中南米等におけるジカウイルス感染症の流行(ペルー発生状況等)
平成28年5月30日
在ペルー日本国大使館
1 5月29日,ペルー保健省は,ペルー国内におけるジカウイルス感染例について,これまでに国内感染例が17件,国外からの輸入例が12件確認された旨を発表しました。ペルー保健省は,全国レベルでジカウイルスの感染予防・監視体制を強化して対策を講じていますが,ペルー国内での感染例は徐々に増えてきています。
[国内感染例17件の内訳]
・カハマルカ州ハエン郡9件,ロレト州アルト・アマソナス郡4件,トゥンベス州サルミリャ郡2件,ウカヤリ州プカルパ市1件,リマ市1件(輸入感染患者による性感染)。
2 また,中南米等におけるジカウイルス感染症の流行に関する「感染症危険情報」が更新されました。詳細は以下3の「外務省感染症危険情報」を御確認ください。
[前回からの更新内容]
・ジカウイルス感染症の発生地域にアルゼンチンを追加
・ブラジル政府発表の小頭症疑い例等の報告件数
・日本国内における輸入症例数
・ブラジルにおけるデング熱及びチクングニア熱の発生報告数
3 つきましては,以下のウェブサイト等を御参照の上,蚊にさされないよう十分御注意ください。特に,妊娠中又は妊娠を予定している方は,流行国・地域(以下のウェブサイト御参照)への渡航・滞在を可能な限りお控え下さい。
○外務省感染症危険情報
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?infocode=2016T105#ad-image-0
○厚生労働省HP(ジカウイルス感染症について)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109881.html
○ペルー保健省HP
http://www.minsa.gob.pe/portada/Especiales/2016/zika/index.asp
○世界保健機関(WHO):Microcephaly/Zika virus(英文)
http://www.who.int/emergencies/zika-virus/en/
(参考:ジカウイルス感染症について。外務省感染症危険情報抜粋。)
1 感染経路
ジカウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。また、感染した人を刺した蚊が他の人を刺すことでも感染する可能性があります。更に、輸血や性交渉による感染リスクも指摘されています。流行地域から帰国した男性で、特に妊娠中のパートナーがいる場合は、パートナーの妊娠期間中は、症状の有無にかかわらず、最低4週間は性行為の際にコンドームを使用するか、性行為を控えるようにしてください。
2 症状
ジカウイルスに感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は2~12日で、主に2~7日で、およそ2割の人に発症すると言われています。発症すると軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などを呈しますが、一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。
3 治療方法
現在、ジカウイルス感染症には有効なワクチンや特異的な治療法はなく、対症療法が行われます。ジカウイルス感染症が流行している地域で蚊に刺された後に発熱が続く、または発疹が出るなど、ジカウイルス感染症を疑う症状が現れた場合には、医療機関への受診をお勧めします。
4 予防
ジカウイルス感染症には有効なワクチンもなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。これらの感染症の発生地域に旅行を予定されている方は、次の点に十分注意の上、感染予防に努めてください。また、症状の有無にかかわらず、帰国後少なくとも2週間程度は忌避剤を使用し、蚊に刺されないための対策を行ってください。
●外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、肌の露出した部分や衣服に昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに塗布する。昆虫忌避剤は、ディート(DEET)やイカリジン等の有効成分のうちの1つを含むものを、商品毎の用法・用量や使用上の注意を守って適切に使用する。一般的に、有効成分の濃度が高いほど、蚊の吸血に対する効果が長く持続すると言われている。
●室内においても、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用する。
●規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。
●軽度の発熱や頭痛、関節痛や結膜炎、発疹等が現れた場合には、ジカウイルス感染症を疑って、直ちに専門医師の診断を受ける。
●蚊の繁殖を防ぐために、タイヤ、バケツ、おもちゃ、ペットの餌皿等を屋外放置しない、植木の水受け等には砂を入れるなどの対策をとる。