-2025-MTC/03号を公布し、周波数割当の公募プロセスや国家計画に関する詳細を規定した。
5G周波数割当は、MTCが特別な枠組みを通じて直接割当を行う「特別割当メカニズム」に基づいて進められる。周波数の割当を希望する企業には、4G以下の携帯通信サービスが未提供の地域や道路区間において4Gサービスを提供する義務が課される。この義務は、MTCが定める基準に基づき、1億2,600万米ドル相当の投資として評価される。
割当される周波数帯域幅は100MHzであり、具体的な帯域は抽選によって決定される。割当希望企業は、さらに追加投資を行うことで、希望する帯域を選択することが可能となる。選択の順序は追加投資額の多寡に基づくが、帯域幅自体が100MHzを超えることはない。
5月には公募に対する関心表明が始まり、8月に追加投資によるオークションが行われる予定である。最終的な周波数割当は11月に実施され、コンセッション期間は契約締結の翌日から20年間で、更新も可能とされている。
・中銀（BCR）は政策金利4.75％に維持
4月10日、中銀（BCR）理事会は政策金利を4.75％に維持する旨発表した。この決定については、3月の前月比インフレ率が0.81%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率も0.64%であること、直近12か月間累計のインフレ率が2月の1.5％から3月には1.3％に低下し、同様に食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率は2月の2.1％から2月には1.9％に低下し、政府目標値（注：1～3％）の中央値に近づいたこと、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが3月は2.28％で政府目標値内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、BCRは、今後の政策金利の調整はインフレ率とその決定要因に関する新たな情報に基づいて行うこととしている。
・運輸通信省（MTC）は5G周波数割当の公募手続き開始
4月16日、運輸通信省（MTC）は、5Gネットワークの周波数割当に関する公募手続きを開始した。今回の手続きでは、3.5GHz帯（3,300MHz～3,800MHz）の周波数を対象に、5Gまたはそれ以上の通信技術を用いた公共電気通信サービスの提供を目的としている。これに伴い、MTCは大臣決議第199-2025-MTC/03号を公布し、周波数割当の公募プロセスや国家計画に関する詳細を規定した。
5G周波数割当は、MTCが特別な枠組みを通じて直接割当を行う「特別割当メカニズム」に基づいて進められる。周波数の割当を希望する企業には、4G以下の携帯通信サービスが未提供の地域や道路区間において4Gサービスを提供する義務が課される。この義務は、MTCが定める基準に基づき、1億2,600万米ドル相当の投資として評価される。
割当される周波数帯域幅は100MHzであり、具体的な帯域は抽選によって決定される。割当希望企業は、さらに追加投資を行うことで、希望する帯域を選択することが可能となる。選択の順序は追加投資額の多寡に基づくが、帯域幅自体が100MHzを超えることはない。
5月には公募に対する関心表明が始まり、8月に追加投資によるオークションが行われる予定である。最終的な周波数割当は11月に実施され、コンセッション期間は契約締結の翌日から20年間で、更新も可能とされている。
（了）