ペルー政治情勢(2025年12月)

令和8年1月13日
【概要】
1 内政
(1)政府及び国会の動き
●3日、国会は、憲法違反により、デリア・エスピノサ最高検察官に対する10年間の公職追放を決定した。
(2)選挙情勢
●2日、ラファエル・ベラウンデ元エネルギー鉱山大臣(次期大統領候補)に対する襲撃事件が発生した。
●7日、国家前進党(AvP)は、フィリップ・バターズ氏に代わり、ホセ・ウィリアムス元国会議長を大統領候補として指名すると発表した。
●16日、全国選挙審査会(JNE)は、次期大統領選挙に参加可能な36の政治団体(33政党+3同盟)の大統領候補者リストを発表した。
(3)世論調査
●14日、ダトゥム社による次期大統領選挙に関する世論調査結果が公表され、10.5%を獲得したロペス・アリアガ人民刷新党(RP)党首が一位であった。
●14日、イプソス社による次期大統領選挙に関する世論調査結果が公表され、9%を獲得したロペス・アリアガRP党首が一位であった。
●15日、CIT社による次期大統領選挙に関する世論調査結果が公表され、13.52%を獲得したロペス・アリアガRP党首が一位であった。
●21日、ダトゥム社による大統領支持率等に関する世論調査結果が公表され、ヘリ大統領の支持率は55%、不支持率は33%であった。
●21日、イプソス社による次期大統領選挙に関する世論調査結果が公表され、10%を獲得したロペス・アリアガRP党首が一位であった。
 
2 外交・国際関係
(1)声明等
●8日、当国外務省は、スウェーデンが2026年から首都リマに大使館を再開設することを発表した。
●17日、当国外務省は、ワルテル・リカルド・リナレス・アレナサ公使を在京ペルー総領事に任命する人事を発表した。
●20日、国営エル・ペルアノ紙は、シアレル前外相を在ジュネーブ・ペルー代表部大使に任命する人事を掲載した。
●20日、当国外務省は、ミレイ・アルゼンチン大統領、ペニャ・パラグアイ大統領等とのベネズエラ情勢に関する共同声明を発表した。
●24日、当国外務省は、アルゼンチン、ボリビア等とのホンジュラス大統領選挙に関する共同声明を発表した。
●31日、当国外務省は、2025年総括を発表した。
(2)政府要人の外遊及び各国との会談
●1日、第1回ペルー・チリ二国間移民協力委員会がオンライン形式で開催された。
●3日、デ・セラ外務大臣は、米州機構(OAS)常設理事会に出席した。
●4日、デネグリ外務副大臣は、ペルーにおける4年間の任期を終えるリングランド当地オーストラリア大使の表敬を受けた。
●5日、デ・セラ外務大臣は、マルコ・ルビオ米国務長官と会談した。
●10日、ヘリ大統領は、ホセ・ペレス米国連邦捜査局(FBI)作戦部長ほか5名で構成される米国の治安対策専門家代表団との会合を実施した。
●12日、第16回ペルー・エクアドル二国間閣議が開催された。
●14日、ヘリ大統領は、カスト次期チリ大統領と電話会談を実施した。
●22日、デ・セラ外相は、カスト次期チリ大統領と会談した。
●22日、ヘリ大統領は、スターマー英国首相との電話会談を実施した。
(3)その他
●9日、国防省は、アヤクチョの戦い201周年及びペルー陸軍の日に、国軍の近代化の一環として、ペルー陸軍が現代ロテム社と戦略的合意を締結し、K2戦車及びK808八輪駆動装輪装甲車の将来的な調達を決定した。
 
【本文】
1 内政
(1)ベラウンデ元エネルギー鉱山大臣(次期大統領候補)に対する襲撃事件
 2日、リマ州カネェテ郡セロ・アスル町において、バイクに乗った2人組によるラファエル・ベラウンデ元エネルギー鉱山大臣(次期大統領候補)に対する襲撃事件が発生した。なお、同元大臣は、軽傷を負ったが、命に別状はないものとみられる。なお、元大臣は、同襲撃が大統領候補としての自分を狙ったものではなく、治安の悪化により何千人もの小規模起業家にも実際に起こっていることの一環であると述べた。
 
(2)国会によるデリア・エスピノサ最高検察官に対する10年間の公職追放の決定
 3日、国会は、憲法違反により、デリア・エスピノサ最高検察官に対する10年間の公職追放を賛成71票、反対19票、棄権3票で決定した。
 
(3)国家前進党(AvP)の大統領候補の交代
 フィリップ・バターズ氏が国家前進党(AvP)の党員から離脱し、同党の大統領候補を辞任した後、7日、同党はホセ・ウィリアムス元国会議長を大統領候補として指名することを発表した。
 
(4)ダトゥム社による次期大統領選挙に関する世論調査
 14日、ダトゥム社による次期大統領選挙に関する世論調査結果が公表され、10.5%を獲得したロペス・アリアガ人民刷新党(RP)党首が一位であった。なお、二位は7.5%を獲得したケイコ・フジモリ人民勢力党(FP)党首が、三位は6.5%を獲得したマリオ・ビスカラ氏(ペルー第一党)であった。
 
(5)イプソス社による次期大統領選挙に関する世論調査
 14日、イプソス社による次期大統領選挙に関する世論調査結果が公表され、9%を獲得したロペス・アリアガRP党首が一位であった。なお、同率二位は7%を獲得したケイコ・フジモリFP党首及びマリオ・ビスカラ氏(ペルー第一党)であった。
 
(6)CIT社による次期大統領選挙に関する世論調査
 15日、CIT社による次期大統領選挙に関する世論調査結果が公表され、13.52%を獲得したロペス・アリアガRP党首が一位であった。なお、二位は7.38%を獲得したケイコ・フジモリFP党首が、三位は5.98%を獲得したカルロス・アルバレス氏(みんなの国党)であった。
 
(7)次期大統領選挙候補者リストの発表
 16日、全国選挙審査会(JNE)は、次期大統領選挙に参加可能な36の政治団体(33政党+3同盟)の大統領候補者リストを発表した。
 
(8)ダトゥム社による大統領支持率等に関する世論調査
 21日、ダトゥム社による大統領支持率等に関する世論調査結果が公表され、ヘリ大統領の支持率は55%、不支持率は33%であった。また、ロスピグリオシ国会議長(人民勢力党(FP))の支持率は19%、不支持率は61%であった。
 
(9)イプソス社による次期大統領選挙に関する世論調査
 21日、イプソス社による次期大統領選挙に関する世論調査結果が公表され、10%を獲得したロペス・アリアガRP党首が一位であった。なお、二位は7%を獲得したケイコ・フジモリFP党首、三位は、5%を獲得したマリオ・ビスカラ氏(ペルー第一党)であった。
 
2 外交・国際関係
(1)第1回ペルー・チリ二国間移民協力委員会の開催
 1日、デ・セラ外相及びバン・クラベレン・チリ外相主催で、第1回ペルー・チリ二国間移民協力委員会がオンライン形式で開催され、両政府は、移民問題に関し、共通の認識を共有し、実践的で効果的な解決策の策定に向けて努力していく意思を表明した。
 
(2)デ・セラ外務大臣の米州機構(OAS)常設理事会出席
 3日、デ・セラ外務大臣は、米州機構(OAS)常設理事会に出席し、1954年の外交的庇護に関するカラカス協定の改正提案について説明を行った。
 
(3)リングランド当地オーストラリア大使によるデネグリ外務副大臣表敬
 4日、デネグリ外務副大臣は、ペルーにおける4年間の任期を終えるリングランド当地オーストラリア大使の表敬を受けた。リングランド当地オーストラリア大使は、2024年APEC首脳会合の枠組みでのアルバニージー豪首相のペルー訪問を強調した。
 
(4)デ・セラ外務大臣の米国訪問
 5日、米国訪問中のデ・セラ外務大臣は、マルコ・ルビオ米国務長官と会談し、地域にとって主要な脅威である越境組織犯罪との闘いにおける二国間のコミットメントを再確認した。また、ペルーと米国の外交関係樹立200周年記念行事の一環として、ルビオ国務長官は、デ・セラ外務大臣の招待を受け、2026年にペルーを訪問することを承諾した。このほか、デ・セラ外務大臣は、米国訪問中、ラムディン米州機構(OAS)事務総長、ゴールドファン米州開発銀行(IDB)総裁、米国下院議員との会談等を実施した。
 
(5)当地スウェーデン大使館の再開設
 8日、当国外務省は、スウェーデンが2026年から首都リマに大使館を再開設することを発表した。
 
(6)ペルー陸軍と現代ロテム社とのK2戦車及びK808八輪駆動装輪装甲車の調達の決定
 9日、当国国防省は、アヤクチョの戦い201周年及びペルー陸軍の日に、国軍の近代化の一環として、ペルー陸軍が現代ロテム社と戦略的合意を締結し、K2戦車及びK808八輪駆動装輪装甲車の将来的な調達を決定した。式典はヘリ大統領が主宰し、アルバレス首相、ロスピグリオシ国会議長(人民勢力党(FP))、ディアス国防大臣、オヘダ三軍統合司令官(陸軍大将)、ブリセニョ陸軍最高司令官(大将)も出席した。報道によれば、本件合意にはK2戦車54両及びK808八輪駆動装輪装甲車141両が含まれており、実現すれば、韓国による中南米向け陸上防衛装備の最大規模の輸出となり、アレバロ陸軍兵站司令官(少将)は合意された195両の車両の一部はペルー国内で組み立てられる予定であると述べ、現代ロテム社は韓国政府を通じて、支払い開始猶予期間を含む15年間の借款の手続きを行うことをコミットした。
 
(7)ヘリ大統領と米国の治安対策専門家代表団の会合
 10日、ヘリ大統領は、ホセ・ペレス米国連邦捜査局(FBI)作戦部長ほか5名で構成される米国の治安対策専門家代表団との会合を実施し、新たな治安対策計画の策定に向けて同代表団からの助言や提案を受けた。
 
(8)第16回ペルー・エクアドル二国間閣議
 12日、キトにおいて、第16回ペルー・エクアドル二国間閣議が開催され、安全保障と防衛分野における協力、越境組織犯罪に対する闘い、違法鉱山採掘対策等について議論されたほか、2025年から2026年の二国間アジェンダの指針となるキト宣言とキト行動計画2025を採択した。
 
(9)ヘリ大統領とカスト次期チリ大統領との電話会談
 14日、ヘリ大統領は、カスト次期チリ大統領と電話会談を実施した。ヘリ大統領はカスト次期チリ大統領に対し、2026年第二四半期にペルー・チリ二国間閣議を開催するよう招待した。
 
(10)リナレス在京ペルー総領事の任命
 17日、当国外務省は、2025年最高決議第209号を通じて、ワルテル・リカルド・リナレス・アレナサ公使を在京ペルー総領事に任命する人事を発表した。
 
(11)シアレル前外相の在ジュネーブ・ペルー代表部大使任命
 20日、国営エル・ペルアノ紙は、シアレル前外相を在ジュネーブ・ペルー代表部大使に任命する人事を掲載した。
 
(12)ベネズエラ情勢に関する共同声明
 20日、当国外務省は、同日ブラジルで開催された第67回南米南部共同市場(メルコスール)首脳会合のマージンにて、ミレイ・アルゼンチン大統領、ペニャ・パラグアイ大統領、ムリノ・パナマ大統領、アラマヨ・ボリビア外相及びエクアドルと当国政府高官によって発出されたベネズエラ情勢に関する共同声明を発表した。
 
(13)デ・セラ外相とカスト次期チリ大統領の会談
 22日、デ・セラ外相は、エクアドルへの乗り換えでリマに立ち寄ったカスト次期チリ大統領と会談した。同会談において、カスト次期チリ大統領は、治安悪化や非正規移民に対処するため、両国間の連携された共同での措置を優先する重要性を改めて強調した。カスト次期チリ大統領は、2026年最初の国外訪問先がペルーになることを確認した。
 
(14)ペルー・英国首脳電話会談
 22日、ヘリ大統領は、スターマー英国首相との電話会談を実施し、両首脳は、貿易、防衛、教育、再生可能エネルギーにおける協力を強化することで一致した。
 
(15)ホンジュラス大統領選挙に関する共同声明
 24日、当国外務省は、ホンジュラス大統領選挙に関するアルゼンチン、ボリビア、コスタリカ、エクアドル、パナマ、パラグアイ、ドミニカ共和国との共同声明を発表し、ナスリー・アスフラ次期ホンジュラス大統領を祝福するとともに、新政権と特に貿易、安全保障、移民、地域における民主主義の強化などについて共同で取り組むことを期待する旨表明した。
 
(16)当国外務省による2025年総括
 31日、当国外務省は、2025年総括を発表し、エクアドルとの二国間閣議の開催、米州機構(OAS)に対する1954年の外交的庇護に関するカラカス協定の改正提案、デ・セラ外相とルビオ米国国務長官の会談等について言及した。