ペルー政治情勢 2014年 7月の内政と外交 1 概要
(2)国会では,与党6議員が与党会派を離脱し,新たに「尊厳と民主主義」会派を結成した。国会執行部選挙が行われ,与党のソロルサノ議員が新国会議長に就任した。 (3)政権4年目に向けて,教育,保健,治安に力点を置いた,大統領教書演説が発表された。 (4)外交面では,チリとの領海境界線画定にかかる国内法の整備の一環として基線法の改正が行われた。 (5)ウマラ大統領は,独,伯,墨を訪問し,伯では習近平中国国家主席他と会談した。 (1)新大学法の公布
(2)ロレト州知事の逮捕
(3)新内閣の発足
(4)国会議員の会派離脱及び新会派の結成
(5)国会新執行部選挙の実施
(6)大統領教書演説
(7)ウマラ大統領支持率(カッコ内は前回の数値)
(1)チリとの領海境界線画定にかかる国内法の整備:基線法の改正 2日,国会常設委員会は,本年1月のチリとの領海境界線画定にかかる国際司法裁判所(ICJ)の判決に従い,領海境界線の開始地点を,これまでの「コンコルディア地点(266地点)」から,ICJが定めた「標石1(Hito 1)」を通過する緯線平行線と低調線の交差する点に定めるべく,国会外交委員会が提出したペルーの領海基線法改正法案を可決。これを受け,11日には,右を定めた新たな基線法(30223号)が公布された。
(2)グティエレス新外相の中国訪問 7日,グティエレス新外相は,駐中国大使を離任する挨拶のため中国を訪問し,王毅中国外交部長と会談を行った。同会談の中では,16日に行われる南米諸国首脳とBRICS首脳の会談(於:ブラジリア)の枠外で開催が予定されている,ウマラ大統領と習近平国家主席の会談,及び11月に北京で開催されるAPEC首脳会合の際に予定されているウマラ大統領の中国訪問について言及された。
(3)ウマラ大統領のドイツ訪問 14日及び15日,ドイツを訪問したウマラ大統領は,ベルリンで開かれた気候変動に関する非公式閣僚級会合(ペータースベルク気候対話)に出席し,演説を行った他,右会合の枠外でメルケル独首相と首脳会談を行った。首脳会談では,両国の関係が非常に良いレベルに達している点を確認すると同時に,今後も更なる分野での協力が可能である旨確認した。
(4)ウマラ大統領のブラジル訪問 16日,ブラジルを訪問したウマラ大統領は,ブラジリアで開催されたBRICSと南米諸国の首脳会合に出席した他,右会合の枠外で,習近平中国国家主席,モディ印首相,プーチン露大統領と会談を行った。習国家主席との会談では,農業,教育,保健,貧困削減の分野での協力を最優先に取り組むことを決定した他,会談後には両大洋間をつなぐ横断鉄道の建設に向けた秘・伯・中3か国の協力に係る共同宣言が発表された。また,モディ印首相との会談では,特に科学,技術,教育及び観光分野での協力を推進することで一致した他,プーチン露大統領との会談では,二国間関係,水力発電事業及び代替エネルギー開発における協力の可能性について触れた。
(5)ウマラ大統領のメキシコ訪問 17日及び18日,メキシコを訪問したウマラ大統領は,ペニャ・ニエト墨大統領と会談を行った。両首脳は両国が麻薬違法取引対策,組織犯罪対策において協力して取り組む意思を再確認した。また今般,二国間の治安に関するハイレベル・グループが設立された他,両国間の戦略的連携協定を始めとする10件の協定(覚書を含む)の署名が行われた。
(6)第1回汎米国会議長会議の開催 18日,当地において第1回汎米国会議長会議が開催され,米州機構(OAS)加盟各国の国会議長及びインスルサOAS事務局長等が出席した。米州地域の議会の統合の強化及び持続的可能な発展や社会的包摂に資する地域的課題の推進に向けて開かれた今次会合では,統合,透明性,気候変動,社会包摂,女性政治家の役割等のテーマについて話し合われた。
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