ペルー安全対策情報(2026年4~6月分:邦人被害例等)

令和8年7月2日
1 社会・治安情勢
(1)一部山間部地域、国境地帯、トゥンベス州、ラ・リベルタ州の一部地域に対して非常事態宣言が継続して発出されており、また、6月28日よりリマ市・カヤオ憲法特別市に対する非常事態宣言が再発出されるなど、依然として社会・治安情勢は流動的です。大統領選挙の最終結果は現時点において発表されておりませんが、既に開票率が100%の状況となり、同結果に異議を唱える支持者等による集会やデモが発生しています。特に、左派勢力への支持が強いペルー南部のプーノ州、クスコ州、アレキパ州などでは、今回の選挙結果に不満を持つ住民の間で抗議活動やデモへの参加を呼びかける動きが確認されています。また、最近では若者を中心としたグループによるデモなど、新たな抗議活動もみられるなど、引き続き最新の情報の入手と慎重な行動を心がけて下さい。また、下記2(1)のとおり犯罪件数の増加も顕著であるほか、下記2(2)アのとおり窃盗の邦人被害も発生しており、外出時にはより一層の注意が必要です。
 
(2)観光客が多く訪れるマチュピチュでは、2025年末に、同鉄道区間における列車同士の衝突事故も発生しました。今後も同様の混乱が起きる可能性もあり、有名観光地へ赴く際も予備の常備薬や最低限の飲食物の携行など事前の準備と慎重な行動が重要です。
 
(3)テロ組織は一部山間部地域に潜伏し、麻薬密輸を資金源に現在も活動を続け、軍や国家警察に対する武力攻撃を続けています。
 
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)全般
ア 2025年中の刑法犯罪認知件数は、全国で535,453件(前年比5.5%減)となったものの、依然として高い水準で推移しています。                        
2021年以降、新型コロナウイルス感染症に伴う各種行動制限の解除を契機として、都市部を中心に犯罪が増加しており、近年は、従来の強盗・窃盗に加え、恐喝、組織的な銃撃事件(シカリオ)、金融・サイバー犯罪等、組織犯罪に起因する事件も継続して発生しています。
 罪種別では、強盗、窃盗及び恐喝等の財産犯が336,430件(前年比9.0%減)と最も多く、その多くは、首都リマ市・カヤオ憲法特別市において集中的に発生しています。なお、これらの件数は警察に届け出があった犯罪のみを集計したものであり、未申告事案を含めると、実際の件数はさらに多いものと考えられます。
 
イ 外国人観光客が被害者となる長距離バス車内での犯罪やタクシー強盗被害が報告されています。具体的には夜間、被害者が気づかないうちに人気のない場所に連れて行かれ、そこで待ち伏せていた強盗犯人が車内に乗り込み、乗客の金品を奪って逃走する手口のほか、運転手や他の乗客から薬物が混入した菓子や飲み物等を勧められ口にした結果昏睡状態となり、所持品を奪われる等の手口が確認されています。長距離バスやタクシーを利用する際は、できる限り夜間の利用を避けるとともに、運転手や乗客の身分確認が徹底されている会社を選び、無登録のタクシー会社や配車アプリに登録していない車両の利用は避けてください。
 
ウ 比較的安全とされているミラフローレス区やサン・イシドロ区等においても、日中から、自動車やオートバイを利用した犯人らによる、強盗やひったくりが多発しています。高級腕時計や貴金属を持つ者の後をつけ、人気の無い場所で襲うといった手口は従来から継続して発生しており、装飾品・携行品には特に注意してください。また、路上や自宅周辺で車内に留まっている者、携帯電話を使用している者、駐車中の車両利用者等を狙った犯行が確認されていることから、短時間であっても周囲への警戒を怠らず、不必要な路上待機や車内での長時間滞在は避けてください。
 
エ 特に携帯電話を使用中の歩行者を狙ったひったくりの発生が急増しており、被害時に抵抗したため犯人から銃撃される事例が多く発生しています。国内で1日あたり5,000件を超える携帯電話の盗難が発生しているとの統計もあります。外出時には、自身の携帯電話が犯人にとって高価な標的となり得ることを十分認識し、被害に遭った際には絶対に抵抗しないことが重要です。また、携帯電話の盗難増加に伴い、保存された個人情報を悪用したインターネット犯罪も増加しています。歩行中の携帯電話の使用は控え、やむを得ず屋外で使用する場合も、周囲を十分警戒してください。
 
オ 強盗の手口として、一般人を装った共犯者(連絡役)が市内各所(店舗の出入口、銀行・ATM前、飲食店内、空港の出入口付近等)に配置されており、共犯者が、被害者を物色・選定し、実行犯に連絡するという手法が取られていることから、これまで以上に所持品・携行品は他人から見えない様に携行し、華美な服装は避ける等といった、ターゲットにならないための注意を払う必要があります。特に被害者が金融機関を利用した直後に襲われる事件が多発しています。
 
(2)主な犯罪発生例等
ア 邦人被害例
 (スリ)リマ市セントロ地区(走行中のバス車内)
6月22日、リマ市セントロ地区からミラフローレス区方向へを走行する混雑したバス車内において、背中に所持したリュックサック側面を鋭利な刃物で切られ、リュック内から財布を盗まれるスリの被害に遭った。
 
イ リマ市内での犯罪発生例
 (拳銃強盗)リマ市サン・イシドロ区(路上停車中車両)
コンドミニアム前で停車中の車両にSUVで接近した拳銃所持の2人組が車内に乗り込み、所持品を強奪した後逃走した。
(拳銃強盗)リマ市ヘスス・マリア区(路上停車中車両)
被害者が路上に停車した車内で知人を待っていたところ、後方から接近したSUVから降車した拳銃所持の男2人に脅迫され、携帯電話、ノートパソコン等を強奪された。犯人らは、被害者に携帯電話内の銀行アプリを車内で操作させ、約28,000ソルを不正送金し逃走した。
(住宅侵入強盗・誘拐未遂)リマ市サン・イシドロ区(住宅)
武装した複数の犯人が住宅へ侵入し、住民を脅迫して現金、貴金属及び電子機器等約5万ソル相当を強奪。犯人らは被害者を車両で連れ去ろうとしたが、巡回中のセレナスゴに発見され誘拐は未遂に終わり、犯人らは一部の金品を持って逃走した。
(自動車部品窃盗)リマ市ミラフローレス区ほか
警察は、自動車部品窃盗グループ「Los Peineros del Callao」の構成員2人を逮捕した。同グループは特殊工具を使用して駐車中の車両を開錠し、車載コンピューター(ECU)等の部品を窃取していたとされ、ミラフローレス区、サン・イシドロ区及びサン・ボルハ区における複数の窃盗事件への関与が疑われている。同地区では、路上駐車中の車両を狙った自動車部品窃盗事案が継続して発生している。
 
ウ WhatsAppアカウント乗っ取りを悪用した送金詐欺
 WhatsAppアカウントの乗っ取りを悪用し、知人や関係者になりすまして送金を求める詐欺事案が確認されています。犯人は実在する人物のアカウントを使用し、「両替をしたい」「急ぎで送金してほしい」などと持ち掛け、第三者名義口座への振込みを誘導します。SMSやWhatsAppを利用したフィッシング詐欺やなりすまし詐欺が増加していることから、金銭に関する依頼を受けた場合は、送金前に必ず電話等で本人確認を行うよう注意してください。
 
エ 返金トラブルの発生
 インターネット上のホームページを通じて、ペルー国内のツアー旅行を申し込んだ方から、ツアーがキャンセルされたが返金されないというトラブルが報告されています。インターネット上の旅行業者にツアーを申し込む際には、(1)キャンセルの条件や規約などを確認し、内容を十分理解したうえで利用すること、(2)ペルー通商観光省に登録されている旅行業者か確認するなどして、信頼できる業者であることを十分確認することの2点を強くお勧めいたします。
ペルー国内に所在する旅行代理店は、ペルー通商観光省(MINCETUR)への登録が義務づけられており、登録の有無及び旅行業者の情報は以下の手順で確認することが可能です(スペイン語表記)。なお、IATA(国際航空運送協会)への登録(ロゴマークの表示)の有無などにより信頼性を確認することもできます。
(1)まず、旅行代理店の納税者番号を確認します。以下のリンクより、ペルー国家税関税務監督庁(SUNAT)のHPにアクセス。
http://e-consultaruc.sunat.gob.pe/cl-ti-itmrconsruc/jcrS00Alias
・左下の「Por Nomb. /Raz. Soc.」の欄を押して、検索ボックスに旅行代理店の名称を入力した上で、検索「Buscar」をクリックします。
・法人情報をクリックして、納税者登録番号(Numero de RUC)を確認します。
※類似名の事業者が表示される場合がありますのでご注意ください。
(2)次に、以下のリンクより、ペルー通商観光省(MINCETUR)のHPにアクセスし、旅行代理店として登録されているか確認します。
https://consultasenlinea.mincetur.gob.pe/directoriodeserviciosturisticos/DirPrestadores/DirBusquedaPrincipal/AgenciaViajes?IdGrupo=2
・「N° RUC」の欄に先ほどSUNATで確認した納税者登録番号(Numero de RUC)を入力し、検索「Buscar」をクリックします。旅行代理店として通商観光省に登録がある場合は、同社の情報が表示されます。
 
オ ATMカードすり替え詐欺
 商業施設やスーパー等のATM利用者を狙い、銀行カードをすり替えて現金を引き出す詐欺事案が確認されています。犯人らは高齢者や女性に対し、「銀行システムが変更されたので手伝う」などと言って接近し、銀行カードを別のカードとすり替えた上で、口座から現金を引き出していました。銀行利用客を狙った追跡型強盗に加え、ATM利用者を狙ったカードすり替え詐欺等の金融犯罪も確認されています。ATM利用時には見知らぬ人物からの支援を受けず、操作に不安がある場合には銀行職員に直接相談するなど、十分注意してください。
 
3 テロ・爆弾事件発生状況
 アプリマック・エネ・マンタロ川渓谷(VRAEM)地域の一部地域では、引き続き武装組織と治安部隊との衝突が度々発生しています。同地域における非常事態宣言は今後も継続される見通しです。これらの地域に対しては、日本政府としても危険情報のレベル3(渡航中止勧告)を発出していますので、理由の如何にかかわらず立ち入らないでください。
 
4 誘拐・脅迫事件発生状況
 ペルーではリマ市を含む各地で、年少者被害の誘拐や、ATMから現金を引き下ろさせる目的の誘拐強盗(短時間誘拐)が発生しています。
 また、富裕層を対象とした脅迫、恐喝、殺人事件が報告されており、深刻な治安上の懸念となっています。こうした犯罪の被害に遭わないためには、日常生活において行動パターンを固定化せず、犯人に行動を予測されないように注意することが極めて重要です。また、リマ市内においても犯罪組織による恐喝事件が急増しており、殺し屋による殺人事件や組織間の抗争に伴う銃撃事件、さらには警察との銃撃戦に至るケースも確認されています。これらの犯罪は、時間・場所を問わず発生し得るという認識のもと、外出時には常に周囲の状況に注意を払い、安全確保に十分留意することが重要です。
 
5 長距離バス、観光バスの交通事故、盗難事件等
 ペルーでは、スピード超過、車両整備不良、居眠り運転などが原因となり、中長距離バスや観光バスによる追突事故や転落事故が頻発しています。特に長距離バスでは、運転手の不注意や車体の整備不良等によって重大事故が繰り返されており、報道等によれば、4月~6月の間に少なくとも約15件のバス事故が確認されています。また、車内での窃盗事件も多発していることから、バス利用時はトイレなど短時間の離席の際も、貴重品の管理を徹底することが重要です。可能な限り航空機など他の交通手段を利用されることを強くお勧めするとともに、長距離バス等を利用する際は、以下の点にご注意ください。
(1)夜行長距離バスの利用はできるだけ避ける。
(2)安全管理を徹底していると確認できるバス会社を選ぶ。
(3)車内では常にシートベルトを着用する。
(4)短時間でも離席する際は貴重品の管理を怠らない。
https://www.pe.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_02443.html
 
6 ペルーは環太平洋地震帯に位置しており世界の地震活動の約85%が集中する地震・津波多発国です。ペルー地球物理学研究所(IGP)の発表では、2026年5月9日イカ州イカ郡を震源地としたマグニチュード6.1の地震が、同年5月25日タクナ州タクナ郡南方240kmを震源地としたマグニチュード6.5の地震が発生しています。また、2026年中にマグニチュード5以下の地震が約370件確認されています。
引き続き規模の大きい地震が発生する可能性も考えられることから、今後も最新の情報を注視してください。
当館ホームページに掲載している「安全の手引き」には、p16~p19「第1章防犯の手引き 8自然災害」およびp24~26「在留邦人用緊急事態対処マニュアル」を記載しています。ご一読の上ご活用ください。
https://www.pe.emb-japan.go.jp/files/100145917.pdf
 
7 日本企業の安全に係わる状況
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