ペルーの経済情勢(2026年2月)

令和8年4月30日
1 総論
 2月のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率3.68%(前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率2.21%(2月までの一年間)、対米ドル為替相場3.357ソル(平均値)、リマ首都圏の完全失業率6.4%(2025年12月~2026年2月)、財政収支約12億ソルの黒字、貿易収支約42億米ドルの黒字となった。
 
2 各論
(1) 主要経済指標
 ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
 
ア 経済成長率
 2月の経済成長率(GDP成長率)について、漁業、鉱業・炭化水素等の成長率はマイナスとなったが、建設、宿泊・飲食業等の成長率の高い伸びを反映して、全体としてGDP成長率は3.68%(前年同月比)となった。



 


イ インフレ率
 2月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、食品価格の上昇、水道料金の引き上げ等により0.69%に上昇し、最近12か月(2025年3月~2026年2月)の上昇率は、2.21%となった。




ウ 為替相場
 2月の対米ドル為替相場の平均は3.357ソルであった。



 

エ 失業率
 2025年12月~2026年2月のリマ首都圏の完全失業率は6.4%であった。  ​




オ 財政収支
 2月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で8.7%増となり、歳出は同比で14.1%増となった。全体では、プライマリーバランスは約12億ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると約57億ソルの赤字となった。
 



カ 貿易収支
 2月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比48.8%増、非伝統産品(アボカド、アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が6.4%増となり、全体では約90億米ドル(対前年同月比38.2%増)となった。主要輸出品目は金、銅、鉛であった。輸入額は、対前年同月比で消費財が14.0%増、中間財は6.5%増、資本財が24.6%増となり、全体で約48億米ドル(対前年同月比13.3%増)となった。主要輸入品目は原油、携帯電話、軽油であった。この結果、貿易収支は約42億米ドルの黒字となった。



 

キ 外貨準備高
 2月末の外貨準備高は約973億米ドルとなった。




ク 対外累積債務
 2025年12月末の対外債務累積総額は約1,139億米ドルとなった。



 

(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。

(2)主な出来事
・中銀(BCR)は政策金利4.25%を維持
 2月12日、中銀(BCR)理事会は政策金利を4.25%に維持する旨発表した。この決定については、1月の前月比インフレ率が0.10%、食料とエネルギーコストを除く前月比のコア・インフレ率が0.04%であること、直近12か月間累計のインフレ率が12月の1.5%から1月には1.7%に上昇したこと、食料とエネルギーコストを除いた12か月間累計のコア・インフレ率が12月の1.8%から1月には2.0%に上昇したこと、さらには、今後12か月の累計インフレ率の見通しが12月の2.1%から1月には2.0%へと低下し、政府目標値(注:1~3%)の中央値になったこと等を考慮したと説明されている。なお、BCRは、今後の政策金利の調整はインフレ率とその決定要因に関する新たな情報に基づいて行うこととしている。
 
・ペルー・米国、重要鉱物協力の覚書に署名
 2月4日、外務省は、ワシントンD.C.で開催された重要鉱物閣僚会議の枠組みにおいて、米国との間で重要鉱物と希土類鉱物に係る協力枠組みに関する覚書に署名したと発表した。この覚書により、優先プロジェクトの共同選定、新規投資の活性化、ペルー鉱業部門の競争力強化、生産基盤の多様化に資する金融・技術ツールへのアクセスが促進される。また、情報・専門知識・国際的ベストプラクティスの交換を通じた技術移転や制度協力等も促進し、探査、資源マッピング、人材育成、研究開発等の分野における能力も強化する。
 
・ペルー・トヨタ、ルリン区に新車両物流拠点建設(約1億ソル投資)
 2月5日、ペルー・トヨタがリマ南方40kmに位置するルリン区に新車両物流拠点を建設するため約1億ソル(約3,000万米ドル)を投資する旨複数メディアが報じた。敷地面積は16万平方メートル、最大6,300台の収容可能で、1日最大220台の配送能力を備える。効率性、品質、そしてプロセスの標準化で世界的に認められているトヨタ生産方式に基づき運営される。最大200ポストの雇用創出が期待され、地域経済と国内自動車産業の発展にも寄与する。
 
・チャンカイ港規制巡る裁判所判決、政府控訴
 チャンカイ港を運営するCosco Shipping Ports Chancay Peru S.A.(CSPCP)が、公共交通施設投資監督庁(Ositran)による規制・監督権限の行使差止めを求めて提訴した件で、1月末、リマ第一専門憲法裁判所はCSPCPの請求を認め、同港ターミナルの運営・活動に関する規制、監督、監視、処罰の権限行使をOsitranに差し控えるよう命じた。
  これに対し、Ositranは、2月20日、公共利用インフラには所有形態を問わず監督権限が及ぶとの規則を根拠に、上級裁判所に対し当該判決の破棄および訴えの棄却を求め、控訴した。また、Ositranは、プカルパ市にあるLPO港の事例を挙げ、この港もチャンカイ港と同様に「民間所有かつ公共利用」の形態をとっているが、Ositránが問題なく監督権限を行使できている実績があり、今回の判決はこの実務上の前例と矛盾していると指摘している。
 
(了)