ペルーの経済情勢(2026年4月)
令和8年9月3日
1 総論
4月のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率3.73%(前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率4.01%(4月までの一年間)、対米ドル為替相場3.443ソル(平均値)、リマ首都圏の完全失業率5.3%(2026年2月~4月)、財政収支約107億ソルの黒字、貿易収支約33億米ドルの黒字となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
4月の経済成長率(GDP成長率)について、鉱業・炭化水素、農牧の成長率はマイナスとなったが、建設、商業等の成長率の高い伸びを反映して、全体としてGDP成長率は3.73%(前年同月比)となった。


イ インフレ率
4月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.52%となり、最近12か月(2025年5月~2026年4月)の上昇率は、4.01%となった。

ウ 為替相場
4月の対米ドル為替相場の平均は3.443ソルであった。

エ 失業率
2026年2月~4月のリマ首都圏の完全失業率は5.3%であった。

オ 財政収支
4月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で24.6%増となり、歳出は同比で19.5%増となった。全体では、プライマリーバランスは約107億ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると約104億ソルの黒字となった。

カ 貿易収支
4月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比68.8%増、非伝統産品(アボカド、アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が3.4%増となり、全体では約93億米ドル(対前年同月比51.1%増)となった。主要輸出品目は銅、金、鉛であった。輸入額は、対前年同月比で消費財が30.7%増、中間財は32.6%増、資本財が39.3%増となり、全体で約60億米ドル(対前年同月比34.0%増)となった。主要輸入品目は原油、携帯電話、軽油であった。この結果、貿易収支は約33億米ドルの黒字となった。

キ 外貨準備高
4月末の外貨準備高は約970億米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2026年3月末の対外債務累積総額は約1,124億米ドルとなった。

(2)主な出来事
・中銀(BCR)は政策金利4.25%を維持
4月9日、中銀(BCR)理事会は、政策金利を4.25%に維持する旨発表した。発表によると、3月の前月比インフレ率は2.38%、食料とエネルギーを除くコア・インフレ率は2.07%となった。この3月中の大幅なインフレ上昇は、国際的な燃料価格の急騰、同月前半における天然ガスおよび液化天然ガス(LNG)の供給完全停止、並びに悪天候の影響といった、複数の供給ショックが複合的に作用した結果であると説明されている。また、直近12ヶ月間の累積インフレ率は2月の2.2%から3月には3.8%に上昇し、コア・インフレ率も同期間に2.2%から3.7%に上昇してBCRの目標値(注:1~3%)を上回った。一方で、今後12か月の累計インフレ率の見通しは2月の2.1%から3月には2.5%へ上昇したものの、目標圏内に留まっている。BCRはこれらの状況を総合的に考慮して金利維持を決定した。なお、今後の政策金利の調整はインフレ率とその決定要因に関する新たな情報に基づいて行うこととしている。
・中国企業がサン・フアン・デ・マルコナ新港ターミナルの契約締結
4月1日、運輸通信省は国家港湾局を通じ、中国企業が参加するサン・フアン・ポート社と、イカ州サン・フアン・デ・マルコナ新港ターミナルの設計・資金調達・建設・運営・保守に係るPPP型コンセッション契約を締結した旨公表した。投資額は4億500万米ドルで、2埠頭・3バースを整備し、ばら積み・一般貨物・コンテナに対応する設備を備える計画である。南部物流の強化を図り、操業後はカヤオ、チャンカイに次ぐ第3の重要港となる。2024年3月には、投資促進庁は同港のコンセッショネアとして金兆ペルー社を選定しており、同社の親会社は中融新大系金兆鉱業で、アレキパ州パンパ・デ・ポンゴ鉱山を開発中である。ペルーにおける鉄鉱石の生産は100%中国企業が担っており、今回の契約締結により、中国がペルーの鉄鉱石を中国へ直接輸出するための新たなルートを確保した。
・民間経済特区(ZEEP)に対する税務・関税優遇措置を創設する規則公布
4月22日、民間主導の経済特区(ZEEP)に対する特別な税制・関税制度を創設する法律第32449号(2025年9月26日公布)の規則が公布された。
本規則により、ZEEPの管理・運営・監督・インフラ整備等を担う民間企業(運営者)となる要件として、最低1,500 UIT(約250万米ドル相当。UITはペルー政府が毎年定める課税単位で、2026年は5,500ソル。)の投資と、90ヘクタール以上(カヤオ憲法特別市を除く)の開発面積を確保した上で、インフラ、アクセス環境、各種サービスへの接続要件を満たす詳細なマスタープランを通商観光省へ提出し、技術的評価を受けることが求められる。
また、ZEEP内で製造、組立、サービス等の事業活動を行う企業(新設法人または新設支店等)が「利用者」として運営者と契約し、事業を展開するための要件として、次の点が明示された。第一に、「新設法人または新設支店等」とは、原則として同法発効後に設立された新設法人等である必要があり、既存のペルー法人が子会社等を新設して参入する場合は、過去にそのグループがペルー国内で展開したことのない、完全に新しい事業ラインに属する活動を行う新設法人でなければならない。第二に、最低2,000 UIT(約330万米ドル相当)の新規投資は、2年以内に執行しなければならない。
4月のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率3.73%(前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率4.01%(4月までの一年間)、対米ドル為替相場3.443ソル(平均値)、リマ首都圏の完全失業率5.3%(2026年2月~4月)、財政収支約107億ソルの黒字、貿易収支約33億米ドルの黒字となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
4月の経済成長率(GDP成長率)について、鉱業・炭化水素、農牧の成長率はマイナスとなったが、建設、商業等の成長率の高い伸びを反映して、全体としてGDP成長率は3.73%(前年同月比)となった。



イ インフレ率
4月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.52%となり、最近12か月(2025年5月~2026年4月)の上昇率は、4.01%となった。


ウ 為替相場
4月の対米ドル為替相場の平均は3.443ソルであった。


エ 失業率
2026年2月~4月のリマ首都圏の完全失業率は5.3%であった。


オ 財政収支
4月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で24.6%増となり、歳出は同比で19.5%増となった。全体では、プライマリーバランスは約107億ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると約104億ソルの黒字となった。


カ 貿易収支
4月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比68.8%増、非伝統産品(アボカド、アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が3.4%増となり、全体では約93億米ドル(対前年同月比51.1%増)となった。主要輸出品目は銅、金、鉛であった。輸入額は、対前年同月比で消費財が30.7%増、中間財は32.6%増、資本財が39.3%増となり、全体で約60億米ドル(対前年同月比34.0%増)となった。主要輸入品目は原油、携帯電話、軽油であった。この結果、貿易収支は約33億米ドルの黒字となった。


キ 外貨準備高
4月末の外貨準備高は約970億米ドルとなった。


ク 対外累積債務
2026年3月末の対外債務累積総額は約1,124億米ドルとなった。


(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)主な出来事
・中銀(BCR)は政策金利4.25%を維持
4月9日、中銀(BCR)理事会は、政策金利を4.25%に維持する旨発表した。発表によると、3月の前月比インフレ率は2.38%、食料とエネルギーを除くコア・インフレ率は2.07%となった。この3月中の大幅なインフレ上昇は、国際的な燃料価格の急騰、同月前半における天然ガスおよび液化天然ガス(LNG)の供給完全停止、並びに悪天候の影響といった、複数の供給ショックが複合的に作用した結果であると説明されている。また、直近12ヶ月間の累積インフレ率は2月の2.2%から3月には3.8%に上昇し、コア・インフレ率も同期間に2.2%から3.7%に上昇してBCRの目標値(注:1~3%)を上回った。一方で、今後12か月の累計インフレ率の見通しは2月の2.1%から3月には2.5%へ上昇したものの、目標圏内に留まっている。BCRはこれらの状況を総合的に考慮して金利維持を決定した。なお、今後の政策金利の調整はインフレ率とその決定要因に関する新たな情報に基づいて行うこととしている。
・中国企業がサン・フアン・デ・マルコナ新港ターミナルの契約締結
4月1日、運輸通信省は国家港湾局を通じ、中国企業が参加するサン・フアン・ポート社と、イカ州サン・フアン・デ・マルコナ新港ターミナルの設計・資金調達・建設・運営・保守に係るPPP型コンセッション契約を締結した旨公表した。投資額は4億500万米ドルで、2埠頭・3バースを整備し、ばら積み・一般貨物・コンテナに対応する設備を備える計画である。南部物流の強化を図り、操業後はカヤオ、チャンカイに次ぐ第3の重要港となる。2024年3月には、投資促進庁は同港のコンセッショネアとして金兆ペルー社を選定しており、同社の親会社は中融新大系金兆鉱業で、アレキパ州パンパ・デ・ポンゴ鉱山を開発中である。ペルーにおける鉄鉱石の生産は100%中国企業が担っており、今回の契約締結により、中国がペルーの鉄鉱石を中国へ直接輸出するための新たなルートを確保した。
・民間経済特区(ZEEP)に対する税務・関税優遇措置を創設する規則公布
4月22日、民間主導の経済特区(ZEEP)に対する特別な税制・関税制度を創設する法律第32449号(2025年9月26日公布)の規則が公布された。
本規則により、ZEEPの管理・運営・監督・インフラ整備等を担う民間企業(運営者)となる要件として、最低1,500 UIT(約250万米ドル相当。UITはペルー政府が毎年定める課税単位で、2026年は5,500ソル。)の投資と、90ヘクタール以上(カヤオ憲法特別市を除く)の開発面積を確保した上で、インフラ、アクセス環境、各種サービスへの接続要件を満たす詳細なマスタープランを通商観光省へ提出し、技術的評価を受けることが求められる。
また、ZEEP内で製造、組立、サービス等の事業活動を行う企業(新設法人または新設支店等)が「利用者」として運営者と契約し、事業を展開するための要件として、次の点が明示された。第一に、「新設法人または新設支店等」とは、原則として同法発効後に設立された新設法人等である必要があり、既存のペルー法人が子会社等を新設して参入する場合は、過去にそのグループがペルー国内で展開したことのない、完全に新しい事業ラインに属する活動を行う新設法人でなければならない。第二に、最低2,000 UIT(約330万米ドル相当)の新規投資は、2年以内に執行しなければならない。
(了)