ペルーの経済情勢(2026年1月)
令和8年4月22日
1 総論
1月のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率3.54%(前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率1.70%(1月までの一年間)、対米ドル為替相場3.356ソル(平均値)、リマ首都圏の完全失業率6.3%(2025年11月~2026年1月)、財政収支約44億ソルの黒字、貿易収支約46億米ドルの黒字となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
1月の経済成長率(GDP成長率)について、漁業、製造等の成長率はマイナスとなったが、建設、宿泊・飲食業等の成長率の高い伸びを反映して、全体としてGDP成長率は3.54%(前年同月比)となった。


イ インフレ率
1月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.1%となり、最近12か月(2025年2月~2026年1月)の上昇率は、1.70%となった。

ウ 為替相場
1月の対米ドル為替相場の平均は3.356ソルであった。

エ 失業率
2025年11月~2026年1月のリマ首都圏の完全失業率は6.3%であった。

オ 財政収支
1月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で1.3%増となり、歳出は同比で0.6%減となった。全体では、プライマリーバランスは約44億ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると約39億ソルの黒字となった。

カ 貿易収支
1月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比51.8%増、非伝統産品(アボカド、アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が0.9%増となり、全体では約99億米ドル(対前年同月比37.8%増)となった。主要輸出品目は金、銅、コーヒーであった。輸入額は、対前年同月比で消費財が18.8%増、中間財は7.3%減、資本財が11.9%増となり、全体で約52億米ドル(対前年同月比5.1%増)となった。主要輸入品目は原油、携帯電話、自動車であった。この結果、貿易収支は約46億米ドルの黒字となった。

キ 外貨準備高
1月末の外貨準備高は約951億米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2025年12月末の対外債務累積総額は約1,139億米ドルとなった。

(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)主な出来事
・中銀(BCR)は政策金利4.25%を維持
1月8日、中銀(BCR)理事会は政策金利を4.25%に維持する旨発表した。この決定については、12月の前月比インフレ率が0.24%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率が0.45%であること、直近12か月間累計のインフレ率が11月の1.4%から12月には1.5%に上昇したこと、食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率が1.8%と横ばいであること、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが11月の2.2%から12月には2.1%へと低下し、政府目標値(注:1~3%)内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、BCRは、今後の政策金利の調整はインフレ率とその決定要因に関する新たな情報に基づいて行うこととしている。
・「2040年までの国家多分野貿易政策」を公表
1月5日、通商観光省(MINCETUR)は最高令第010-2025-MINCETURにより「2040年までの国家多分野貿易政策」を公表した。同政策は、貿易障壁の克服、広範な貿易協定網、生産・物流インフラや経済特区の活用により、輸出入の持続的成長と貿易自由度の拡大を図り、世界貿易に占めるペルーのシェアを現行の0.23%から0.3%へ引き上げることを目指す。優先目標は、(1)貿易協定と機会の活用促進、(2)貿易円滑化の改善、(3)輸出可能な財・サービスの強化、(4)経済特区企業の参加促進、(5)企業活動を支える協力環境の強化の5つで、22のガイドラインに基づき40のサービスを提供する。MINCETURによると、2040年に財・サービス輸出は1,400億米ドル、うち付加価値製品は440億米ドル、非伝統的サービスは33億米ドルに達し、中小零細企業の輸出は60億米ドル超になる見通しである。政府は戦略的パートナーとの新規交渉や既存協定の最適化を継続し、輸出市場の多角化とビジネス機会の拡大を進めるとしている。
・ペルー・豪州間航空協定が発効、オープンスカイ体制を強化
1月5日、運輸通信省は、2017年5月24日に署名されたペルー・豪州間航空協定が発効したと発表した。本協定は航空自由化(オープンスカイ)体制を一段と強化するものである。指定航空会社は、ペルーのいずれの都市からも豪州のいかなる目的地へも運航でき、二国間に加え第三国を介した航空接続の可能性が大幅に拡大する。主な利点は、輸送容量の自由な設定、路線・便数・機材の柔軟な選択、第三国の航空会社を含むコードシェアによるサービス提供の容認であり、利用者にとって接続オプションが増える。商業面では、自由な運賃設定、事務所設置、雇用契約、各種商業活動が可能となり、競争力と効率性の高い市場形成が促進される。
・ペルー、香港のFTA積替え貨物円滑化スキーム参加で対中貿易を強化
1月9日、通商観光省は、中国香港税関との機関間協定により、香港が管理する自由貿易協定積替え貨物円滑化スキーム(FTAスキーム)への参加が同月12日より可能になったと発表した。これにより、香港税関はペルー・中国自由貿易協定の直接輸送規定の遵守を証明する非加工証明書を発行でき、香港経由で中国に向かうペルー産輸出品のみならず、香港経由でペルーに向かう中国産輸入品にも非加工証明書が適用される。
・DEPAへのペルー加盟承認、発効に向け国内手続き開始
1月14日、通商観光省は、電子商取引やデジタル協力、貿易円滑化に向けた新技術の活用を促進する枠組みである、デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)へのペルーの加盟が承認されたと発表した。DEPAはニュージーランド、シンガポール、チリが2020年6月に署名し、2021年に発効した枠組みで、2024年に韓国が加盟した。なお、中国、 カナダ、コスタリカ、アラブ首長国連邦(UAE)、エルサルバドル、ウクライナ、ウルグアイ、タイが加盟申請している。
・2025年の訪ペルー旅行者341万人超、パンデミック前の78%まで回復
1月14日、通商観光省は、観光月例報告により、2025年の訪ペルー旅行者は341万6,464人となり、前年比4.9%増、パンデミック前比では78.1%まで回復したと公表した。同統計は入国者ベースで観光以外の目的も含み、アジアからは中国約4万人、日本・韓国が約2万人である。一方、ペルー人の海外旅行も堅調で、2025年は339万人と前年比7.0%増、2019年比でも3.7%増であった。
1月のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率3.54%(前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率1.70%(1月までの一年間)、対米ドル為替相場3.356ソル(平均値)、リマ首都圏の完全失業率6.3%(2025年11月~2026年1月)、財政収支約44億ソルの黒字、貿易収支約46億米ドルの黒字となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
1月の経済成長率(GDP成長率)について、漁業、製造等の成長率はマイナスとなったが、建設、宿泊・飲食業等の成長率の高い伸びを反映して、全体としてGDP成長率は3.54%(前年同月比)となった。



イ インフレ率
1月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.1%となり、最近12か月(2025年2月~2026年1月)の上昇率は、1.70%となった。


ウ 為替相場
1月の対米ドル為替相場の平均は3.356ソルであった。


エ 失業率
2025年11月~2026年1月のリマ首都圏の完全失業率は6.3%であった。


オ 財政収支
1月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で1.3%増となり、歳出は同比で0.6%減となった。全体では、プライマリーバランスは約44億ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると約39億ソルの黒字となった。


カ 貿易収支
1月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比51.8%増、非伝統産品(アボカド、アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が0.9%増となり、全体では約99億米ドル(対前年同月比37.8%増)となった。主要輸出品目は金、銅、コーヒーであった。輸入額は、対前年同月比で消費財が18.8%増、中間財は7.3%減、資本財が11.9%増となり、全体で約52億米ドル(対前年同月比5.1%増)となった。主要輸入品目は原油、携帯電話、自動車であった。この結果、貿易収支は約46億米ドルの黒字となった。


キ 外貨準備高
1月末の外貨準備高は約951億米ドルとなった。


ク 対外累積債務
2025年12月末の対外債務累積総額は約1,139億米ドルとなった。


(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)主な出来事
・中銀(BCR)は政策金利4.25%を維持
1月8日、中銀(BCR)理事会は政策金利を4.25%に維持する旨発表した。この決定については、12月の前月比インフレ率が0.24%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率が0.45%であること、直近12か月間累計のインフレ率が11月の1.4%から12月には1.5%に上昇したこと、食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率が1.8%と横ばいであること、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが11月の2.2%から12月には2.1%へと低下し、政府目標値(注:1~3%)内に収まっていること等を考慮したと説明されている。なお、BCRは、今後の政策金利の調整はインフレ率とその決定要因に関する新たな情報に基づいて行うこととしている。
・「2040年までの国家多分野貿易政策」を公表
1月5日、通商観光省(MINCETUR)は最高令第010-2025-MINCETURにより「2040年までの国家多分野貿易政策」を公表した。同政策は、貿易障壁の克服、広範な貿易協定網、生産・物流インフラや経済特区の活用により、輸出入の持続的成長と貿易自由度の拡大を図り、世界貿易に占めるペルーのシェアを現行の0.23%から0.3%へ引き上げることを目指す。優先目標は、(1)貿易協定と機会の活用促進、(2)貿易円滑化の改善、(3)輸出可能な財・サービスの強化、(4)経済特区企業の参加促進、(5)企業活動を支える協力環境の強化の5つで、22のガイドラインに基づき40のサービスを提供する。MINCETURによると、2040年に財・サービス輸出は1,400億米ドル、うち付加価値製品は440億米ドル、非伝統的サービスは33億米ドルに達し、中小零細企業の輸出は60億米ドル超になる見通しである。政府は戦略的パートナーとの新規交渉や既存協定の最適化を継続し、輸出市場の多角化とビジネス機会の拡大を進めるとしている。
・ペルー・豪州間航空協定が発効、オープンスカイ体制を強化
1月5日、運輸通信省は、2017年5月24日に署名されたペルー・豪州間航空協定が発効したと発表した。本協定は航空自由化(オープンスカイ)体制を一段と強化するものである。指定航空会社は、ペルーのいずれの都市からも豪州のいかなる目的地へも運航でき、二国間に加え第三国を介した航空接続の可能性が大幅に拡大する。主な利点は、輸送容量の自由な設定、路線・便数・機材の柔軟な選択、第三国の航空会社を含むコードシェアによるサービス提供の容認であり、利用者にとって接続オプションが増える。商業面では、自由な運賃設定、事務所設置、雇用契約、各種商業活動が可能となり、競争力と効率性の高い市場形成が促進される。
・ペルー、香港のFTA積替え貨物円滑化スキーム参加で対中貿易を強化
1月9日、通商観光省は、中国香港税関との機関間協定により、香港が管理する自由貿易協定積替え貨物円滑化スキーム(FTAスキーム)への参加が同月12日より可能になったと発表した。これにより、香港税関はペルー・中国自由貿易協定の直接輸送規定の遵守を証明する非加工証明書を発行でき、香港経由で中国に向かうペルー産輸出品のみならず、香港経由でペルーに向かう中国産輸入品にも非加工証明書が適用される。
・DEPAへのペルー加盟承認、発効に向け国内手続き開始
1月14日、通商観光省は、電子商取引やデジタル協力、貿易円滑化に向けた新技術の活用を促進する枠組みである、デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)へのペルーの加盟が承認されたと発表した。DEPAはニュージーランド、シンガポール、チリが2020年6月に署名し、2021年に発効した枠組みで、2024年に韓国が加盟した。なお、中国、 カナダ、コスタリカ、アラブ首長国連邦(UAE)、エルサルバドル、ウクライナ、ウルグアイ、タイが加盟申請している。
・2025年の訪ペルー旅行者341万人超、パンデミック前の78%まで回復
1月14日、通商観光省は、観光月例報告により、2025年の訪ペルー旅行者は341万6,464人となり、前年比4.9%増、パンデミック前比では78.1%まで回復したと公表した。同統計は入国者ベースで観光以外の目的も含み、アジアからは中国約4万人、日本・韓国が約2万人である。一方、ペルー人の海外旅行も堅調で、2025年は339万人と前年比7.0%増、2019年比でも3.7%増であった。
(了)