ペルーの経済情勢(2025年9月)
令和7年12月3日
1 総論
9月のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率3.94%(前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率1.36%(9月までの一年間)、対米ドル為替相場3.502ソル(平均値)、リマ首都圏の完全失業率5.7%(2025年7月~9月)、財政収支約30億ソルの赤字、貿易収支約37億米ドルの黒字となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
9月の経済成長率(GDP成長率)について、主に農牧、建設等の成長率の伸びが見られた一方、通信・情報の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は3.94%(前年同月比)となった。


イ インフレ率
9月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.01%となり、最近12か月(2024年10月~2025年9月)の上昇率は、1.36%となった。

ウ 為替相場
9月の対米ドル為替相場の平均は3.502ソルであった。

エ 失業率
2025年7月~9月のリマ首都圏の完全失業率は5.7%であった。

オ 財政収支
9月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で3.7%減となり、歳出は同比で13.6%減となった。全体では、プライマリーバランスは約30億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約35億ソルの赤字となった。

カ 貿易収支
9月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比26.8%増、非伝統産品(アボカド、アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が12.3%増となり、全体では約85億米ドル(対前年同月比23.0%増)となった。主要輸出品目は銅、金、ブルーベリーであった。輸入額は、対前年同月比で消費財が17.6%増、中間財は8.1%増、資本財が12.8%増となり、全体で約48億米ドル(対前年同月比11.7%増)となった。主要輸入品目は原油、軽油、携帯電話であった。この結果、貿易収支は約37億米ドルの黒字となった。

キ 外貨準備高
9月末の外貨準備高は約851億米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2025年9月末の対外債務累積総額は約1,151億米ドルとなった。

注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・中銀(BCR)は政策金利を4.25%に引き下げ
9月11日、中銀(BCR)理事会は政策金利を4.5%から4.25%に引き下げる旨発表した。この決定については、8月の前月比インフレ率が-0.29%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率が0.08%であること、直近12か月間累計のインフレ率が7月の1.7%から8月には1.1%に低下したが、これは一時的なものと見られること、食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率が7月の1.7%から8月には1.8%に上昇し、政府目標値(注:1~3%)の中央値に近づいたこと、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが8月も2.2%で、政府目標値内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、BCRは、今後の政策金利の調整はインフレ率とその決定要因に関する新たな情報に基づいて行うこととしている。
・民間経済特区(ZEEP)に対する税務・関税優遇措置を創設する新法公布
9月26日、民間主導の経済特区(ZEEP)に対する特別な税制・関税制度を創設する法律第32449号が公布された。本法の目的は、ZEEPの創設と発展のための特別措置を講じることで、国内外からの新規投資を促進し、持続可能な経済成長、産業競争力・イノベーションの強化を図ることである。具体的には、ZEEPを通じて、付加価値を生む産業活動や研究開発(R&D)の推進、直接・間接雇用の創出、生産・輸出の多角化、サービス輸出の拡大、地域産業・技術発展の促進等が期待されている。
ZEEPの設置には、港湾や空港等へのアクセス、一定規模の連続した土地の確保、開発マスタープランの策定が必要とされ、通商観光省が審査を行い、議会による法制定を経て創設される。ZEEPの管理・運営・監督・インフラ整備等は民間企業(運営者)が担う。
ZEEP内で事業活動(製造、組立、サービス等)を行う企業(新設法人または新設支店等)は「利用者」として運営者と契約し、事業を展開する。なお、鉱業、武器・弾薬、電力(自家消費を除く)、銀行・金融業等は禁止業種とされている。利用者には、最低2,000 UIT(約320万米ドル相当。UITはペルー政府が毎年定める課税単位で、2025年は5,350ソル。)の新規投資が求められる。
ZEEPの運営者・利用者には、最長25年間の段階的な所得税優遇措置が適用される。事業開始日から5年間は法人所得税率が0%、6年目から5年間は7.5%、11年目からの5年間は10.0%、16年目からの5年間は12.5%、21年目からの5年間は15%となり、26年目以降は現行の通常税率(29.5%)が適用される。また、関税や間接税(IGV等)についても各種優遇が規定されている。
通商観光省は、本法律の施行日から90日以内に規則を承認する。
(注:ペルーでの事業展開を検討する日本企業にとって、本法は税制・通関面での大幅な優遇措置を享受しつつ、新規投資や現地での生産・サービス拠点の構築を可能とする有力な投資促進制度となり得る。)
9月のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率3.94%(前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率1.36%(9月までの一年間)、対米ドル為替相場3.502ソル(平均値)、リマ首都圏の完全失業率5.7%(2025年7月~9月)、財政収支約30億ソルの赤字、貿易収支約37億米ドルの黒字となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
9月の経済成長率(GDP成長率)について、主に農牧、建設等の成長率の伸びが見られた一方、通信・情報の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は3.94%(前年同月比)となった。



イ インフレ率
9月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.01%となり、最近12か月(2024年10月~2025年9月)の上昇率は、1.36%となった。


ウ 為替相場
9月の対米ドル為替相場の平均は3.502ソルであった。


エ 失業率
2025年7月~9月のリマ首都圏の完全失業率は5.7%であった。


オ 財政収支
9月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で3.7%減となり、歳出は同比で13.6%減となった。全体では、プライマリーバランスは約30億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約35億ソルの赤字となった。


カ 貿易収支
9月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比26.8%増、非伝統産品(アボカド、アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が12.3%増となり、全体では約85億米ドル(対前年同月比23.0%増)となった。主要輸出品目は銅、金、ブルーベリーであった。輸入額は、対前年同月比で消費財が17.6%増、中間財は8.1%増、資本財が12.8%増となり、全体で約48億米ドル(対前年同月比11.7%増)となった。主要輸入品目は原油、軽油、携帯電話であった。この結果、貿易収支は約37億米ドルの黒字となった。


キ 外貨準備高
9月末の外貨準備高は約851億米ドルとなった。


ク 対外累積債務
2025年9月末の対外債務累積総額は約1,151億米ドルとなった。


注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・中銀(BCR)は政策金利を4.25%に引き下げ
9月11日、中銀(BCR)理事会は政策金利を4.5%から4.25%に引き下げる旨発表した。この決定については、8月の前月比インフレ率が-0.29%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率が0.08%であること、直近12か月間累計のインフレ率が7月の1.7%から8月には1.1%に低下したが、これは一時的なものと見られること、食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率が7月の1.7%から8月には1.8%に上昇し、政府目標値(注:1~3%)の中央値に近づいたこと、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが8月も2.2%で、政府目標値内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、BCRは、今後の政策金利の調整はインフレ率とその決定要因に関する新たな情報に基づいて行うこととしている。
・民間経済特区(ZEEP)に対する税務・関税優遇措置を創設する新法公布
9月26日、民間主導の経済特区(ZEEP)に対する特別な税制・関税制度を創設する法律第32449号が公布された。本法の目的は、ZEEPの創設と発展のための特別措置を講じることで、国内外からの新規投資を促進し、持続可能な経済成長、産業競争力・イノベーションの強化を図ることである。具体的には、ZEEPを通じて、付加価値を生む産業活動や研究開発(R&D)の推進、直接・間接雇用の創出、生産・輸出の多角化、サービス輸出の拡大、地域産業・技術発展の促進等が期待されている。
ZEEPの設置には、港湾や空港等へのアクセス、一定規模の連続した土地の確保、開発マスタープランの策定が必要とされ、通商観光省が審査を行い、議会による法制定を経て創設される。ZEEPの管理・運営・監督・インフラ整備等は民間企業(運営者)が担う。
ZEEP内で事業活動(製造、組立、サービス等)を行う企業(新設法人または新設支店等)は「利用者」として運営者と契約し、事業を展開する。なお、鉱業、武器・弾薬、電力(自家消費を除く)、銀行・金融業等は禁止業種とされている。利用者には、最低2,000 UIT(約320万米ドル相当。UITはペルー政府が毎年定める課税単位で、2025年は5,350ソル。)の新規投資が求められる。
ZEEPの運営者・利用者には、最長25年間の段階的な所得税優遇措置が適用される。事業開始日から5年間は法人所得税率が0%、6年目から5年間は7.5%、11年目からの5年間は10.0%、16年目からの5年間は12.5%、21年目からの5年間は15%となり、26年目以降は現行の通常税率(29.5%)が適用される。また、関税や間接税(IGV等)についても各種優遇が規定されている。
通商観光省は、本法律の施行日から90日以内に規則を承認する。
(注:ペルーでの事業展開を検討する日本企業にとって、本法は税制・通関面での大幅な優遇措置を享受しつつ、新規投資や現地での生産・サービス拠点の構築を可能とする有力な投資促進制度となり得る。)
(了)