ペルーの経済情勢(2023年第2四半期)
令和5年9月15日
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率▲0.56%(6月:前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率6.46%(6月までの一年間)、対米ドル為替相場3.650ソル(6月平均値)、リマ首都圏の完全失業率6.6%(4月~6月)、財政収支約36億ソルの赤字(6月)、貿易収支約14億米ドルの黒字(6月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について、6月は主に鉱業・炭化水素の成長率の伸びが見られた一方、漁業が大幅マイナスとなり、全体としてGDP成長率は▲0.56%(前年同月比)となった。



最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率▲0.56%(6月:前年同月比)、リマ首都圏のインフレ率6.46%(6月までの一年間)、対米ドル為替相場3.650ソル(6月平均値)、リマ首都圏の完全失業率6.6%(4月~6月)、財政収支約36億ソルの赤字(6月)、貿易収支約14億米ドルの黒字(6月)となった。
2 各論
(1) 主要経済指標
ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によると、ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)について、6月は主に鉱業・炭化水素の成長率の伸びが見られた一方、漁業が大幅マイナスとなり、全体としてGDP成長率は▲0.56%(前年同月比)となった。
イ インフレ率
6月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、-0.15%となり、最近12か月(2022年7月~2023年6月)の上昇率は、6.46%となった。

ウ 為替相場
6月の対米ドル為替相場の平均は3.650ソルであった。

6月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は、-0.15%となり、最近12か月(2022年7月~2023年6月)の上昇率は、6.46%となった。
ウ 為替相場
6月の対米ドル為替相場の平均は3.650ソルであった。
エ 失業率
4月~6月のリマ首都圏の完全失業率は6.6%であった。

オ 財政収支
6月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で6.3%減となり、歳出は同比で14%増となった。全体では、プライマリーバランスは約36億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約47億ソルの赤字となった。

4月~6月のリマ首都圏の完全失業率は6.6%であった。
オ 財政収支
6月の政府全体の財政収支は、歳入が対前年同月比で6.3%減となり、歳出は同比で14%増となった。全体では、プライマリーバランスは約36億ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると約47億ソルの赤字となった。
カ 貿易収支
6月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比8.6%減、非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が6.4%減となり、全体では約55億米ドル(対前年同月比8.2%減)となった。主要輸出品目は銅、金、原油であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が6.2%増、中間財は34.3%減、資本財が3.5%増となり、全体で約41億米ドル(対前年同月比18.3%減)となった。この結果、貿易収支は約14億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は軽油、自動車、ガソリンであった。

6月の輸出額は、伝統産品(鉱物資源、魚粉、コーヒー等)が対前年同月比8.6%減、非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品、繊維製品、工業製品等)が6.4%減となり、全体では約55億米ドル(対前年同月比8.2%減)となった。主要輸出品目は銅、金、原油であった。
輸入額は、対前年同月比で消費財が6.2%増、中間財は34.3%減、資本財が3.5%増となり、全体で約41億米ドル(対前年同月比18.3%減)となった。この結果、貿易収支は約14億米ドルの黒字となった。主要輸入品目は軽油、自動車、ガソリンであった。
キ 外貨準備高
6月末の外貨準備高は約729億米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2023年6月末の対外債務累積総額は約1,035億米ドルとなった。


(2) 最近の主な出来事
・チャンカイ港、2024年第4四半期に開港予定
中国企業Cosco Shipping Ports社がリマ首都圏の北80kmにて進めるチャンカイ港整備事業は、総事業費34億米ドル以上(第1フェーズは13億1,500万米ドル)が投資される大規模港湾インフラプロジェクト。Cosco社は、来年ペルーにて開催予定のAPEC首脳会議に合わせ、2024年第4四半期にチャンカイ港を開港すると発表した。港の管理運営はCosco社が株式の60%、ペルー企業のVOLCAN鉱業が40%を保有する。開港後は、アジア諸国へ無寄港直行が可能となり、域内諸国のハブ港となることが期待されている。
・通商観光省発表:ペルーのデジタル経済連携協定への加盟申請
5月26日、ペルー通商観光省は、ペルーがデジタル経済連携協定(DEPA)への加入申請を行ったと発表した。マティウス通商観光大臣は、「ペルーのDEPAへの加盟は、我が国とDEPA締約国との間のデジタル商取引の強化やデータの越境を促進し、我が国の起業家や中小零細企業のデジタルトランスフォメーション(DX)に利益をもたらすだろう」と強調した。DEPAは、国境を越えたモノやビジネスの取引での電子書類利用や個人情報保護、サイバーセキュリティー、デジタル身分証明、フィンテック、人工知能(AI)、ビッグデータのやり取り、中小企業のイノベーション、貿易、投資機会、デジタル格差の解消など、デジタル経済発展のための最新課題を盛り込んでいる。
・生産省発表:エルニーニョ現象の影響によるカタクチイワシ漁解禁の遅れ
6月8日、ペルー生産省は、解禁が遅れている沿海北・中央部のペルー産カタクチイワシ(アンチョベータ)の2023年第1漁期(冬漁)を解禁しないと発表した。ラウル・ペレス-レジェス生産大臣は記者会見で、解禁の遅延は約20万人のカタクチイワシ漁業関係者の雇用と、ペルーの主要輸出産品である魚粉の輸出への影響など、ペルー経済にとってマイナスとなるとコメントした上で、「この問題の影響を軽減するため何ができるか業界と一緒に検討する必要がある。」と述べた。
(了)
6月末の外貨準備高は約729億米ドルとなった。
ク 対外累積債務
2023年6月末の対外債務累積総額は約1,035億米ドルとなった。
(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2) 最近の主な出来事
・チャンカイ港、2024年第4四半期に開港予定
中国企業Cosco Shipping Ports社がリマ首都圏の北80kmにて進めるチャンカイ港整備事業は、総事業費34億米ドル以上(第1フェーズは13億1,500万米ドル)が投資される大規模港湾インフラプロジェクト。Cosco社は、来年ペルーにて開催予定のAPEC首脳会議に合わせ、2024年第4四半期にチャンカイ港を開港すると発表した。港の管理運営はCosco社が株式の60%、ペルー企業のVOLCAN鉱業が40%を保有する。開港後は、アジア諸国へ無寄港直行が可能となり、域内諸国のハブ港となることが期待されている。
・通商観光省発表:ペルーのデジタル経済連携協定への加盟申請
5月26日、ペルー通商観光省は、ペルーがデジタル経済連携協定(DEPA)への加入申請を行ったと発表した。マティウス通商観光大臣は、「ペルーのDEPAへの加盟は、我が国とDEPA締約国との間のデジタル商取引の強化やデータの越境を促進し、我が国の起業家や中小零細企業のデジタルトランスフォメーション(DX)に利益をもたらすだろう」と強調した。DEPAは、国境を越えたモノやビジネスの取引での電子書類利用や個人情報保護、サイバーセキュリティー、デジタル身分証明、フィンテック、人工知能(AI)、ビッグデータのやり取り、中小企業のイノベーション、貿易、投資機会、デジタル格差の解消など、デジタル経済発展のための最新課題を盛り込んでいる。
・生産省発表:エルニーニョ現象の影響によるカタクチイワシ漁解禁の遅れ
6月8日、ペルー生産省は、解禁が遅れている沿海北・中央部のペルー産カタクチイワシ(アンチョベータ)の2023年第1漁期(冬漁)を解禁しないと発表した。ラウル・ペレス-レジェス生産大臣は記者会見で、解禁の遅延は約20万人のカタクチイワシ漁業関係者の雇用と、ペルーの主要輸出産品である魚粉の輸出への影響など、ペルー経済にとってマイナスとなるとコメントした上で、「この問題の影響を軽減するため何ができるか業界と一緒に検討する必要がある。」と述べた。
(了)