ペルーの経済情勢(2025年11月)
令和8年2月25日
1 総論
11月のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率1.53%(前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率1.37%(11月までの一年間)、対米ドル為替相場3.373ソル(平均値)、リマ首都圏の完全失業率5.9%(2025年9月~11月)、財政収支約8億ソルの黒字、貿易収支約37億米ドルの黒字となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
11月の経済成長率(GDP成長率)について、主に建設、行政、国防等の成長率の伸びが見られた一方、漁業、鉱業・炭化水素等の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は1.53%(前年同月比)となった。


イ インフレ率
11月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.11%となり、最近12か月(2024年12月~2025年11月)の上昇率は、1.37%となった。

ウ 為替相場
11月の対米ドル為替相場の平均は3.373ソルであった。

エ 失業率
2025年9月~11月のリマ首都圏の完全失業率は5.9%であった。

オ 財政収支
11月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で6.7%増となり、歳出は同比で5.9%増となった。全体では、プライマリーバランスは約8億ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると約3億ソルの赤字となった。

カ 貿易収支
11月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比13.7%増、非伝統産品(アボカド、アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が1.3%増となり、全体では約87億米ドル(対前年同月比10.1%増)となった。主要輸出品目は銅、金、ぶどうであった。輸入額は、対前年同月比で消費財が9.8%増、中間財は1.4%増、資本財が12.0%増となり、全体で約49億米ドル(対前年同月比6.3%増)となった。主要輸入品目は原油、軽油、携帯電話であった。この結果、貿易収支は約37億米ドルの黒字となった。

キ 外貨準備高
11月末の外貨準備高は約909億米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2025年9月末の対外債務累積総額は約1,151億米ドルとなった。

(2)主な出来事
・中銀(BCR)は政策金利4.25%を維持
11月13日、中銀(BCR)理事会は政策金利を4.25%に維持する旨発表した。この決定については、10月の前月比インフレ率が0.1%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率が0.04%であること、直近12か月間累計のインフレ率が1.4%で横ばいであること、食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率が10月も1.8%と、政府目標値(注:1~3%)の中央値に留まったこと、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが2.2%で、政府目標値内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、BCRは、今後の政策金利の調整はインフレ率とその決定要因に関する新たな情報に基づいて行うこととしている。
・マタラニ港、7億米ドルの民間投資で南部物流拠点へ大規模拡張
11月6日、運輸通信省は、国家港湾局を通じて、ペルー南部のアレキパ州に位置するマタラニ港における7億米ドル規模の新規民間投資及びコンセッション契約の30年間延長について、運営会社Terminal Internacional del Sur(Tisur)との修正契約を締結した旨公表した。Tisur社は、米国の資産運用会社ブラックロック傘下のグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)とペルーのトラマルサ・グループがそれぞれ50%の株式を保有している。
本契約に基づき、マタラニ港の貨物取扱能力は約50%増強される予定である。新たな設備には、6万トン級船舶対応の多目的係留施設、4万トン収容の鉱石倉庫、4.6ヘクタールの最新コンテナヤード、既存桟橋の近代化が含まれる。これにより建設段階で1,800人の直接雇用が創出され、さらに南部地域に最大110億米ドル規模の追加投資を呼び込むことが期待されている。
投資は全額民間資金で賄われ、国の財政負担は発生しない。政府は、今回の契約が民間セクターのペルー経済への信頼を象徴し、持続的成長や雇用創出、地域住民の生活向上を目指す国家戦略の一環であると強調している。加えて、港湾運営権の延長により、マタラニ港は南米太平洋岸における物流拠点としての地位を一層強化する見通しである。本プロジェクトは、交通・経済当局と民間企業が連携して推進しており、中南米地域における官民連携型インフラ開発の先進事例と言える。
・米国の相互関税適用除外決定によるペルー農産物輸出への影響
11月17日、通商観光省は、米国が一部農産品の相互関税適用除外を決定し、ペルーの農産物約100品目が免税で輸出可能となった旨公表した。アボカド、コーヒー、マンゴなど2024年の対米輸出額は約12億米ドルで、対米国輸出額全体の24%を占める。
この措置により米国向け輸出額の約50%が関税対象外となり、生産者の競争力が回復し、輸出関連で約100万の直接雇用が生まれ、約300万人が恩恵を受ける。
2025年1月~9月の対米輸出額は67億800万米ドルに及び、前年同時期比で8.2%増加した。2025年のペルーの総輸出額は850億米ドルを見込んでいる。
11月のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率1.53%(前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率1.37%(11月までの一年間)、対米ドル為替相場3.373ソル(平均値)、リマ首都圏の完全失業率5.9%(2025年9月~11月)、財政収支約8億ソルの黒字、貿易収支約37億米ドルの黒字となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
11月の経済成長率(GDP成長率)について、主に建設、行政、国防等の成長率の伸びが見られた一方、漁業、鉱業・炭化水素等の成長率がマイナスとなり、全体としてGDP成長率は1.53%(前年同月比)となった。



イ インフレ率
11月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.11%となり、最近12か月(2024年12月~2025年11月)の上昇率は、1.37%となった。


ウ 為替相場
11月の対米ドル為替相場の平均は3.373ソルであった。


エ 失業率
2025年9月~11月のリマ首都圏の完全失業率は5.9%であった。

オ 財政収支
11月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で6.7%増となり、歳出は同比で5.9%増となった。全体では、プライマリーバランスは約8億ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると約3億ソルの赤字となった。


カ 貿易収支
11月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比13.7%増、非伝統産品(アボカド、アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が1.3%増となり、全体では約87億米ドル(対前年同月比10.1%増)となった。主要輸出品目は銅、金、ぶどうであった。輸入額は、対前年同月比で消費財が9.8%増、中間財は1.4%増、資本財が12.0%増となり、全体で約49億米ドル(対前年同月比6.3%増)となった。主要輸入品目は原油、軽油、携帯電話であった。この結果、貿易収支は約37億米ドルの黒字となった。


キ 外貨準備高
11月末の外貨準備高は約909億米ドルとなった。


ク 対外累積債務
2025年9月末の対外債務累積総額は約1,151億米ドルとなった。


(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)主な出来事
・中銀(BCR)は政策金利4.25%を維持
11月13日、中銀(BCR)理事会は政策金利を4.25%に維持する旨発表した。この決定については、10月の前月比インフレ率が0.1%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率が0.04%であること、直近12か月間累計のインフレ率が1.4%で横ばいであること、食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率が10月も1.8%と、政府目標値(注:1~3%)の中央値に留まったこと、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが2.2%で、政府目標値内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、BCRは、今後の政策金利の調整はインフレ率とその決定要因に関する新たな情報に基づいて行うこととしている。
・マタラニ港、7億米ドルの民間投資で南部物流拠点へ大規模拡張
11月6日、運輸通信省は、国家港湾局を通じて、ペルー南部のアレキパ州に位置するマタラニ港における7億米ドル規模の新規民間投資及びコンセッション契約の30年間延長について、運営会社Terminal Internacional del Sur(Tisur)との修正契約を締結した旨公表した。Tisur社は、米国の資産運用会社ブラックロック傘下のグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)とペルーのトラマルサ・グループがそれぞれ50%の株式を保有している。
本契約に基づき、マタラニ港の貨物取扱能力は約50%増強される予定である。新たな設備には、6万トン級船舶対応の多目的係留施設、4万トン収容の鉱石倉庫、4.6ヘクタールの最新コンテナヤード、既存桟橋の近代化が含まれる。これにより建設段階で1,800人の直接雇用が創出され、さらに南部地域に最大110億米ドル規模の追加投資を呼び込むことが期待されている。
投資は全額民間資金で賄われ、国の財政負担は発生しない。政府は、今回の契約が民間セクターのペルー経済への信頼を象徴し、持続的成長や雇用創出、地域住民の生活向上を目指す国家戦略の一環であると強調している。加えて、港湾運営権の延長により、マタラニ港は南米太平洋岸における物流拠点としての地位を一層強化する見通しである。本プロジェクトは、交通・経済当局と民間企業が連携して推進しており、中南米地域における官民連携型インフラ開発の先進事例と言える。
・米国の相互関税適用除外決定によるペルー農産物輸出への影響
11月17日、通商観光省は、米国が一部農産品の相互関税適用除外を決定し、ペルーの農産物約100品目が免税で輸出可能となった旨公表した。アボカド、コーヒー、マンゴなど2024年の対米輸出額は約12億米ドルで、対米国輸出額全体の24%を占める。
この措置により米国向け輸出額の約50%が関税対象外となり、生産者の競争力が回復し、輸出関連で約100万の直接雇用が生まれ、約300万人が恩恵を受ける。
2025年1月~9月の対米輸出額は67億800万米ドルに及び、前年同時期比で8.2%増加した。2025年のペルーの総輸出額は850億米ドルを見込んでいる。
(了)